おすすめの記事 スイスの宗教の多様化、宗教法人の認証は州の管轄 このコンテンツが公開されたのは、 2017/04/26 文化の多様性が特徴である国スイスでは、宗教も多様だ。また、州が独立した権限を持ち、その上で連邦制をとるこの国では、州が宗教に関する問題を管轄している。こうした宗教の多様化と、最近の移民が信仰するイスラム教などの少数派の宗教とキリスト教の伝統を受け継ぐ多数派のそれとの間の亀裂に、州はどのように対処しているのだろうか?この問題の専門家に聞いた。 スイスで起きている宗教の多様化は、今後のスイス社会や州にとって、社会的にも法的にも大きな挑戦になる。法律の博士号取得後、博士研究員として現在、人の移動・移住に関する国の研究プロジェクト「On the move」で仕事をするステファニ・クルトさんは、「今起きている議論に、宗教団体が参加することは重要だ。法的な基盤もこの新しい状況に対応していかなければならない」と語る。 一方、信仰の禁止や宗教上の象徴の使用禁止を実現させようと、こうした案件を国民投票にかけて「直接民主制を利用する」ことは、かえってイスラム教徒などの反感を引き起こすだけで、穏便な解決策にはならないと強調する。 スイスインフォ: 宗教団体が宗教法人として認証されることは、現在スイスの大きな課題の一つになっていますか? ステファニ・クルト: ここ数年で、スイスの宗教をめぐる環境は大きく変わりました。たくさんのキリスト教信者が教会を離れ、他の宗教団体に加入する人が急増しました。しかし、こうした団体は宗教法人として認証されていないことが多いのです。 各州の立法関係者は、宗教の多様化に対応する枠組みを新たに考えなければなりません。 ヌーシャテル州のように、いくつかの州は宗教法人法の改正をしようとしています。また他の州は、既存の宗教団体以外の団体にも宗教法人となれるような道を開く新法を作成する必要性を感じています。 しかし、こうした問題はスイスでは新しいことではなく、例えばバーゼル・シュタット準州はキリスト教以外の宗教団体にも法人となれる可能性を開き、ヴォー州もここ数年で州憲法や州の法律を改正しました。 スイスインフォ: 宗教法人としての認証は、州の管轄です。しかし、それでも州が実際に法律を作成したり改正したりする場合には、連邦憲法に準ずる必要があるのではないでしょうか? クルト: たとえ連邦憲法が州に宗教管理を委託しているとしても、州は連邦憲法のいくつかの基本理念を尊重する必要があります。それは、人権の尊重、信仰の自由、法の下の平等、宗教的差別の禁止などです。 その上で、連邦制のお陰で、各州には宗教団体の取り扱い方が自由に任されています。例えば、ヌーシャテルやヴォー州では宗教団体の公益性を承認し、バーゼル・シュタット準州では「わずかな承認」を実践しています。その一方、シュヴィーツやウリ、ツーク州などのようなスイス中部と東部の州では、宗教団体を法人として認める法律が存在しません。公益機関としての認証 宗教団体を公益機関として認証することを「わずかな認証」、ないしは「州の認証」と呼ぶ。「公法における宗教法人の認証」との違いは、宗教団体が私的な協会に留まるという事実にある。だが、それにもかかわらず、いくつかの権利と義務が存在する。(※下のインフォボックス参照)スイスインフォ: 宗教団体にとって、宗教法人として認証されると日常において何が違ってくるのでしょうか? クルト: 宗教法人としての認証は、いわば互恵性に基づく、一つの同化のシステムなのです。宗教団体が法人の認証申請を行う際のやり方とか、法人になれる条件、基準などを、州は規定していきます。それと引き換えに、宗教団体はいくつかの特権を享受します。 宗教法人になるための条件として、例えばヌーシャテル州では、宗教団体は宗教の教義を社会にひろめ、宗教的な「和」や法的秩序を尊重し、透明性の高いやり方でその財政管理を行い、信者がいつでも団体から離脱できることを認めなければなりません。 その代わりとして、宗教団体は州の補助金を得ることができ、税制上の恩恵を受け、公的行事に参加でき、公立の学校を使って教義を教えることもできる。また刑務所や病院に任務する司教に対しての財政的援助も受けられます。 スイスインフォ: 宗教をめぐる環境の急激な変化によって起こる、ある種の「苛立ち感」の中で、どうすれば宗教団体が法人として認証されるプロセスを客観的に行うことができるでしょうか? クルト: 非常に難しい問題です。なぜなら、キリスト教以外の宗教団体が法人として認証されたという経験はあまりないからです。今あるものとしては、バーゼル・シュタット準州が、四つの宗教団体を法人として認証しています。その四つのうち二つがキリスト教系のもので、残る二つはイスラム教のシーア派からさらに分離した派に属する宗教団体です。これらの団体は同州で長年、盛んな活動を行なっていることで知られています。 今後数年の間で、どのように変わっていくのか、様子を見るしかありません。なぜならイスラム教の団体が法人として認証されるように、申請のプロセスを開始したところだからです。特にバーゼル・シュタット準州とヴォー州において、これが顕著です。 さて、もう一度一般的な問題に戻ると、法人化を許す法的なプロセスは、差別のリスクを避けるためにも非常に客観的な基準に基づくものでなくてはならないことは、明白です。公法における宗教法人の認証 多くの州がどの宗教団体の法人化を認証するかについて、州憲法や法律の中に規定を定めている。その結果、宗教団体はいくつかの権利を享受する。例えば、公立の学校を使って教義を教えることや宗教施設の建設、さらには刑務所や病院にその宗教の司教を配置するなどだ。しかし、同時にいくつかの義務もある。 公益機関としての認証 宗教団体を公益機関として認証することを「わずかな認証」、ないしは「州の認証」と呼ぶ。上記の「公法における宗教法人の認証」との違いは、宗教団体が私的な協会に留まるという事実にある。だが、それにもかかわらず、いくつかの権利と義務が存在する。 非認証 すでに宗教法人として認証されている団体以外の宗教団体を認証する法的基盤が全く存在しない場合。 オーストリアの例 オーストリアは2015年、以前より幅をもたせた形でイスラム教を宗教法人として認証するために法改正を行なった。オーストリアの歴史的背景から、イスラム教と同国との間に特に問題はなかったにもかかわらず、法改正に踏み切った。 クルトさんは次のように指摘する。「オーストリアは他の国にインスピレーションを与えるような法律を作成した。それは、二つのことを合体させたような法律で、一方で宗教法人の認証のための基準を制定し、他方でその基準に合致するような権利と義務を規定している。これは、スイスのヌーシャテル州の法案によく似た法文だ」 もっと読む スイスの宗教の多様化、宗教法人の認証は州の管轄
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おすすめの記事 直接民主制 ブルカの着用禁止は多数派の専制か このコンテンツが公開されたのは、 2017/04/19 スイスではこれまでの国民投票の結果、イスラム教の尖塔であるミナレットの新設、イスラム教徒の女性が全身を覆い隠すブルカの着用、ユダヤ教の屠殺方法であるシェヒターが禁止されてきた。はたして宗教的マイノリティは直接民主制の下では差別されやすいのだろうか?ある教授の解決策が一石を投じている。 ティチーノ州では2016年7月以降、顔を覆い隠すベールの着用が禁止されている。同州の住民がそう決定したためだ。 もっと読む ブルカの着用禁止は多数派の専制か
おすすめの記事 直接民主制 民主主義は幸せをもたらすか? このコンテンツが公開されたのは、 2017/03/10 「一般市民の政治参加の可能性が広がるほど、人は幸せになる」。少なくとも数種の調査ではこのような結果が出ている。それなら、すべての国が直接民主制を導入すべきなのか。比較政治学を専門とするイザベレ・シュターデルマン・シュテフェン教授に話を聞いた。 スイスインフォ: 直接民主主義は幸せをもたらすのですか? イザベレ・シュターデルマン・シュテフェン: 直接民主主義には確かに良い面がたくさんある。しかし、それが果たして個人の幸福度まで決めるのかということになると、これは疑わしいと思う。この結論は、学術的に見て本当に揺るぎないものだとは言い難い。 私たちは、あなたが指していると思われる研究を基に分析を行ってみた。その結果、民主主義に対する満足度という視点を分析に加えると、直接民主主義の好影響が「人生の幸福度」の中に消えていってしまうことが分かった。この結果の方がより意味をなすように思える。 直接民主制を採っていることを人々が良いことだと思っているのであれば、それは民主主義の理解のしかたに影響を与えるだろう。だが、政治が多くの人々の生活であまり重要な位置を占めていないのであれば、個人の生活と直接民主義の間に結びつきがあるとはほとんど考えられない。 スイスインフォ: しかし、自分がより深く政治に関わることができれば、満足度も大きくなるのではないですか? シュターデルマン・シュテフェン: 少なくともスイスでは、両者の間に多少の関係は存在する。だが、スイスの結果を一般化することはできない。 スイスで直接民主制を廃止すれば、これまであったものを無くしてしまうわけだから、人々はそれを不満に思うだろう。しかし逆に、ある国に直接民主制を導入したからといって、その国の人々が幸せになるとは限らない。 英国の欧州連合(EU)離脱を見ても分かるだろう。政府は成功すると思って国民投票を実施した。だが、全体の政治システムに浸透していない状態で一回きりの投票を行ってみても、結果は不明瞭に終わるだけだ。例えば、スコットランドだけが別の投票結果になったらどうするのか。そういったことを事前に考慮していなかった。これは私にはとても重要なことに思えるのだが。このようなことからも、直接民主主義に普遍的な「幸福効果」があるとは考えにくい。 スイスインフォ: 直接民主主義の短所は何ですか? シュターデルマン・シュテフェン: 一つは、ポピュリズムに対する開放性だ。国民投票前の運動で、議論が案件からはみ出すことは珍しくない。全く関係のないことや別の案件を引っぱってきたりする。これは明らかな短所だ。 スイスインフォ: 案件に関する自分の意見を出せなくなり、人を選ぶだけになったとしたら、正直なところ、一市民として私は不満に思うでしょう。どうすれば、この人は私の意見を本当に代弁してくれる政治家だという信頼を寄せられるようになるのでしょうか? シュターデルマン・シュテフェン: そもそも信頼を寄せなければならないのか。あなたは政治家を何らかの方法でチェックできる立場にいる。これが民主主義の要(かなめ)だ。 スイスの政治システムは実際、「全面的な懐疑」の上に作られている。つまり、「ベルンにいる彼ら(政府と議会)」が何かやっていて、私たち(有権者)はイニシアチブやレファレンダムを通じてそこから正しい結果が出るように監視しているのだ。だが、純粋な代表制民主主義にも監視の方法はあるし、もしかしたらそちらの方がもっと厳しいのかもしれない。 透明性と責任に関しては、代表民主主義の方がよりはっきりしている。ドイツのように代表制民主主義で政府を選出し、その政府があまり良くないと思う政治を行ったときには、あなたは次回から票を入れないという手立てを取ってその政府を直接罰することができる。(異なる政党から選出された7人の閣僚を持つ)スイスでは、場合によっては責任の所在を定めることがかなり難しい。そうすると、罰を与えたり、不信を表明したりということも難しくなる。 政治に参加することで、満足感を覚えることはありますか?皆さんのご意見をお寄せください。 もっと読む 民主主義は幸せをもたらすか?
おすすめの記事 直接民主制 第3次法人税改正法案 政府の意図に反し圧倒的多数で否決 このコンテンツが公開されたのは、 2017/02/13 スイスの国民投票で12日、三つの案件についてその是非が問われ、第3次法人税改正法案は圧倒的多数で否決。一方、移民3世の国籍取得手続きの簡易化と国道と都市交通のための基金(NAF)設立に関する案件は、約6割の賛成と州の過半数の賛成で可決された。今回の投票率は46%だった。 第3次法人税改正法案 今回の投票で最も注目を集めたのが、第3次法人税改正法案だった。同法案は経済拠点としてのスイスの外国企業に対する法人税制を国際水準に合わせて引き上げながらも、国際競争力を高維持することを目的としていた。今回、連邦議会が昨年6月に承認した同法案に社会民主党が異議を唱えたことで、任意のレファレンダムが成立した。 政府はEUなどからの国際的圧力もあり、この第3次法人税改正法案を成立させようと、有権者に賛成票を投じるよう呼びかけていたが、 59.1%という圧倒的多数で否決された。 同法案は、持株会社、管理会社、ミックスカンパニーを対象としたスイスに登記している外国企業に対する優遇措置を撤廃し、すべての企業に対し一律の連邦税を課すとしていた。しかし、こうした企業の撤退を危惧したいくつかの州は、州の法人税率の引き下げをすでに決定。その結果、州の減収分の一部を埋め合わせるため、政府は国の連邦直接税の中から21.2%(現在は17%)を州に渡すとしていた。 そして、それと共に、国際競争力を維持・高めるため、研究や革新を促進している企業を対象にした「パテントボックス税制」の導入と、研究開発にかかった実質経費の控除額を増加しようとしていた。 ところが、レファレンダムを起こした社会民主党は、「今回の改正によって利益を受けるのは一部の大企業とその株主であり、税制改正で生じる不足額は最終的に納税者、とりわけ中産階級が負担することになる」と批判していた。同法案により連邦、州、地方自治体の収税に生じるとされる不足額は30億フラン(約3千340億円)と推定されていた。 この「最終的な負担をするのは納税者である」という社会民主党の主張は、投票前2、3週間で急激に支持を得て、圧倒的多数の否決につながった。レファレンダム スイスには任意のレファレンダムと強制的レファレンダムの二つのレファレンダムが存在する。 任意のレファレンダムは、連邦議会が承認した法律の是非を国民投票で決める制度。法律の公布後、国民は100日以内に5万人分の有効署名を連邦内閣事務局に提出すれば成立する。国民の賛成過半数によって、可決となる。 強制的レファレンダムは、連邦議会が憲法改正を行う際、自動的に国民投票でその是非を問う制度。任意のレファレンダムに対し、強制的レファレンダムの可決には、国民の賛成過半数に加え、州の賛成過半数が必要となる。 今回の国民投票では、第3次法人税改正法案が任意的レファレンダム、憲法の改正が要される移民3世の国籍取得手続きの簡易化と国道と都市交通のための基金(NAF)が強制レファレンダムだった。移民3世の国籍取得手続きの簡易化 今回、有権者の60.4%の賛成と、23州のうち17の州の賛成により可決された移民3世の国籍取得手続きの簡易化。この結果、従来に比べて申請から国籍取得までの期間が短縮される。 ただし手続きは簡易化されるが、国籍を取得するための申請条件は以下のように、これまでよりも厳しく設定されている。 1.スイス生まれの25歳以下。 2.永住許可証(C許可証)を持ち、スイスで最低5年間義務教育を受けている者。 3.両親のうち少なくとも1人は、永住許可証を持ち、スイスで最低5年間義務教育を受け、スイスに10年以上滞在している。 4.申請者の祖父母は、どちらか1人がスイス生まれ、またはスイスの滞在許可証を取得していたことを正式に証明できる必要がある。 ただし、国籍取得のために必要とされる前提条件はこれまでと同様で、十分にスイス社会に統合されていることが求められる。 つまり、法秩序と憲法で規定されている、男女平等、信仰の自由、良心に従って行動する自由などの価値観を尊重しなければならない。さらに、公用語の少なくとも一つを話せる必要があり、納税の義務がある。また社会保障の受給者には国籍が与えられないなどといった条件が課されている。 今回の憲法改正法案は、08年にアダ・マーラ下院議員(社会民主党)が移民3世の国籍取得の簡易化を目的とした法案を連邦議会に提出したことに始まる。当時の法案が目指していたのは、移民2世代の国籍取得手続き簡易化と移民3世代に対する自動的な国籍付与だった。国民議会(下院)と全州議会(上院)共に意見が定まらず、その妥協案として出来上がったのが、今回の移民3世の国籍取得の簡易化だった。 この憲法改正法案に対して今回、「スイス国籍の安売り」として唯一意義を唱えていたのが右派・国民党で、「スイス国籍は、スイスに溶け込み、スイス人になりたいという意思を証明する過程を経たうえで手に入れるもの」と主張していた。 これに対して、スイスで生まれ、スイスの学校に通う第3世代をスイス社会の重要な一員と見る政府と連邦議会は、「祖父母の祖国よりも、生まれ育ったスイスとの繫がりが強い第3世代に対する国籍取得手続きは簡易化されるべきだ」として、同憲法改正に賛成票を投じるよう、国民に呼びかけていた。 国道と都市交通のための基金 続いて可決されたのが、国道と都市交通のための基金(NAF)に関する憲法改正案だ。これまでは、鉱油税と高速道路料金からの収入で道路事業が行われてきたが、将来的な財源不足に備え、政府と連邦議会が特定財源としてNAF設立を推進。投票者の61.9%、23全州の賛成という圧倒的な支持で可決された。 この結果、NAFに毎年約6億50万フランの資金を注入し、年間約30億フランの財源が無期限で確保される。施行は18年から。 また、NAFが設立されることにより、未完成の国道の整備、顕在化されている問題の解消、山道や地方の主要道路の整備などに留まらない、国道の運営・維持を含めた、広い範囲での資金運用が可能となる。 道路交通網が最も整っている国の一つに数えられるスイスではあるが、年々交通量が増え続けており、国道では90年以来、交通量は倍増している。国の予測によると今後交通量はさらに増加し続け、それは都市交通においても同様だという。そのため、これまで以上に必要となる道路インフラの運営費や維持費を国は確保する必要があった。 連邦議会では基本的にNAFに反対する声はどの政党からも挙がっていなかったが、社会民主党の一部からは、毎年追加で約6億50万フラン を特定財源として固定することで、他の分野に予算を回せなくなってしまうとの批判が上がっていた。また緑の党の一部反対派は、「NAFが実現し、道路事業により多くの資金が流れ込むことになれば、森林伐採は進む一方だ」と環境問題の観点からNAF設立を批判していた。 もっと読む 第3次法人税改正法案 政府の意図に反し圧倒的多数で否決
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