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改正皇室典範、「スパイの楽園」日本、ポップカルチャー… スイスのメディアが報じた日本のニュース

天皇御一家
スイスの主要紙は、日本では女性の皇位継承に対する国民の幅広い支持があるにもかかわらず、今回の改正でそれが認められなかった点に注目した Keystone-SDA

スイスの主要報道機関が7月14日~20日に伝えた日本のニュースから、①改正皇室典範、世論との隔たり②「スパイの楽園」日本、諜報体制強化へ③古代ローマと日本ポップカルチャーの意外な接点、の3件を要約して紹介します。 

実のところ、「聖闘士星矢」や「セーラームーン」に古代ギリシャ・ローマ文化の影響があることを、私は大人になるまで意識していませんでした。でも、日本人の知的好奇心が100年以上の時を経て、漫画やアニメという形で世界に還流している——そう考えると、文化の広がりの面白さを改めて感じさせられます。 100年後には、現代の漫画やゲームが、どこかで新たな物語や芸術へと姿を変えているのでしょうか。

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改正皇室典範 世論との隔たり 

皇族数の確保に向けた改正皇室典範が17日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決されました。女性皇族の結婚後の皇籍維持や、旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎えることを認めるもので、現行の皇室典範の実質的な改正は1947年の施行後初めてです。 

スイスの主要紙は、日本では女性の皇位継承に対する国民の幅広い支持があるにもかかわらず、今回の改正でそれが認められなかった点に注目しました。 

ドイツ語圏の日刊紙NZZは、左派ジャーナリストの弓狩匡純氏の「議論は世論から乖離してしまった。時代錯誤的だ」という言葉を引用。60~83%の国民が女性の皇位継承を支持しているにもかかわらず、改正案が可決されたことについて、政治と民意の断絶と位置付けました。さらに、「これが継承危機を直接的には解決しないのは問題」とも指摘。養子の子どもの世代になって初めて皇位継承権が発生する制度設計に言及しました。 

またNZZは、高市早苗首相が改正皇室典範に関し「丁寧に説明し、理解いただけるようしっかり努めていく」と述べたことについて、「日本では、政府がある施策に国民の支持がないと分かっている時の常套句だ」と説明しました。 

ドイツ語圏のスイス公共放送SRFは、制度が皇族に与える影響に焦点を当てました。日本在住のジャーナリスト、マルティン・フリッツ氏は、皇后雅子さまについて、「息子を産まなければならないというプレッシャーの下で精神を病んでしまった。そして今、自分の娘を通して、一世代後も状況が良くなっていないことを経験しなければならない」と説明。一部の専門家の警告として「この法律は最終的には皇室の崩壊につながる可能性がある」と伝えています。 

フランス語圏の日刊紙ル・タンは旧皇族の証言にも注目しました。戦後に皇籍を離脱した旧宮家の一員、久邇朝宏氏(81)は養子縁組案の非現実性をこう語ります。「15歳になれば、人は『自由の空気』を知っている。皇室に入りたいと望む人がいるかもしれないが、皇室の一員としての生活の困難さを理解すれば、おそらくそうは言わないだろう」  

「スパイの楽園」日本 諜報体制強化へ 

米ニューヨーク・タイムズをはじめとする複数の国際報道機関が、ウクライナ政府の推計として、ロシアがウクライナ侵攻で使用した兵器の90%に日本製部品が含まれていると報じました。スイス・ドイツ語圏の日刊紙NZZは、この問題の背景に日本の脆弱な諜報体制があると分析し、高市首相が進める諜報機関強化の動きを、日本の安全保障政策の転換点として報じています。 

同紙はまず、日本が国際的にどう見られているかを紹介。「専門家の間で日本は長い間、あまり名誉とは言えない『スパイの楽園』という称号を背負ってきた」。日本には国内諜報機関がなく、外国のスパイ活動を監視する体制が極めて弱いことを指摘しています。 

NZZの記事にあるニューヨーク・タイムズの調査によると、ロシアは東京のアエロフロート航空支社を隠れ蓑に、NEC、パナソニック、東芝といった日本企業のハイテク部品をベトナム経由でロシアに調達していたとされています。 

なぜ日本の諜報体制がこれほど脆弱なのか。NZZは日本大学大学院危機管理学研究科の小谷賢教授の分析を引用し、対米依存の構造的問題を浮き彫りにしました。「日本政府はこれまで、海外に関する諜報情報の90%を米国から得てきた。トランプ政権下では、明日何が起こるか分からない。日本はもはや米国に大きく依存できない」。さらに「米国は、日本と何を共有し、何を共有しないかを単独で決定してきた。日本政府は自分が何を知らないのかさえ分からないことが多かった」とも指摘。同盟国である日本が抱える情報面での脆弱性に言及しました。 

そうした現状を踏まえ、記事は、日本社会が変化しつつあると続けます。「現在、日本国民の多くは、軍事能力の拡大を支持している。諜報機関もこの観点から見られている」。2026年5月には日本政府のインテリジェンス(情報収集・分析)機能の司令塔となる国家情報会議設置法が参院本会議で可決・成立。NZZは、日本が「スパイの楽園」という不名誉な称号からの脱却を図っていると伝えています。 

古代ローマと日本ポップカルチャーの意外な接点 

ローザンヌのヴィディ・ローマ博物館で、古代ギリシャ・ローマ文化と日本のポップカルチャーの関係を探る展覧会「Kodai(古代)」が開催されています。 

フランス語圏スイス公共放送RTSは、漫画、アニメ、ゲームと考古学的遺物が対話するこの展覧会を、時空を超えた文化交流として報じました。 

この展覧会のアイデアは、博物館長カリーヌ・メイラン氏の幼少期の体験から生まれました。1980年代にフランス語圏で放送された日本のアニメから受けた影響が、展覧会の着想につながったといいます。そして、後に日本の漫画家・ヤマザキマリ氏の作品を発見したメイラン氏は、ある1つの疑問を抱きます。「時間的にも空間的にも遠く離れたこれら2つの文化は、どのようにして出会ったのか」 

なぜ日本のクリエイターたちは古代ギリシャ・ローマに惹かれるのか。ローザンヌ大学のマティュー・ペレ研究員は、その歴史的背景を説明しました。「特に19世紀末、日本が近代国民国家になった時期に、このギリシャ・ローマ文化がより重要な位置を占め始めた。日本人は、接触するようになった様々な国の歴史にますます関心を持つようになった」 

来場者は、古代のギリシャ神話のモチーフと「美少女戦士セーラームーン」「聖闘士星矢」など、考古学的遺物と現代の創作物との間に思いがけない共通点を見つけることができます。200点以上の日本のポップカルチャー作品(漫画、アニメ、ゲームなど)が、スイスの様々な博物館所蔵の考古学的遺物と対話する形で展示されています。 

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校閲:上原亜紀子

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