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スイスの名峰ヴァイスホルンで氷河が不安定に 専門家ら「差し迫った脅威はない」

スイス南西部ヴァレー州ランダ近郊のヴァイスホルンでは、依然として緊迫した状況が続いている
ツェルマットの南にあるヴァイスホルンでは23日、氷河の大部分が崩落した Keystone / Jean-Christophe Bott

ヴァレー(ヴァリス)州の名峰ヴァイスホルン東側の懸垂氷河の一部で、先週末にかけて大幅な移動加速と複数回の崩落が観測された。スイス当局は、今後数日中に崩落の恐れがあると警告したが、地元当局や専門家は差し迫った脅威はないと強調している。

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この氷河は6月末から監視が続けられていたが、先週末にかけて著しい動きを見せた。8月24日、3回にわたり大きな氷塊が崩落したため、当局は監視を強化した。

雲に覆われたヴァイスホルン山頂。山頂東側に懸垂氷河があり、下部にビス氷河が広がる。2026年8月25日、ヴァレー州にて
雲に覆われたヴァイスホルン山頂。山頂東側に懸垂氷河があり、下部にビス氷河が広がる。2026年8月25日、ヴァレー州にて Keystone / Jean-Christophe Bott

警戒レベルが引き上げられたにもかかわらず、ランダ村のフレデリック・イムボーデン村長は、この状況は決して珍しいことではないと強調。「この氷河は長年監視が続けられ、常に動きがある。その程度は時によって異なるだけだ」と、独語圏のスイス公共放送(SRF)に語った。

氷河周辺は6月以降、危険区域が設定され、標示が施されている。指定区域内への立ち入り禁止措置は当面続く見通し。歩行者・自転車利用者のための公式アクセスルートも閉鎖されている。

「生活の一部」

イムボーデン村長は、村の住民479人に危険はないと述べた。

「居住地は危険区域には含まれていない」とSRFに語った。また、住民は自然災害との共存に慣れており、リスクも理解しているとした。

危険地帯
ランダ周辺の現在の危険区域(赤色で表示、8月25日) Randa municipality

SRFの取材に応じた住民たちも、この状況はアルプスでの生活においては珍しいことではないと語った。

ヴァレー州の自然災害エンジニア、ノルベルト・カーレン氏は、さらなる氷の崩落が起こる可能性が高いと述べた。しかし、氷河の小さな部分だけが崩落するのか、広範囲が崩落するのかを予測することは不可能だという。

最悪の場合、数十万㎥の氷が崩落する可能性がある。それでも、村自体が危険にさらされることはないだろうと同氏は述べた。「現時点では、警備員、自治体、州が住民を守るために可能な限りの対策を講じている」

ヴァレー州ツェルマットの南に位置するヴァイスホルン山の山頂の様子。ビス氷河の上方に懸垂氷河がある。麓にランダ村が位置する
ヴァレー州ツェルマットの南に位置するヴァイスホルン山の山頂の様子。ビス氷河の上方に懸垂氷河がある。麓にランダ村が位置する Keystone / Jean-Christophe Bott

「特に新しいことではない」

氷河学者のマルティン・フンク氏も、現在の状況は懸垂氷河の典型的な挙動であり、「目新しいことではない」と説明した。

「ある時点で、氷河はもはや自重を支えきれない大きさになり、その結果、氷河全体またはその一部が崩落する」と語った。

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フンク氏は2005年にヴァイスホルン山頂東側の懸垂氷河で発生した同様の事象の監視に関わっており、地元自治体には長年にわたり確立された安全対策があると述べた。過去10年間、ヴァイスホルンから谷へと降り注ぐ雪崩を監視しているという。

「大規模な雪崩が発生すると、道路と鉄道は自動的に閉鎖される」とフンク氏は付け加えた。

初めての脅威ではない

ランダでは以前にも氷河の崩壊を経験している。記録上最大は1819年で、氷の雪崩が村に甚大な被害をもたらした。その後、1972年と1973年に起きた崩壊は被害が比較的軽微で、居住地域に到達する前に止まった。

ランダは、他の自然災害の影響も受けてきた。1991年には、ランゲンフルーベルク山で大規模な3重の岩崩れが発生した。数週間のうちに、約5000万㎥の岩が谷へと転がり落ちた。

これらの岩塊は鉄道線路と道路を埋め尽くしたほか、ヴィスパ川をせき止めた。この落石による人的被害はなかったが、家畜が犠牲となり、33棟の建物が倒壊した。

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英語からの翻訳・校正:宇田薫

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