郵便投票をめぐる最高裁判断、トランプ氏の5000ドル配当、3億2400万年前の化石…スイスが報じた米国のニュース
スイスが報じた9日から16日の米国のニュースで、郵便投票をめぐる判決、トランプ氏の5000ドルの約束、3億2400万年前の化石、の3件を要約してお届けします。
米国の中間選挙までまだ1カ月半あるが、政治の熱気はすでに高まっている。ドナルド・トランプ大統領は先週、共和党が勝利すれば米国の成人全員に5000ドルを支給すると約束した。14日には最高裁が、(共和党支持者よりも民主党支持者に好まれる)郵便投票の利用制限実施を認めない判断を下した。当然のことながら、スイス各紙はトランプ氏の「必死の」振る舞いに愕然としている。
米最高裁は、ドナルド・トランプ大統領が自身の有利になるよう郵便投票制度を変更しようとした計画の実施を阻止した。スイス・ドイツ語圏の日刊紙ターゲス・アンツァイガーは、「民主主義にとっては良い日であり、トランプにとっては悪い日だ」と報じた一方、トランプ氏による実害はすでに出ていると警告した。
同紙は最高裁の判断について15日付の論説で「むろん、これ以外の正しい決断はない」とした。
とはいえ、祝うべき理由はほとんどない、とも指摘した。「中間選挙まで残り50日もない。もしトランプ氏の意図が最初から、選挙前に混乱を助長し、選挙プロセスの正当性に対するさらなる疑念を植え付けることだったのなら、おそらく彼はすでにその目的を達成しているだろう」とした。
同紙は、米国の有権者の約3分の1が郵便投票を利用し、その大半が民主党支持者である点に触れた。
「選挙プロセスへのこのような干渉は憲法上、選挙の責任を負うのは現職の大統領ではなく各州であるという単純な理由から、非難されるべきものだ」と同紙は続ける。「したがって、最高裁判事たちは、トランプ氏による選挙制度への攻撃を、もっと早い段階で、そしてより根本的な方法で阻止すべきだった。何しろ、民主主義を標榜する国が、選挙がすでに進行中の段階でそのルールを変更するなど、いかなる状況下でも許されることではないからだ」
今後の展開については、トランプ氏が米国の選挙制度に対する攻撃を突然断念することはないとした。「この大統領は、自分と側近たちが勝者であると宣言される場合のみ、選挙結果を受け入れる。選挙担当官や反対派を脅し、自党に有利になるよう、できるだけ多くの選挙区の区割り変更を強行するだろう」
しかし、この一連の出来事の中に「希望のメッセージ」はある、とも指摘した。「これは、自身の支持に自信を持っている人物の振る舞いではない。これは、人々がこぞって自分から離れていくのを感じている人物の振る舞いだ」
トランプ大統領は、11月の中間選挙で共和党が勝利した場合、米国の成人全員に5000ドルを支給すると約束した。「必死の策だ」とあるスイスの新聞は報じた。別のメディアも「共和党にとって不吉な前兆だ」と伝えた。
「今回に限っては、ドナルド・トランプこそが世界で最も正直な政治家だ」――これはドイツ語圏の日刊紙NZZ日曜版の論説を飾る、驚くべき一節だった。「スキャンダルのように見えるこの事態は、単に露骨な票の買収に過ぎない。こうした慣行は世界中の民主主義国家で当たり前になりつつある」と同紙は記した。
「原油価格の高騰に苦しむ有権者たちは彼に背を向けつつあり、中間選挙を控えた現時点で、トランプ氏は歴代の大統領のほぼ誰よりも不人気と見なされている」と同紙は指摘した。「それにもかかわらず、この危機のおかげで、彼は――本意ではないにせよ――世界一正直な政治家として歴史に名を残すことになるかもしれない。純粋な絶望から、彼は、もし共和党が中間選挙で勝利し、共産主義を阻止できれば、すべてのアメリカ人に5000ドルを支給したいと考えている」
フランス語圏のスイス公共放送(RTS)は「米国には約2億7000万人の成人がいることを考慮すると、この措置には約1.35兆ドルの費用がかかるだろう」とそろばんを弾いた。
「この票買収の規模と大胆さは、歴史上類を見ないものかもしれない」とNZZ日曜版は続けた。「しかし、彼は世界中の民主主義国家で日常化しつつある現象を露呈させている。有権者を買収することは、彼らを説得する新たな手段となっている。政策は、個人の懐に即座に現金を増やしてくれる場合にのみ容認される――この要求は、先進国の低成長率を鑑みれば、いかなる国家の履行能力をも圧倒する」
フランス語圏・ローザンヌの地元紙、24時間新聞は、その資金が米国人の懐に入るまでにはまだ長い道のりがあることを指摘した。「第一に、この提案の法的実現可能性は決して保証されていない。第二に、『約束はそれを聞く者にのみ拘束力を持つ』という格言があるように、トランプ氏が将来の有権者を誘引するためにこうした提案を行いながら、結局実現しなかったのは今回が初めてではない」
スイス・ドイツ語圏のニュースサイト「Schweiz Heute」も同様に懐疑的だ。「トランプ氏の約束を信じる人々にとって悪いニュースは、そのお金を受け取ることはおそらくないだろうということだ。たとえ受け取れたとしても、その代償は自分たちが払うことになるだろう。大統領がそもそもこのような手段に訴える必要があると考えているという事実自体が、中間選挙を控えた共和党にとって不吉な前兆なのだ」
何十年もの間、研究者たちは昆虫がどのようにして水生から陸生へと初めて移行したのかについて頭を悩ませてきた。ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)は、テキサス州で発見された、3億2400万年前の極めて保存状態の良い化石がその謎を解き明かしている、と報じている。
六脚動物(6本足の動物)の最古の化石は約4億500万年前のものだ。しかし、その後の約8000万年間については、信頼に足る化石がほとんど知られておらず、いわゆる「六脚類の空白期間」があったと、SRFは説明した。この期間において、初期の昆虫がどのようにして水生生活から陸生生活へと徐々に適応していったのか、またその過程で体構造がどのように変化したのかについて、直接的な証拠が欠けていた。
SRFは「まさにこの知識の空白が、今回いくらか埋まった」と報じた。「国際的な研究チームが、石灰岩の結節から発見された、極めて保存状態の良い化石を調査した。この化石は1985年にテキサス州西部で発見されたもので、約3億2400万年前にさかのぼる。したがって、これは六脚類の空白期間の終わりを示すものとなる」
この化石は、甲殻類と昆虫のハイブリッドだ。研究者たちはこれを「Chosha praecursor」(先駆喬昔虫)と命名した。この化石は、成体の無翅の雌を示している。体長は3cm強で、背側糸状突起の下端にある細い糸状の付属肢である末端糸状突起と、長さ5cm弱の2本の尾糸状突起を備える。また、産卵管や6本の脚など、昆虫に典型的な特徴も確認できる。
「同時に、この生物には、現在の生きている昆虫には見られない特徴、すなわち甲殻類のような腹部を備えている」とSRFは述べた。「11個ある腹節のうち9個には、甲殻類によく見られるようなパドル状の付属肢が付いている。これらはかつて、泳ぐために、あるいは鰓(えら)としてさえ使われていた可能性がある」
そのパドル状の腹部付属肢は完全に消失したわけではなく、半分だけ退化した状態、つまり中間段階にある。「陸上ではこれらの付属肢が不要になったため、退化した」とSRFは述べた。「したがって、水から陸への移行は、長い間想定されていたような急激な進化の飛躍ではなかった。むしろ、それは長い両生的な過渡期であり、初期の昆虫は湿った河川沿いの地域や浅瀬、その周辺で数百万年にわたり生息していた」
SRFは、Chosha praecursorが昆虫の系統樹における欠けていたパズルのピースを埋めるだけでなく、先史時代の多脚の泳ぎ手が、現在地球の隅々まで生息する六脚の陸生生物へとどのように進化したかについて、さらなる洞察を与えてくれると結論づけた。
次回のスイスが報じた米国のニュースは9月24日にお届けします。
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英語からの翻訳・校正:宇田薫
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