The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

難民救助船「アクエリアス」号へのスイス国旗掲揚を嘆願

難民救助船「アクエリアス号」へのスイス国籍付与を訴える請願者たち
スイス連邦議事堂前で9日、救命胴衣を着て難民救助船「アクエリアス号」へのスイス国籍付与を訴える請願者たち © KEYSTONE / PETER SCHNEIDER

スイスのNGOらは9日、スイス連邦政府に対し、難民の救助船「アクエリアス号」にスイス国旗を掲げることを認めるよう請願書を提出した。請願書には2万7千筆の署名が集まった。

地中海で遭難する難民の救助に当たるアクエリアス号は現在、仏マルセイユ港に停泊し、スイス国旗を掲げての活動に国の許可が出るのを待っている。今年8月に英領ジブラルタルの旗を掲げるのが禁じられ、「アクエリアスⅡ」と名称を変えてパナマ国旗のもとで航行していた。だがパナマも9月22日に同船の登録を抹消すると表明。旗がなければ船舶は海上を航行できないため、救助活動が停止に追い込まれている。

この難局を受け、アクエリアスを再びスイス船として登録することを政府に求める声が高まっている。4人の連邦議員がアクエリアスにスイス国旗の掲揚を認めるという動議を議会に提出した。8日にはスイス著名人や政治家が署名した公開書簡が連邦閣僚宛に送られた。

9日には2万7千筆の署名がベルンにある連邦内閣事務局に届けられた。だが欧州全体でアフリカ難民の大量流入に歯止めをかけようとする動きが広がる中、スイス国旗の掲揚は政治的に波紋を広げる可能性がある。イタリアは、難民救助船の入港を禁じ、アクエリアス以外の救助船を強制的に退去させた。

国境なき医師団外部リンクSOSメディタラネ外部リンクが運営するアクエリアス号は2年超で約3万人の難民を救助した。今年、地中海の横断を試みて亡くなった難民は1700人を超える。

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

スイス公共放送協会

おすすめの記事

スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。

もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
財布

おすすめの記事

スイスでは現金のチップが主流

このコンテンツが公開されたのは、 スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。

もっと読む スイスでは現金のチップが主流
プラタナス

おすすめの記事

プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。

もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
ひまわり畑

おすすめの記事

見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。

もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部