連邦政府、移民融和支援計画に予算1、000万スイスフラン
スイス連邦政府は、排他的で閉鎖的な社会というスイスのイメージから脱却するため、スイス人と移民コミュニティーの良好な関係を促進するためのプロジェクトに着手した。
スイスはルクセンブルクに次いで欧州で最も移民の多い国だ。が、移民達はスイス人社会にとけ込めず、自分達のコミュニティー内で孤立している。したがって、連邦政府がこの現実を認識し財政支援をするというのは大変重要なことだと、連邦外国人委員会のウォルターシュミット副委員長は言う。
連邦政府は、移民のためのスイスの国語(主に独語と仏語)学習、カルチャー講座、オリエンテーション、女性や若者のための非公式討論会など205の移民支援プロジェクトのため1、000万スイスフランの予算を指定した。ローズマリー・シメン連邦外国人委員会議長は、外国文化とスイス文化の双方に詳しい「キー・パーソン」と新着移民達の交流を促進し、移民のスイスへの適応やスイス社会への融和を手助けしたいと言う。さらに、スイスの政治と社会で移民が積極的な役割を果たせるようにしたいとシュミット副委員長は言う。連邦政府は、外国人住民のスイス国籍取得簡易化について検討中だが、外国人のスイス入国人数制限を図る右派勢力から強硬な反対にあっている。現在、スイス総人口中外国人の占める割合は19%だ。
国内の非スイス人による犯罪率を調査する連邦政府作業部会が先週発表したリポートによると、難民の犯罪率はスイス国籍を持つ者の犯罪率の10倍だ。シュミット氏は、外国人犯罪予防の最善の方法はスイス社会への融和だという。スイス社会に溶け込み、住み心地が良いと思っている人々は犯罪など犯さないが、何年住んでいてもなじめない人は犯罪に走る傾向があるとシュミット氏は力説する。また、シメン議長は、連邦政府の移民支援プロジェクトを連邦外国人委員会が支援するためには、来年の委員会の予算を倍増する必要があると訴える。
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