The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

スイス大企業の役員報酬、6.3億円

man with briefcase
スイスの大企業役員たちは、かかとだけでなく財布もすり減らしているようだ © KEYSTONE / GAETAN BALLY

スイスの大企業の役員報酬が大きく減少している。2017年の大手20社の中央値は3割近く下がり、金融危機直後の2009年以来の低水準になった。

国際会計企業プライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)が27日発表した役員報酬リポート外部リンクによると、スイス株価指数(SMI)外部リンクに算入される20社の最高経営責任者(CEO)の年収は、中央値が550万フラン(約6億3千万円)と、前年の770万フランから29.5%減った。

SMIに算入される企業は時勢により入れ替わるが、ロシュやノバルティスなどの製薬大手やUBS、クレディ・スイスといった金融機関、ABB、ネスレ、スウオッチグループなどの多国籍企業が常連。中央値は、それ以上稼ぐCEOとそれ以下のCEOの人数が等しいことを指す。

中型株の指数SMIM外部リンクに算入される企業のCEOの年収は330万フランと、前年比7.6%減った。ただ09年比では54%高い水準にある。

一方、小企業では140万フランと3.5%増えた。09年比では12.7%多い。

ドイツよりは控えめ

PwCは今回初めてドイツ企業の役員報酬と比較した。ドイツ株式指数(DAX)算入企業の役員報酬は680万フランと前年より1割超増え、スイス大企業を24%上回った。

ドイツの小企業も160万フランとスイスより多かった。中企業だけはスイスの方が多く、ドイツの中型株MDAX算入企業は300万フランだった。

おすすめの記事
セルジオ・エルモッティ氏

おすすめの記事

スイスの社内年収格差、なお143倍 最高収入はUBSの15.6億円

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの大企業では、社内で最も年収の多い人は最も少ない人の平均143倍を得ていることが分かった。2013年に上場企業の経営者らに支払われる法外な報酬の抑制を目指すイニシアチブ(国民発議)が圧倒的多数で可決されたが、年収格差の縮小は進んでいない。

もっと読む スイスの社内年収格差、なお143倍 最高収入はUBSの15.6億円

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

詐欺を警告するPC画面

おすすめの記事

スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決

このコンテンツが公開されたのは、 スイス銀行を狙った口座乗っ取り事件で、英国で刑事告訴されていた英国人学生(21)に禁固7年の有罪判決が言い渡された。スイス連邦検察庁によると、学生はスイスの銀行顧客から約240万フラン(約4億4000万円)を騙し取った。

もっと読む スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決
オリーブの木

おすすめの記事

温暖化でスイスがオリーブの名産地に?

このコンテンツが公開されたのは、 スイス西部のフランス語圏は温暖化によりオリーブの木を育てやすくなっている。生産者らは2026年には栽培本数が2万本に倍増し、南部のイタリア語圏ティチーノ州を追い抜くと見込む。

もっと読む 温暖化でスイスがオリーブの名産地に?
山肌に描かれた巨大な絵

おすすめの記事

アルプスに新しい巨大地上絵が登場

このコンテンツが公開されたのは、 世界各地で巨大な地上絵を描くアーティストのSAYPE(セイプ)さんが、スイス南部ヴォー州のアルプス山頂に新作を完成させた。

もっと読む アルプスに新しい巨大地上絵が登場
原発

おすすめの記事

スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず

このコンテンツが公開されたのは、 スイス北部デニケン(ソロトゥルン州)のゲスゲン原子力発電所が2カ月近く、発電を停止している。給水配管システムに過負荷がかかっている可能性があり、安全性が証明されるまで発電を再開できていない。

もっと読む スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
セメンヤ

おすすめの記事

欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」

このコンテンツが公開されたのは、 欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。

もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
スイス公共放送協会

おすすめの記事

スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。

もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
財布

おすすめの記事

スイスでは現金のチップが主流

このコンテンツが公開されたのは、 スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。

もっと読む スイスでは現金のチップが主流

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部