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在外スイス人、IC旅券に戸惑う



IC旅券申請が困難な高齢者などのために、指紋をデータ化する器械を納めたスーツケースが試行されている

IC旅券申請が困難な高齢者などのために、指紋をデータ化する器械を納めたスーツケースが試行されている

スイスは昨年5月の国民投票でIC旅券の導入を承認し、今年3月1日から実施に移った。

しかし、登録用器械が完備されていないスイス大使館や領事館、また手続きの複雑さなどで、在外スイス人から不満の声が上がっている。これに対し関係当局は改善に全力を上げていると話す。

器械をスーツケースに

 顔写真と2枚の指紋データをICチップに含むIC旅券 ( バイオメトリックス・パスポート ) の導入には、個人情報のセンター化に繋がるなどを理由に反対する人も多かった。しかし政府は、スイスも加盟しているシェンゲン協定の加盟国がIC旅券導入を行っているため、スイスも足並みを揃えるよう訴え、昨年5月の国民投票で導入が決定された。

 今年3月から施行に移ったが、現在国外のスイス大使館や領事館には100カ所しか指紋データ用の器械が整備されていない。しかし5月31日までには、132カ所すべてに配置されると連邦警察局 ( Fedpol ) は話す。

 また、在外スイス人はスイスに帰国したとき手続きを行うことも理論的には可能だが、こうした例外的手続きも出発前に居住国である程度の手続きを済ませていなくてはならないという煩雑さが伴う。

 一方、高齢者や身体障害者が申請のために、遠方の領事館まで出かけなくてはならない問題について、連邦警察局IC旅券プロジェクトチームのリーダー、マルクス・ヴァルトナー 氏は
 「新しい法律は、こうした人たちが領事館まで足を運ばなくてもよいように規定している」
 と話す。

 実際、顔写真と2枚の指紋データを取るための器械をスーツケースに納め、持ち運ぶ計画が連邦警察局で試行されている。これがうまくいけば、高齢者、身体障害者のみならず、病院に入院している子どもたちなどにも適用される見込みだ。

より簡単な方法

 一方、「在外スイス人組織 ( OSA )」 はスイス人が帰国した際、またはシェンゲン協定域内のいずれかの国に入国した際、簡単にIC旅券が作成できるよう要請している。
 「国外に住むスイス人がもっと容易にIC旅券を手に入れられる方法をスイス政府は真剣に考えるべきだ」
 と在外スイス人組織の責任者、サラ・マスタントゥオニ氏は訴える。

 「国外の大使館や領事館の数は減る一方で、在外スイス人はパスポート入手のために遠距離移動を強いられている」
 とマスタントゥオニ氏は話す。
 
 さらに現在、IC旅券申請方法が対応者によって異なり、混乱状態にあるとも指摘する。

発想の転換

 「確かに新しいシステムを導入するときには、多くの混乱が伴うことは認める。また、在外スイス人が不安になるのも十分に理解できる。しかし、IC旅券導入に対する誤解もいくらかあるように思える」
 とヴァルトナー 氏は前置きし、問い合わせに応じて正しい情報を提供する努力は続けていると強調する。

 ただ、ヴァルトナー 氏によれば基本的に認識を変える必要があるという。まず、パスポート作成の過程が以前とは違うと理解すること。さらにIC旅券の導入は、スイスがシェンゲン協定域内に入ったために行われたことの2点を十分認識しなくてはならない。

 「IC旅券を申請すると決めたなら、考え方を変えなくてはならないと思う。つまりわれわれは今、安全性の管理において前進し、さらに安全性を高めるには特別な努力が必要だということだ。実際のところ、指紋データを取るという特別なことを除けば、IC旅券作成の申請方法は2003年とそれ程変わっていない」
 とヴァルトナー 氏はさまざまな苦情に対し、考え方の転換を勧める。

ジェシカ・デイシイ、swissinfo.ch
( 英語からの翻訳、里信邦子 )

IC旅券

スイスは2009年5月の国民投票でIC旅券の導入を承認し、今年3月1日から実施に移った。
IC旅券によって、アメリカにはビザなしで入国できる。パイロットケースとして2006年9月から発行された電子パスポートでもアメリカへの入国は可能。
現在世界50カ国がIC旅券を導入。この数はやがて90カ国に増える。数にしておよそ1億のIC旅券が発行されている。
イギリスとアイルランドを除くすべての欧州連合 ( EU ) の国ではシェンゲン協定のため、IC旅券を所持しなくてはならない。

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