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スパイ疑惑はスイスの中立性を汚すのか

Bundeshaus mit Schweizer Fahnen unter einem dunklen Himmel.
スイスの首都ベルンにある連邦議事堂には暗雲が立ち込めている Keystone / Anthony Anex

スイスの暗号化企業クリプト社をめぐるスパイ疑惑は、永世中立国家スイスのアイデンティティを揺るがしている。スイスの政治家、歴史家、メディアの間ではスイス製の不正デバイスが国の信用に与える悪影響について議論がかまびすしい。

米中央情報局(CIA)と独連邦情報局(BND)がスイス暗号機メーカー、クリプト(本社・ツーク)を使って諜報活動を繰り広げていたことを、スイスの政治家がいつからどこまで知っていたのか、まだ解明されていない。

国際法上、国内の私企業の活動にスイスが責任を負うわけではない。歴史家のゲオルク・クライス氏はドイツ語圏の日刊紙ターゲス・アンツァイガーのインタビューでこう説明した。だが政府や諜報機関が認知していたなら話は別だという。

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スイスの暗号化企業、CIAのスパイ活動に関与

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの通信暗号化企業クリプト(本社・ツーク)が半世紀近くスパイ活動を行っていたとの疑惑で、スイス政府が調査に着手したことが明らかになった。

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「さらに(スイスの)諜報機関は中立という公式ドクトリンに従属している」(クライス氏)。そうでなければ、政府職員がスイスの中立性を傷つけたことになる。クリプトのスパイ疑惑はまさにそのケースといえそうだ。

ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)が報じた文書によると、なかでも連邦情報機関(FIS)は傍受作戦の存在を知っていた。前回の調査は別の答えを導き出していた。

各政党は右から左まで驚きを露わにした。

国民党のアルバート・レシュティ党首は「中立の小主権国家として、明らかに断じて許されない」とSRFに語った。

左派・社会民主党のクリスティアン・ルヴラ党首は「米国がその同盟国さえも盗聴していることをスイスが知っていた」とすれば、事態は「別の次元」に至ると話した。

クライス氏はスイスが「西側の中立国」だというのは共通認識だと指摘する。一般的に、スイスの中立政策はいつも伸縮性がある。「スイスが絶対的に中立の中立だったことはない」

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「スイスの恥」

歴史家で左派政治家のジョー・ラング氏はこの数十年、監視や文書管理、スイスの中立性を研究してきた。中立を偽装していたことについて、スイスは不正暗号機を購入した国々に詫びる必要があると考える。

外交で仲介役を務めるスイスへの信頼は地に落ちたが、クライス氏は対内的な政治ダメージはさらに大きいとみる。スパイ活動の暴露は「中立とは何か、という一般的な理解を破壊した」からだ。

スイス国民が中立という概念を理想化していたことは事実だが、「レアルポリティーク(現実政治)と相いれない部分が大きくなりすぎると、人々は政治を支持しなくなる」(クライス氏)

ベルン州の日刊紙ブントは「暴露は痛ましい」と書いた。「スイス人がこれまで崇めてきた中立性は、偽善に過ぎなかったことを示した」。社説で中立性が「スイスの人生をかけた嘘」で「民間伝承の一つでしかない」と批判した。

ドイツ語圏の日刊紙NZZは、スパイ活動が連邦内閣に支持されていたり、連邦情報機関が積極的に恩恵を受けていたりしたことが判明すれば、それはスイスの「中立という自己イメージに対する災害」になると指摘。今は「紛争の仲介者や信頼できる経済拠点というスイスの信頼性に関わる全ての疑念を取り払うこと」が急務だと警告した。

夏には明らかに?

遅くとも6月末にはさらなる事実が明らかになる。連邦内閣は、ニクラウス・オバーホルツァー元連邦判事らにクリプト疑惑に関する報告書をまとめるよう指示した。政府の関与を解明する議会調査委員会(PUK)の立ち上げを求める声が強く、連邦議会も真相解明に関わっていくことになりそうだ。

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スパイ疑惑、永世中立国スイスに激震

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの企業によるスパイ疑惑がスイス全土を震撼させている。スイス公共放送(SRF)などの国際合同報道で、ツーク州の株式会社クリプトが2018年まで米中央情報局(CIA)のスパイ活動に加担していたことが明らかになった。

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(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)

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