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スイス・日本が首脳会談 経済関係の強化で一致、対イラン関係も

Maurer and Abe
10日、官邸で首脳会談したスイスのウエリ・マウラー連邦大統領(左)と安倍晋三首相 Keystone / Jiji Press

スイスのウエリ・マウラー連邦大統領と安倍晋三首相が10日、官邸で首脳会談し、両国の強固な経済関係をさらに推し進めていくことで一致した。

マウラー大統領は福岡市で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に招待国として出席。スイス国立銀行(中銀)のトーマス・ジョルダン総裁と来日していた。

マウラー大統領は首脳会談で、スイス側は2009年に結んだ経済連携協定(EPA)を改定する意志があることを改めて強調。スイス側は昨年、EPAの改定が必要だと表明している。

連邦政府の声明によると、マウラー大統領と安倍首相は朝鮮半島、中国、イランなどの国際関係や、サイバーセキュリティ対策での連携についても協議した。

デジタル化や持続可能な投資など、世界経済・金融システムが直面する主要課題についても意見交換した。これらのテーマはG20財務相・中央銀行総裁会議でも焦点となった。

6月28、29日は大阪でG20サミット外部リンクが開かれる。日本が議長国を務めるのは初めて。

デジタル課税

G20財務相・中央銀行総裁会議では「より公正な税制の整備」に向け、アマゾンなどグローバル展開する巨大ハイテク企業に対し、共通の課税ルール策定を推進することで合意した。

フェイスブック、グーグル、アマゾンのような巨大ハイテク企業の税制上の抜け穴をふさぐため、2020年までに「デジタル課税」と呼ばれる共通のルールについて最終合意を目指す。具体的には、会社所在地ではなく、収益を生み出す場所に基づき課税する方法に変える。

この措置について長年難色を示してきた米国の態度が軟化し、規則作りに向け大きく前進したとみられる。

マウラー大統領は、各国の同意の上で課税ルールが作られることが必要だと強調。付加価値が生み出される場所に基づく課税措置はスイスも従うと述べた。また、スイスはこの議論で積極的な役割を果たしていくとした。

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