ロシアの協力協定は24年12月に、ベラルーシは24年6月に期限切れを迎える
© Keystone / Laurent Gillieron
ジュネーブ近郊にある欧州合同原子核研究機構(CERN)は17日、ロシアのウクライナ軍事侵攻を受け、ロシアおよびベラルーシとのすべての協力協定を2024年で解消すると発表外部リンクした。
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ロシアとベラルーシはCERNの加盟国ではなく、国際協力協定(ICA)に基づいて研究に参加している。ICAは通常5年の期限前にどちらかの当事者から書面による解消通知がない限り、自動的に更新される。ロシアの協力協定は24年12月に、ベラルーシは24年6月に期限切れを迎えるが、CERNは17日、その後は協定を更新しないと発表した。
声明外部リンクによると、加盟国は16日の理事会で「CERNは常に、平和の推進を目的とした、国境を超えた科学的協力を基礎としており、一国が他国の領土を侵略する行為はこうした価値観に反する」との見解で一致した。「理事会は状況を引き続き注意深く監視する。ウクライナの動向に照らしてさらなる決定を下す用意がある」とも付言した。
CERN理事会は3月にロシアのオブザーバー資格を停止し、ロシアとベラルーシの科学機関との関係をを見合わせていた。
ロイター通信によると、2月24日の侵攻開始前、世界各国から集まったCERNの研究者1万8千人のうち、7%近くがロシアの研究機関の関係者だった。
CERNには、宇宙の成り立ちをより深く理解するために建設された大型ハドロン衝突加速器(LHC)がある。世界最大の素粒子加速器で、リング状トンネルの長さは27キロメートル。2年間のメンテナンス作業を経て今年4月に再始動した。
(英語からの翻訳・大野瑠衣子)
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