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スイス・ローザンヌにIOCの新本部が完成

IOC
© Keystone / Jean-christophe Bott

スイス・ローザンヌにある国際オリンピック委員会(IOC)の新しい本部「オリンピック・ハウス」が完成し、23日に記念式典が行われた。建設費は1億5400万フラン(約160億円)。

IOC誕生125周年となった日に合わせて披露した。

オリンピック・ハウスは、レマン湖畔・ヴィディ地区にある市有地に建つ。2万2千平方メートルのガラス・スチール製の現代的な建物で、500人のスタッフを収容する。同じ敷地内には旧本部のシャトー・デ・ヴィディ外部リンクが建つ。

IOCのトーマス・バッハ外部リンク会長は式典で「まさにこの日、ピエール・ド・クーベルタンが国際オリンピック委員会を設立し、オリンピックを復興させた」と100年余にわたる歴史に触れ「クーベルタンは、(五輪を)国家と人々の平和を促進する方法だと考えていた」などと語った。

落成式にはスイスのウエリ・マウラー連邦大統領、IOCのメンバー、各国際機関の関係者、206カ国のIOC代表が出席した。

オリンピック・ハウスの設計はデンマークの建築事務所3XN外部リンクが手掛けた。アゴラ(集会所)のようなエントランスホール、スポーツイベントをテレビ観戦できるレストランとカフェ、5つの大会議室、オフィス、スポーツセンターを備える。また五輪の形に配置したらせん階段もある。

IOCは「世界で最も持続可能性のある建物の1つ外部リンク」と自負する。実際、この建物の持続可能性は高く評価され、スイス国内外で賞を受賞している。屋根にはソーラーパネルを設置し、水はレマン湖からポンプで引いている。

ローザンヌはオリンピックの首都

IOCは1915年4月10日、ピエール・ド・クーベルタンがローザンヌで設立。以来、オリンピックは運営費数十億ドル規模の大イベントに発展した。ローザンヌ市とIOCは、2115年までのリース契約を新しく結ぶことで合意。ローザンヌは、2020年冬季ユースオリンピックの開催地でもある。

IOCやスイス拠点の国際スポーツ連盟が地元経済にもたらす影響は大きい。IOCらが委託した過去の調査で、IOCや他の国際スポーツ連盟がスイスにもたらす経済効果は年間10億7千万フラン、ローザンヌ市だけで2億5千万フランに上ることが分かった。

IOCは24日に総会を開き、2026年冬季五輪の開催地にイタリア・ミラノとコルティナダンペッツォを選んだ。スイスのヴァレー(ヴァリス)州シオンも候補に挙がっていたが、住民投票で賛成が得られず、途中で断念した。

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