スイスの自殺ほう助団体ライフサークルが、1日付で新規会員の受け入れを終了した。今後は既存会員の支援に注力する。
このコンテンツが公開されたのは、
ライフサークル代表で医師のエリカ・プライシヒ氏(64)が同日、団体のウェブサイト上で正式に発表した。
ライフサークルは、不治の病で苦しむ人らへの自殺ほう助を行う団体として2011年に設立。自殺ほう助の合法化を各国に訴える活動の一環で、安楽死が禁止されている国の患者も受け入れてきた。同氏はこの10年の間にカナダ、オーストリア、スペインやドイツなどで自殺ほう助や安楽死が相次いで合法化されたことに触れ、既に大きな成果があったと振り返った。
おすすめの記事
おすすめの記事
安楽死が認められている国はどこ?
このコンテンツが公開されたのは、
医師による自殺ほう助を認める国・地域がここ10年で増加している。
もっと読む 安楽死が認められている国はどこ?
また同氏が定年年齢を迎えたことも理由の1つにある。プライシヒ氏は10月、会員向けに発行したニュースレターで「設立時点で、定年の年を迎えたら団体を閉鎖するつもりだった。ただ(既存会員への支援を)終わらせるつもりはない」と説明した。
既存会員については、プライシヒ氏がこれまで通り自殺ほう助を行う。
スイスでは自殺ほう助が合法だ。国内に複数ある自殺ほう助団体のうち、ライフサークルのほかディグニタスなど一部の団体が、安楽死が禁止されている国に住む人たちを受け入れている。
おすすめの記事
おすすめの記事
スイスで安楽死した日本人が最期に伝えたかったこと
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで今夏、1人の日本人男性が自殺ほう助でこの世を去った。身体の運動機能が衰える神経難病に侵された彼が、どんな思いで9千キロメートル離れたこの地に降り立ち、命の灯を自ら吹き消したのか。
もっと読む スイスで安楽死した日本人が最期に伝えたかったこと
プライシヒ氏は患者の自殺ほう助を行うかたわら、他国での自殺ほう助合法化を訴える活動を続けている。また同氏は精神疾患を持つ女性の自殺ほう助に対し、適切な手続きを怠ったとして殺人罪などに問われており、この刑事事件は現在も係争中。
おすすめの記事
おすすめの記事
精神病患者の自殺ほう助医師、第2審も殺人罪は無罪 スイス
このコンテンツが公開されたのは、
精神疾患を持つ女性の自殺をほう助したとして、殺人罪などに問われた医師でスイスの自殺ほう助団体代表エリカ・プライシヒ被告に対する控訴審で、バーゼル・ラント準州裁判所は第1審に続き、殺人罪では無罪とした。
もっと読む 精神病患者の自殺ほう助医師、第2審も殺人罪は無罪 スイス
おすすめの記事
スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦統計局は25日、2023年の名目賃金は1.7%上昇したと発表した。インフレ(年平均2.1%)に相殺され、実質賃金は0.4%低下した。
もっと読む スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
おすすめの記事
製薬大手ノバルティス、次期会長候補に米製薬BMS出身者選出
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの大手製薬ノバルティスは22日、2025年で任期満了となるヨルク・ラインハルト取締役会長の後任に、ジョバンニ・カフォリオ氏を選出すると発表した。
もっと読む 製薬大手ノバルティス、次期会長候補に米製薬BMS出身者選出
おすすめの記事
スイスで見つかったラムセス2世像破片、エジプトに到着
このコンテンツが公開されたのは、
エジプト考古省は21日、約30年前に盗まれ国外に流出したラムセス2世像の頭部破片が同国に到着したと発表した。
もっと読む スイスで見つかったラムセス2世像破片、エジプトに到着
おすすめの記事
スイス議会、G7のロシア資産追及チームへの参加を否決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国民議会(下院)は17日、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)の資産を追及する主要7カ国(G7)の国際作業部会には参加しないことを決めた。
もっと読む スイス議会、G7のロシア資産追及チームへの参加を否決
おすすめの記事
米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触
このコンテンツが公開されたのは、
米政府高官は14日、イランによるイスラエル攻撃の前後に、米国は利益代表国であるスイスを通じてイランと接触していたと述べた。
もっと読む 米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触
おすすめの記事
チューリヒ春祭りの雪男、強風で燃えず 歴史上初
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒの春祭り「セクセロイテン」が15日開かれた。巨大な「雪男」を燃やして夏の天気を占う恒例行事は強風により中止となった。
もっと読む チューリヒ春祭りの雪男、強風で燃えず 歴史上初
おすすめの記事
スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は10日、「大きすぎて潰せない(TBTF)」銀行に関する規制改革案を発表した。UBSと他の「システム上重要な銀行」3行は、破綻時のスイス経済への影響を抑えるためにより厳しい資本要件を課される必要があると述べた。
もっと読む スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ
おすすめの記事
新種のイカの化石、名前は発音が難しいスイスドイツ語に
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部ティチーノ州の約2億4200万年前の地層から新種のイカの化石が見つかり、「Chuchichäschtli(クッヒカーシュトリ、スイスドイツ語で『食器棚』)」と名付けられた。
もっと読む 新種のイカの化石、名前は発音が難しいスイスドイツ語に
おすすめの記事
スイスのサマータイム廃止はいつ?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで夏時間(サマータイム)が始まった。3月31日午前2時にすべての時計の針が1時間ジャンプし、午前3時を指した。だが夏時間制はとうの昔に廃止されるはずではなかったのか?
もっと読む スイスのサマータイム廃止はいつ?
おすすめの記事
スイスで運転支援システム・ドラレコ設置義務が発効
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで1日、交通事故を減らすための新たな自動車・自転車運転ルールが施行された。
もっと読む スイスで運転支援システム・ドラレコ設置義務が発効
続きを読む
おすすめの記事
年間1500人超が選択 スイスの安楽死
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは安楽死を求め自殺ほう助団体に登録する人が増えている。国内には外国人を受け入れる団体もあるが、自殺ほう助を受けるには厳しい条件をクリアしなければならない。
もっと読む 年間1500人超が選択 スイスの安楽死
おすすめの記事
スイスの自殺ほう助ルール厳格化、国外の患者らに広がる不安
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの医師団体が自殺ほう助に関する新たな行動規範を策定した。安楽死へのアクセスを実質的に制限する改訂に、スイスでの安楽死を望む国外の患者らからは不安の声が上がる。
もっと読む スイスの自殺ほう助ルール厳格化、国外の患者らに広がる不安
おすすめの記事
家族ともう少しだけ 安楽死を思いとどまった日本人
このコンテンツが公開されたのは、
この夏、もう一人の日本人が安楽死を求めてスイスにやってきた。6歳から神経難病に苦しんできたくらんけさん(30、仮名)だ。だが最後の瞬間、自死を踏みとどまった。
もっと読む 家族ともう少しだけ 安楽死を思いとどまった日本人
おすすめの記事
チューリヒ州、介護施設での自殺ほう助容認
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは介護・医療施設での自殺ほう助を容認する自治体が増えてきている。チューリヒ州議会は2022年に法改正を可決した。
もっと読む チューリヒ州、介護施設での自殺ほう助容認
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。