スイスのバー火災 検死の未実施に批判集まる
スイス南部ヴァレー州クラン・モンタナのバーで発生した死者40人を出した火災で、犠牲者の検死が直ちに行われていなかったことに批判が上がっている。
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スイス・クランモンタナにあるバー「ル・コンステラシオン」で1日未明に発生した火災で、40人が死亡し116人が重傷を負った。
複数の犠牲者遺族の代理人を務める弁護士ロマン・ジョーダン氏は、遺族が正確な死因を知りたがっており、そのためには検死が必須だと話す。「捜査開始当初、私はヴァレー州検察庁に電話でこう伝えた。正確な死因を特定すべきだと。押し潰されて窒息したのか?それとも焼死だったのか」
特に注目を集めているのが17歳のトライスタンさんのケースだ。トライスタンさんの検死は、弁護士団の強い要請を受けてようやく実施された。葬儀は延期を余儀なくされ、家族に大きな精神的苦痛を与えた。
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トライスタンさん遺族の弁護士ジャン・リュック・アドール氏は検察当局の対応を批判する。「検死は親にとって耐え難いものだが、我々が強く要求し、しかも遺体が家族に引き渡された後にようやく実施されたというのはおかしい」
解剖の結果、死因は煙の吸入による窒息死と判明した。
法医学者ウルリッヒ・ツォリンガー氏は、これは単なる詳細ではなく核心的な情報だと指摘する。こうした事件では解剖は標準的手続きだとし「刑事裁判では法医学的分析、映像、目撃証言、そして火災では大きく異なる可能性のある遺体の状態など、証拠のパズルを組み立てる必要がある」と話す。
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火災、煙、落下物による死亡か否かは、法医学的検査によってのみ特定できる。
検死が行われないことは、後の刑事手続きに影響を及ぼす可能性がある。しかしゾリンガー氏は、遺族にとっても検死は重要だと話す。「遺族はただ、何が起きたのかを知りたいと思っている」
イタリアが強く批判
この火災では6人のイタリア人が死亡した。イタリアはヴァレー州検察当局の対応を特に厳しく批判する。イタリアのジャン・ロレンツォ・コルナード大使は独語圏のスイス公共放送(SRF)に「死亡したイタリア人全員に対して解剖が行われなかった事実は本当だ」と語った。
イタリアでは検察当局が犠牲者全員の解剖を命じている。あるケースでは、埋葬後に遺体が掘り起こされた事例もある。スイスではまだ実施されていないが、可能性は排除できない。
SRFは批判の集中するヴァレー州検察庁にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
火災の捜査は依然として初期段階にある。原因究明は、初期対応のありかたに大きく依存する。
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英語からのDeepL翻訳:宇田薫
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