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赤十字・赤新月社総会開催

カブールの赤十字車輌 Keystone Archive

赤十字活動の今後2年間の主な政策について話し合う赤十字・赤新月社連盟総会がジュネーブで開催されている。今年の主要議題は、アフガニスタン人道援助、エイズ対策と治療薬の特許権問題、ボランティアの役割についてだ。

ジュネーブ条約締約国177ヶ国の代表が出席し2年毎に開催される赤十字・赤新月社連盟総会は、アフガニスタンでの人道危機を迎える中始まった。アフガニスタン周辺諸国の赤十字・赤新月社および赤十字国際委員会は、アフガニスタンで起こり得るあらゆる可能性と最悪の事態に備えて手配済みだとしているが、総会は難民問題に対処する関係諸国の活動をコーディネートする場となる。

アフガン問題以外では、エイズと戦う貧困国が安価な治療薬を入手しやすくすることが、今回の総会の最大の論点だ。深刻なエイズ問題を抱える貧困国は、世界貿易機関(WTO)の知的所有権規程が、大手薬品企業が特許権を持つエイズ治療薬の安価なコピー薬製造・輸入を阻んでいると訴えており、赤十字・赤新月社連盟総会で取り上げられた事は今週カタール・ドーハで開催されるWTO首脳会議への強いメッセージとなる。

ところで、今年は国連の国際ボランティア年だ。赤十字・赤新月社にも、970万人のボランティアが活動している。総会では、米赤十字社が、9月11日の同時多発テロでボランティアの果たした貢献についてのプレゼンテーションを行う予定だ。ボランティアは赤十字運動の生命線ともいえる存在だが、全般的に減少傾向にあるという。クリス・ソレク赤十字・赤新月社連盟広報局長によると、過去20年間でボランティアのタイプが激変し、水、保健・衛生、心理サポート、災害援助など専門知識を持つボランティアのニーズが高まっているという。

赤十字・赤新月社が直面している最も困難な問題は、イスラエルの加盟がからむ第3の記章採用問題だ。赤十字の記章は、1863年スイスのアンリ・デュナンが国際赤十字を創設した際採用したもので、スイス国旗を反転させたものだ。1929年の総会で、十字が否定的意味を持つとするイスラム教国からの要請により、赤い三日月が公式記章として採用された。イスラエルの人道組織「イスラエル赤星社」は、赤星社の記章である赤いダビデの星が公式記章に採用されないのを不服とし約50年間正式加盟を拒否しており、昨年イスラエルと米国が赤いダビデの星を公式記章に採用するよう圧力をかけた。が、赤十字国際委員会は、第3の記章を採用するならば宗教色の無いものにするとしている。総会終了後に開催される赤十字・赤新月社連盟および赤十字国際委員会の代表議会では、イスラエルの加盟問題と第3の記章採用問題について討議する予定だ。

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