スイスの視点を10言語で

スイスの退役F-5機、米軍が購入へ

タイガー
スイス軍のF-5タイガー戦闘機 Keystone / Ho

米海軍は、パイロットの訓練に使用するため、スイス軍所有の退役F-5タイガー戦闘機22機の購入を検討している。

ドイツ語圏の日曜紙ゾンタークス・ツァイトゥング外部リンクによると、米国の2020年の「大統領予算」に、購入費計4千万ドルが計上されている。スイス国防省装備局(Armasuisse)は、米国とは夏に協議したが、契約成立には至っていないと述べた。米国の防衛予算は議会の承認が必要で、承認されれば2021年に納品の見込みという。

スイスのF-5タイガーは約35年前の機体で、維持管理に年間50万フラン(約5500万円)かかる。数年前、米海軍は44機のタイガー戦闘機を購入。訓練中、敵機役として利用するため再購入した。

スイスは米国から計100機のタイガー戦闘機を購入し、うち53機が残る。26機が現役だ。2014年、スイス政府は新しいグリペン戦闘機の購入計画を提案したが、国民投票で否決された経緯がある。

おすすめの記事

おすすめの記事

国民投票結果 新戦闘機グリペン購入、否決

このコンテンツが公開されたのは、   現在スイス軍は86機の戦闘機を所有する。そのうち32機あるF/A-18は機能的に優れ、2030年まで問題なく使用できる。ところが、残り54機のF-5タイガーは古くなり2016年までにすべてを廃機にする必要がある。  …

もっと読む 国民投票結果 新戦闘機グリペン購入、否決

スイス政府は現在、総額60億フランの戦闘機購入計画を進めており、空軍が仏エアバス、ダッソー、米ボーイング、ロッキードマーティンから出された4件の提案を考査している。スウェーデンのサーブ社は撤退した。

スイス政府は、領空の安全確保のため、老朽化したF-5タイガーとF/A-18を遅くとも2030年までに刷新する必要があると主張している。

(英語からの翻訳・宇田薫)

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部