イースター(復活祭)
イースター(復活祭)は、十字架に架けられたイエス・キリストの復活を祝う日で、キリスト教徒には最も大切な日の一つ。毎年、春分後の最初の満月の後の日曜日がイースターとされ、その前後の金曜日から月曜日まで欧州各国は「イースター・ホリデー」連休となる(今年は4月13日から16日まで)。連休初日の金曜日は「良い金曜日」と呼ばれ魚を食べる日(肉食をしない)。イースター礼拝は、金曜と日曜に行われる。
キリスト教では意義深いイースターも、今では信仰心の篤い人々を除いては連休の少ないスイス人にとって貴重な「大型連休」の一つだ。イースター・ホリデー中は、店・企業・官公庁は全て休み(最近では特定の日・時だけ営業する店もある)で日本の正月のようなものだ。そのため、前日の木曜には、人々は買い物に走り回る。特に魚売り場の回りは、すさまb「ばかりの人だかりだ。
さて、イースターのディスプレーといえば、卵とウサギ。町はカラフルに色づけられた卵やうさぎの飾り付けで賑わい、チョコレートで作ったウサギや卵、イースター・ケーキ(独語ではオースター・クーヘン。オスト=東、クーヘン=ケーキ)で溢れる。ちなみに、このウサギ型チョコレート、昔はイースターが過ぎるとたたき売りの半額セールとなったそうだが、近年では一部を除き回収され、溶かして材料用チョコレートとして再利用される。
イースターの日曜日、子供達は庭や建物(集合住宅または雨天の場合)に隠されたチョコレート、キャンディなどのお菓子や彩り卵をさがして遊ぶ。庭にお菓子を隠すのは大人達だが、ウサギが夜中にこっそり来て隠していったということだそうな。中には、翌年または何年も経てから化石のようになった卵やお菓子が見つかる事もあると言う。
さて、イースターに何故ウサギと卵なのだろうか?実は、ウサギと卵はケルト族の伝統的な春のシンボルだそうで、キリスト教のイースターとは関係がなかったそうだ。ケルトの伝統が時とともにイースターの習慣として融合されたのだという。また、多産のウサギは子孫繁栄の象徴でもある。ヨーロッパの習俗は、このようにキリスト教よりはるかに古いケルトやゲルマンの伝統が起源で、やがてキリスト教と結びついて行ったものが多い。
ところで、スイスにケルトというと、ちょっと意外に思われるかもしれないが、スイスは紀元前ケルト系のヘルウェティー族が開いた国だ。スイスのラテン語の正式国名ヘルヴェティア連邦(The Confederation Helvetia)は、このヘルウェティー族から来ている。だからスイスのドメイン名は、chでおわるのだ。
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