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図表で読み解く世界の食料危機

人々は食事を得ようと、鍋を手に押し合いへし合いしている
2024年2月16日、ガザ地区ラファで食料を受け取るため列に並ぶパレスチナ人 Copyright 2024 The Associated Press. All Rights Reserved

国連が公表した2026年版の世界食料危機報告書(GRFC)は、深刻な現実を浮き彫りにした。飢餓は拡大を続け、多くの国で慢性化しつつある。5つのデータから現状を読み解く。

1. 急性食料不安は10年で倍増

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国連などが定義する「急性食料不安」に直面する人々の数は、この10年で2倍超に増加した。2016年には48カ国で1億500万人だったが、2025年には47カ国で2億6600万人に達した。紛争の増加や人道危機の長期化が背景にある。

これらの数字は、「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」のフェーズ3〜5に該当する人々を含んでいる(定義は下記コラム参照)。データは、国連食糧農業機関(FAO)と国連世界食糧計画(WFP)が4月24日に公表した最新版「世界食料危機報告書外部リンク(GRFC)」に基づく。

FAOのベス・ベクドル事務次長はスイス・ジュネーブでの記者会見で、「急性食料不安に改善の兆しはない。むしろ定着・集中し、予測可能なものになりつつある」と指摘した。さらに、「約3億7000万人が『食料不安』(IPCフェーズ2)にあり、何らかのショックが起これば危機に陥りかねない。早めに手を打たなければ、大量の飢餓者を生むだろう」と警鐘を鳴らした。

「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」は、世界の食料不安の深刻度と規模を分類する国際基準で、国連、専門家、NGO、各国政府が策定している。

食料が十分にある状態(IPCフェーズ1)
各世帯が通常の手段で食料ニーズなど基本的なニーズを満たせている状態。

食料不安(IPCフェーズ2)
最低限の食料摂取は維持しているが、世帯がその他の支出を賄うために負担を強いられている状態。

急性食料不安(IPCフェーズ3)
消費支出の減少で栄養不良が進行し、世帯が生活維持手段の売却など危機への対応で、基本的なニーズを満たす状態。

人道的危機(IPCフェーズ4)
深刻な食料不足により、高度な栄養失調や死亡率の上昇がみられる状態。緊急事態への対策や資産の売却で不足分を賄っている世帯も含まれる。

壊滅的な飢餓/飢饉(IPCフェーズ5)
あらゆる対策を講じても、食糧やその他の基本的なニーズを満たすための資源が極度に不足。極端な食料不足に陥り、飢餓、死亡、極度の困窮が広範囲に発生している状態(飢饉とは、地域で栄養失調と死亡率が極めて深刻なレベルに達している状態を指す)

出典: IPC外部リンク

特に深刻なのは、アフガニスタン、スーダン、南スーダン、イエメンの4カ国だ。紛争による混乱の中で、飢餓人口の規模と割合が突出している。

報告書は栄養失調についても警告する。とりわけ子どもと妊婦への影響は深刻だ。2025年には23カ国で、5歳未満の約3550万人が急性栄養失調に苦しみ、このうち約1000万人に(やせ細り死に直面する)重度消耗症が見られる。

国連児童基金(ユニセフ)広報担当のリカルド・ピレス氏は、「子どもたちは身長に対して体重が少なすぎるために免疫力が著しく低下している。一般的な小児疾患でも命に関わり、死亡リスクは栄養状態の良い子どもの12倍に上る」と説明した。

昨年は、妊娠中または授乳中の女性920万人が急性栄養失調に陥り、乳児の疾病や死亡リスクを高めた。

2. 壊滅的な飢餓は10年で9倍に

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壊滅的な飢餓/飢饉(IPCフェーズ5)に分類される人々は、2016年の2カ国15万5000人から、2025年には6カ国140万人へと9倍に増加した。さらに昨年は、この10年間で初めて、ガザ地区とスーダンで飢饉が公式に確認された。スーダンでは現在も一部地域で飢饉が続く。

報告書外部リンクによると、「紛争や人道支援の停滞、さらに強制移住によって、最も極端な飢餓と栄養失調が著しく悪化している」。

人道的危機(IPCフェーズ4)に分類される人口も増加傾向にある。2025年には31カ国で3900万人がフェーズ4に該当し、前年の36カ国3500万人を上回った。FAOのベクドル氏は増加の要因として、「アフガニスタン、コンゴ民主共和国、ミャンマー、ガザ、イエメンなどで大幅な悪化が見られる」と述べた。

3. 飢餓の主要因は紛争

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世界の飢餓を引き起こす最大の要因は戦争・紛争だ。気候危機や経済ショックがその次に多く、複数の要因が重なるケースも少なくない。

国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、ガザとスーダンの飢饉に触れ、「飢餓を戦争の武器として利用するケースが増えている」と述べた。

また、中東情勢の悪化は今後の食料危機をさらに深刻化させる可能性がある。報告書は、エネルギー価格や食料価格の上昇、輸入停滞、肥料など農業資材の供給制約をリスク要因として挙げている。

4. 長引く食料危機が招いた飢餓の深刻化

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過去10年間、世界の飢餓人口のほぼ半数は、アフガニスタン、コンゴ民主共和国、ナイジェリア、スーダン、シリア、イエメンの6カ国に集中していた。

WFPの食料・栄養分析サービス部長ジャン・マルタン・バウアー氏によると、「食料不安が深刻化している。報告書で分析対象となった47カ国のうち、33カ国は毎年繰り返し登場する」。こうした長期的な危機に直面する国に、飢餓人口の約8割が集中している。

ベクドル氏は、「早期に革新的な解決策を講じなければ、危機は今後も悪化と再発を繰り返す」と警告した。

5. 人道・開発支援資金の減少

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食料危機が拡大する一方で、食料セクターへの人道支援・開発援助予算は減少している。2025年の水準は、2016〜2017年以来の低さとなった。

資金縮小はデータ収集にも影響を及ぼしており、今年の報告書では、財源不足のため分析対象国数が減少した。

WFPのバウアー氏は、「十分な資金、データ、アクセスがなければ、人道支援システムは『予測可能、回避可能な問題である飢餓』に対応できない」と強調した。

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編集:Virginie Mangin/ptur、仏語からの翻訳:横田巴都未、校正:ムートゥ朋子

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