人口制限案、可決されれば「効果はあるが損失の方が大きい」 国民投票前に移民局試算
スイス連邦移民局の分析によると、6月に国民投票にかけられる移民規制案「人口1000万人に反対」案が可決された場合、国が被る負担は住宅市場の緩和など潜在的な利益を上回る。
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政府は国民投票まで1カ月を切った13日、費用便益分析の結果外部リンクを発表した。移民局は、移民を制限すれば、住宅や交通などのインフラや、環境、生活保護をはじめとする社会保障の軽減には効果があることは間違いないと指摘する。ただしその効用は、移民制限に伴う経済的損失に比べるとはるかに小さい、と総括する。
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例えば賦課方式をとる老齢・遺族年金制度(AHV/AVS、日本の基礎年金に相当)は今後数十年、財政収支が年間数十億フランずつ悪化することが予想される。また税収の減少幅が支給額の減少幅を上回り、国民所得に占める医療費の割合が加速的に増え、「人口高齢化、人材不足、医療費の高騰といった課題はさらに深刻化する」と警告した。
移民制限によって付加給付や社会扶助の給付額を削減できるが、税収も減少するため、増税が懸念される。報告書によれば、それは「主に現在の勤労世代」に負担がかかる多くの措置の一つに過ぎない。
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「人口1000万人に反対」案、スイスで6月国民投票
生徒数が13万人減少
報告書は、人口高齢化に伴う労働力不足にも拍車がかかると指摘した。学齢期の子どもの数も減少するとみられる。移民が制限された場合、2100年までに生徒数が13万人減少すると予測している。
連邦政府・議会はともに6月14日に投票にかけられる移民規制案に反対している。
政府はプレスリリースで、移民局の調査結果は「投票に向けて世論を形成する上で役立つ可能性がある」と説明した。
ただし研究は、人口制限がもたらす影響はその実施方法(国民投票では具体的に指定されていない)によって大きく異なるため、予測値については慎重にみる必要があると注記した。
英語からのGoogle翻訳:ムートゥ朋子
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