ファルコン・プライベートバンクは、スイスの銀行として初めて反マネーロンダリング(資金洗浄)法違反で裁判にかけられている。
このコンテンツが公開されたのは、
ファルコンは元役員がマレーシアの政府系ファンド「1MDB」から380万ドル(約4億2千万円)を横領するのを助けた罪で起訴された。27日にベリンツォーナにある連邦刑事裁判所で始まった公判には、エドワルド・リーマン元最高経営責任者(CEO)も召喚された。2人とも罪を否定している。
スイス当局は、1MDBの不正事件に関与した銀行に厳しい処分を与えてきた。ファルコンは2016年、違法収益250万フラン(約2億7500万円)の没収を命じられ、スイスでの営業を停止した。同じ年にBSI銀行も当局の圧力を受け、業務売却と廃業を迫られた。他にも複数の銀行が1MDB事件絡みでけん責処分を受けた。
スイス連邦検察はさらにファルコンを刑事告訴。27日に公判が始まった。スイス国内で反資金洗浄法違反で銀行が裁判にかけられるのは初めての事例だ。
ファルコンへの裁判は、スイス当局が悪意のある銀行への対応を強化していることを示す。
連邦検察は昨年、マネーロンダリングを防ぐ努力を怠ったとしてクレディ・スイスを刑事訴追した。
おすすめの記事
おすすめの記事
マレーシアの巨額汚職事件、スイスの行員も罰金
このコンテンツが公開されたのは、
マレーシア政府系投資会社1マレーシア・デベロップメント(1MDB)をめぐる汚職・資金洗浄疑惑事件で、チューリヒ市内にあるプライベートバンク・クーツの元行員2人が事件に関連すると疑われる取引について、当局への報告義務を怠ったとして罰金処分を受けた。
もっと読む マレーシアの巨額汚職事件、スイスの行員も罰金
おすすめの記事
世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの電力会社アクスポは5日、世界で最も古いベツナウ原子力発電所の稼働を2033年に終了すると発表した。33年までの運転継続にかかる追加事業費は3億5000万フラン(約600億円)を予定している。
もっと読む 世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了
おすすめの記事
スイスのドライバー、2割が飲酒運転
このコンテンツが公開されたのは、
欧州など39カ国のドライバーを対象にした調査で、スイスでは2割超が飲酒運転をしたことがあると回答した。
もっと読む スイスのドライバー、2割が飲酒運転
おすすめの記事
狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部
このコンテンツが公開されたのは、
先月29日午後、スイス西部ヴォー州で64歳の男性が狩猟中に死亡した。イノシシを撃とうとした 猟友会のメンバーに射たれた。
もっと読む 狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部
おすすめの記事
自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束
このコンテンツが公開されたのは、
今年9月にスイスで初めて使われた自殺カプセル「サルコ」について、連邦内閣は、当分の間、立法措置は必要ないとの見解を示した。サルコ運営団体は2日、身柄を拘束されていたフロリアン・ヴィレ代表が釈放されたと発表した。
もっと読む 自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束
おすすめの記事
スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの金融誌ビランツがまとめた長者番付2024年版によると、スイス在住の富豪トップに輝いたのは、仏高級ブランド・シャネルのオーナー家族の1人、ジェラール・ヴェルテメール氏だった。上位の顔ぶれはほぼ前年と同じだが、香料メーカーのフィルメニッヒ(Firmenich)創業家が初のトップ10入りを果たした。
もっと読む スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー
おすすめの記事
スイス、ポイ捨て「少ない」8割 アンケート調査
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・ポイ捨て防止コンピテンスセンター(IGSU)の年次アンケート調査によると、「スイスでは多くのゴミが適切に処理されていない」と考える人は16%にとどまった。
もっと読む スイス、ポイ捨て「少ない」8割 アンケート調査
おすすめの記事
スイス国鉄、夜間列車を増発
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦鉄道(SBB/CFF)は27日、新ダイヤを発表した。長距離・地域間の夜行列車が増える。12月15日に発効する。
もっと読む スイス国鉄、夜間列車を増発
おすすめの記事
スイスの男女賃金格差、1.8ポイント縮小 「説明できない差」は拡大
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦統計局が26日発表した2022年の賃金差調査によると、女性の平均賃金は男性より16.2%低かった。男女差は20年の18%から1.8ポイント縮小した。
もっと読む スイスの男女賃金格差、1.8ポイント縮小 「説明できない差」は拡大
おすすめの記事
2025年の高級品市場、米国が牽引役に UBSレポート
このコンテンツが公開されたのは、
高級品市場は中国での需要減退により、2025年は米国が成長のエンジンとなる――スイスの銀行UBSが25日発表したレポートでこんな見通しを示した。
もっと読む 2025年の高級品市場、米国が牽引役に UBSレポート
おすすめの記事
スイス製狙撃弾60万発以上がウクライナに
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの弾薬製造会社Pディフェンスの狙撃用弾薬が昨年7月、ポーランドの会社経由でウクライナに届いていた。スイス公共放送が報じた。
もっと読む スイス製狙撃弾60万発以上がウクライナに
続きを読む
おすすめの記事
スイスの「資金洗浄大国」汚名返上への道のり
このコンテンツが公開されたのは、
スイスはこの数年、マネーロンダリング(資金洗浄)との闘いに努力してきた。法制度も整ってきたが、一刻も早く補修すべき欠陥も残る。
もっと読む スイスの「資金洗浄大国」汚名返上への道のり
おすすめの記事
対テロ戦争で露呈 スイス企業のコンプラ違反
このコンテンツが公開されたのは、
2001年9月11日の米同時多発テロをきっかけにテロの取り締まりが強化される中、スイス企業のデューデリジェンス(調査)慣行が問われた。
もっと読む 対テロ戦争で露呈 スイス企業のコンプラ違反
おすすめの記事
スイス、独裁者の隠し資産になぜ決着がつかないのか?
このコンテンツが公開されたのは、
独裁者の隠し資産の凍結や返還問題に関し、「模範」といわれるスイスの新法が解決を促進させるといわれる。しかし、これで今後スイスの金融界に不正資金が流れ込んでこないという保証にはならない。最近明らかになったいくつかの事件は、マネーロンダリング(資金洗浄)対策の欠陥を提示する。
もっと読む スイス、独裁者の隠し資産になぜ決着がつかないのか?
おすすめの記事
銀行の信頼回復は道半ば
このコンテンツが公開されたのは、
金融危機から10年。スイスの銀行はようやく国民からの信頼を取り戻した。だがスイス国民の3分の2以上は、銀行が依然として不正やマネーロンダリングの温床になっているとみている。
もっと読む 銀行の信頼回復は道半ば
おすすめの記事
スイス最高裁、ファルコンバンクの収益没収処分を支持
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦最高裁判所は12日、ファルコン・プライベートバンクがマレーシアの政府ファンド汚職疑惑をめぐる収益没収処分を不服とした申し立てを棄却した。
もっと読む スイス最高裁、ファルコンバンクの収益没収処分を支持
おすすめの記事
国際汚職 撲滅には長い道のり
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦検察は過去5年間、外国公務員への贈賄で個人11人、企業7社に有罪判決を下した。経済協力開発機構(OECD)はスイスの取り組みを評価するが、専門家からはシステムの欠陥を指摘する声も上がっている。
もっと読む 国際汚職 撲滅には長い道のり
おすすめの記事
ハリウッド監督が伊脱税事件に関与 150億円の行方は
このコンテンツが公開されたのは、
ベルルスコーニ伊元首相が所有するテレビ局グループ「メディアセット」の脱税事件で、米税務当局は1億4千万ドル(約150億円)の隠し資産の捜査を続けている。未だスイスの銀行に隠されている可能性がある。
もっと読む ハリウッド監督が伊脱税事件に関与 150億円の行方は
おすすめの記事
銀行秘密 今なおスイス銀行業界のビジネスモデル
このコンテンツが公開されたのは、
100を超えるスイスの銀行口座に散らばる不正なマネーは総額90億フラン(約1兆円)。最近発覚したベネズエラ公金横領事件には、スイスの銀行の8行に1行が関与している。
もっと読む 銀行秘密 今なおスイス銀行業界のビジネスモデル
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。