© Keystone / Christian Beutler
スイス雇用主連盟(SAV/UPS)のヴァレンティン・フォークト会長は11日、ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)のラジオ番組で、スイスには働けるが職に就いていない潜在的労働力人口が30万人おり、人手不足の解消に生かせる可能性があると話した。
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具体的には女性や若者、高齢者、難民を労働市場に参加させたり、業務量を増やす必要があるという。
同氏は「人手不足がスイスの経済成長を妨げる最大の要因になっている」と指摘。こうした問題が解決されなければ、スイスの経済的繁栄が損なわれていくと警告した。
またフォークト氏は、パートタイム勤務を希望する労働者の増加にも懸念を示し「社会の幸福と個人の幸福のバランスを考える必要がある。だが、個人の幸福だけに目を向けていては、現状を維持できない」と語った。
スイス雇用主連盟は今後、所得税や保育施設の整備など、労働参加率を後押しする政策の導入を政府・議会に訴えていく。フォークト氏はこれについて、「あくまで目的は労働参加率の向上であり、自由時間を増やすためではない」と説明した。
また同氏は、移民の受け入れも人手不足の解消につながるとも述べた。ただ、移民に対し「単純に門戸を開く」べきではなく、移民枠の配分を上手に調整することが1つの方法だとした。
英語からの翻訳:大野瑠衣子
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