マルセル・マイリ氏(右)、2002年。建築ユニットを組むマークス・ペーター(左)とともにチューリヒのエルマー・レーダーゲルバー市長(当時)にスタジアムの建設プロジェクトを説明した
Keystone / Michele Limina
スイス人建築家マルセル・マイリ氏が18日、がんの闘病生活の末に死去した。66歳だった。
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦内務省文化局は14日、今年の「メレ・オッペンハイム賞」外部リンクをマルセル・マイリ氏とマルクス・ペーター氏の建築ユニット「マイリ&ペーター外部リンク」らに贈ると発表した。同賞はスイスの優れた芸術家に贈られる賞で、審査員は2人を「大胆で奔放、謙虚でありながらしるべとなる芸術性を造形、空間、構造、構成に散りばめ、どんなプロジェクトも個々のパーツを足し合わせると全体像を上回る価値を持つ作品に仕上げた」と称えた。
マイリ氏は1953年生まれ。スイス連邦工科大学チューリヒ校を卒業後、ロジャー・ディーナー氏、ジャック・ヘルツォーク氏、ピエール・ド・ムーロン氏といった建築家らと事務所を共同設立。現代都市計画の研究所「ETHスタジオ・バーゼル外部リンク」で所長として教壇に立った。
主な作品にチューリヒ中央駅プラットフォームの屋根、高層ビル「ツェリー外部リンク」、チューリヒ湖を見下ろすゴットリーブ・ドゥットヴァイラー研究所外部リンク、映画館リフラフ外部リンク、ホテル・パーク・ハイアット(チューリヒ)外部リンクなどがある。
文化ジャーナリストのカリン・サルム氏はドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)外部リンクで、マイリ氏が「いつも常識を超えた発想を持っていた」と賞賛した。「設計上とても複雑だが、空間を定義しながら形作り、同時に人々の目を引く建築を目指していた」
おすすめの記事
職場
スウォッチ、「つり目」広告を撤回 人種差別と炎上
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの時計大手スウォッチはつり目ポーズのモデルを使った広告を謝罪し、撤回した。中国を中心に人種差別的だとの批判が出ていた。
もっと読む スウォッチ、「つり目」広告を撤回 人種差別と炎上
おすすめの記事
世界貿易
トランプ氏、スイス大統領に金銭支払いを要求 関税発表前日の電話会談の詳細が明らかに
このコンテンツが公開されたのは、
スイスに対し39%の関税を発表する前日の7月31日、ドナルド・トランプ大統領がカリン・ケラー・ズッター大統領との電話会談で、米国への「投資」ではなく直接的な金銭支払いを要求していたことが分かった。大衆紙ブリック日曜版が報じた。
もっと読む トランプ氏、スイス大統領に金銭支払いを要求 関税発表前日の電話会談の詳細が明らかに
おすすめの記事
文化
ロカルノ映画祭、三宅唱監督「旅と日々」に金豹賞
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部で開催されたロカルノ国際映画祭で、三宅唱監督の「旅と日々」が最高賞にあたる金豹賞を受賞した。
もっと読む ロカルノ映画祭、三宅唱監督「旅と日々」に金豹賞
おすすめの記事
宇宙研究
国際宇宙ステーションでロボットが「宝探し」に成功 スイスも貢献
このコンテンツが公開されたのは、
日本製とドイツ製のロボットが、国際宇宙ステーション(ISS)で「宝探し」をして遊んだ。スイス・ルツェルン応用科学芸術大学(HSLU)もこの実験に貢献した。
もっと読む 国際宇宙ステーションでロボットが「宝探し」に成功 スイスも貢献
おすすめの記事
スイス中銀、新紙幣デザイン12案発表 一般投票募る
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中銀、SNB)が、新フラン札のデザイン案12点を発表した。来月7日まで、インターネット上で一般投票が行われる。
もっと読む スイス中銀、新紙幣デザイン12案発表 一般投票募る
おすすめの記事
気候適応
ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増
このコンテンツが公開されたのは、
ジュネーブ州では13日、バスやトラム(路面電車)など公共交通機関が終日無料となった。オゾン濃度が急増したことへの対応で、スイスでは初めての措置だ。
もっと読む ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増
おすすめの記事
スイスで記録的暑さ 政府が警告
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで全国的に気温が上昇し、猛暑への警戒が強まっている。11日にはスイス西部と南部ティチーノ州の一部地域に対し、熱中症など健康被害を受けるリスクが大きい「危険度3」の警報が発令された。
もっと読む スイスで記録的暑さ 政府が警告
おすすめの記事
文化
知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞
このコンテンツが公開されたのは、
ハンス・リンギエ財団は9日チューリヒ在住の作家アドルフ・ムシュグさん(91)に欧州政治文化賞と賞金5万ユーロ(約860万円)を授与した。同賞がスイス人に授与されるのは初めて。
もっと読む 知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞
おすすめの記事
貿易政策
スイス政府、相互関税で米国との協議継続を表明
このコンテンツが公開されたのは、
米国がスイスに課す39%の「相互関税」をめぐり、スイス政府は4日、米国との協議を続け「より魅力的な提案をする」と表明した。
もっと読む スイス政府、相互関税で米国との協議継続を表明
おすすめの記事
貿易政策
トランプ政権、スイスに39%の相互関税を発表
このコンテンツが公開されたのは、
米国はスイスに課す相互関税率を39%と発表。スイス政府は「大変遺憾に思う」と表明した。
もっと読む トランプ政権、スイスに39%の相互関税を発表
続きを読む
おすすめの記事
地域色あふれるスイスの古民家
このコンテンツが公開されたのは、
昔ながらのスイス農家のお屋敷には、その土地の風土や入手可能な建築素材によって様々な建築様式がある。地域色あふれる農家の住宅を写真アーカイブで振り返ってみよう。
もっと読む 地域色あふれるスイスの古民家
おすすめの記事
人気インスタグラマー「建築の正面写真」撮影の裏側
このコンテンツが公開されたのは、
写真家のフィリップ・ヘーアさんを63万人のフォロワーを持つ人気インスタグラマーへと押し上げたのは、美しいスイスの建築写真だ。インスタグラムのユーザーネーム@lerichtiで有名になったへーアさんに、インスタグラムの写真について話をきいた。
もっと読む 人気インスタグラマー「建築の正面写真」撮影の裏側
おすすめの記事
現代建築の巨匠ル・コルビュジエ、今年で没後50周年
このコンテンツが公開されたのは、
ル・コルビュジエは、建築理論、都市計画、造形芸術の分野で世界的に影響を及ぼした。スイス西部ヌーシャテル出身で、1930年にはフランス国籍を取得している。シャルロット・ペリアンと、いとこにあたるピエール・ジャンヌレと共同で…
もっと読む 現代建築の巨匠ル・コルビュジエ、今年で没後50周年
おすすめの記事
ピーター・ズントー氏の美しい建築物
このコンテンツが公開されたのは、
スイス人建築家ピーター・ズントー氏は、立地場所に適し、機能性に富んだ建築を手掛けることで知られている。建築素材を吟味し、建物を取り囲む空気感も考慮する。その精巧さと完璧さが広く評価され、「建築のノーベル賞」と呼ばれるプリツカー賞を受賞している。
もっと読む ピーター・ズントー氏の美しい建築物
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。