The Swiss voice in the world since 1935

スイスのオオカミ監視費用、年間7千万円

群れを狙うオオカミを見張る羊飼い。スイスアルプスにて
群れを狙うオオカミを見張る羊飼い。スイスアルプスにて Keystone / Arno Balzarini

アルプス山脈で増え続けるオオカミの個体数を把握するため、スイス政府は年間約50万フラン(約7千万円)を費やしている。

同資金はオオヤマネコやクマなど、スイスに生息する全ての大型肉食動物を監視するために拠出する政府資金(年間110万フラン)の一部。肉食・野生動物の保護管理財団「Kora」、並びにローザンヌ大学の保全生物学研究所に配分される。議会での質問に政府が回答した。

現在スイスにはオオカミの群れが20存在し、合計約150頭生息する。Koraによると、今後3年間で少なくとも50群れに分かれた個体数350匹まで増えると見られる。

そうなればオオカミと人間の間で摩擦が生じるのは必至だ。特にアルプス山岳部の農家では、家畜がオオカミによる被害を受けることが予測される。

アルプス山岳部に位置する州は最近、この問題に対処すべく政府に更なる支援を求めた。

ヴァレー(ヴァリス)州、グラウビュンデン州、グラールス州、ティチーノ州、ウーリ州では、今年既に合計千頭の羊と牛がオオカミに襲われた。

2020年のスイス国民投票では、個体数が増えたオオカミの駆除に関する規制緩和が有権者の反対により否決された。現行法でオオカミは保護種に指定されているため、一定数の家畜を殺した場合にのみ駆除が認められる。

英語からの翻訳:シュミット一恵

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

標準器

おすすめの記事

スイス、メートル法準拠から150年

このコンテンツが公開されたのは、 スイスは150年前にメートル条約に調印し、メートルやキログラムを導入した。それまでスイスの測定単位は地域や使途によって大きく異なっていた。

もっと読む スイス、メートル法準拠から150年
ハイヒール

おすすめの記事

中国の人身売買組織を摘発 スイス・ベルン州警察

このコンテンツが公開されたのは、 ベルン州警察は19日、大規模な人身取引事件を摘発したとい発表した。容疑者は中国籍の5人で、146人の中国人女性をスイスに誘い出し、性労働に就かせていた。

もっと読む 中国の人身売買組織を摘発 スイス・ベルン州警察
アイベックス

おすすめの記事

まるで曲芸師 ダムの絶壁を歩くアイベックスたち

このコンテンツが公開されたのは、 スイス南部ヴァレー州エヴィオナにあるダムでは今月中旬、約60頭のアイベックスが高さ50メートルの絶壁を伝い歩く姿が観察された。毎年この時期に天然塩を探し求める姿は、スリル満点の曲芸さながらだ。

もっと読む まるで曲芸師 ダムの絶壁を歩くアイベックスたち
長距離ミサイル

おすすめの記事

スイス軍、長距離ミサイルの購入を検討

このコンテンツが公開されたのは、 スイス軍が長距離巡航ミサイルの購入を検討している。国境防衛を強化し反撃能力を保有することで潜在的な敵対勢力の攻撃を未然に防ぐ狙いだ。

もっと読む スイス軍、長距離ミサイルの購入を検討
庭園

おすすめの記事

ルツェルンのラフマニノフ別邸の庭園が一般公開に

このコンテンツが公開されたのは、 スイス・ルツェルン州はロシアの作曲家セルゲイ・ラフマニノフの別荘「ヴィラ・セナール」の庭園を15日から一般公開する。ルツェルン湖畔ヘルテンシュタインにあるこの邸宅に、ラフマニノフが1932~39年暮らしていた。

もっと読む ルツェルンのラフマニノフ別邸の庭園が一般公開に
米中協議を終え、記者会見に臨むグリア氏(左)とベッセント氏

おすすめの記事

関税協議「スイス最前列に」、米財務長官

このコンテンツが公開されたのは、 ジュネーブで行われた貿易問題を巡る米中閣僚級協議の成功を受け、ベセント米財務長官は12日、「スイスは貿易協定締結の最前列に躍り出た」と語った。

もっと読む 関税協議「スイス最前列に」、米財務長官
スマートフォンの画面とそれを操作する手

おすすめの記事

スイス・ニトヴァルデン準州の小学校、スマホ禁止へ

このコンテンツが公開されたのは、 スイス中部ニトヴァルデン準州は5日、スマートフォンをはじめとするIT機器の小学校での使用禁止を発表した。授業目的や緊急時などを除き、全面的に学校でスマホが使えなくなる。

もっと読む スイス・ニトヴァルデン準州の小学校、スマホ禁止へ
バーゼルの路面電車

おすすめの記事

バーゼルで「カラオケ路面電車」走行 欧州歌合戦に合わせ

このコンテンツが公開されたのは、 5月11~17日の欧州国別対抗の音楽祭「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト(ESC)」開催中、バーゼルでは「カラオケ・トラム(路面電車)」が運行する。ビンテージ車両で90分間かけて街を走る間、乗客は無料で歌い踊ることができる。

もっと読む バーゼルで「カラオケ路面電車」走行 欧州歌合戦に合わせ

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部