スイス政府は19日、この冬の電力不足に備え、予備発電所の建設を盛り込んだ緊急計画を発表した。
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計画は11月18日まで州や関連団体などの意見聴取手続きにかけられる。
ロシアがガス供給を制限しているため、スイスはこの冬、他の欧州諸国と同じく電力不足に見舞われる可能性が大きくなっている。
計画では、停電を防ぐために水力発電量を増やす。それでも電力不足を補えない場合に備え、スイス政府は2023年2月までに最大出力1000メガワットの予備発電所を建設する。
予備発電所の運営者は固定費への対価に加え、実際に予備電力が使われた場合には補償金も受け取る。
予備発電所はガス・石油を燃料とする火力発電となるが、排出量取引システムに参加し二酸化炭素(CO₂)排出量の相殺義務が課される。
スイス北部ビール(Birr)への新発電所建設は9月に許可が下りている。政府は予備発電網を速やかに構築するため、騒音・大気汚染の規制を緩和することを提案している。
シモネッタ・ソマルーガ・エネルギー相は同日の記者会見で、予備電力の獲得は急を要していると強調した。
官民省エネキャンペーンを強化
これに続く20日、ソマルーガ氏とギー・パルムラン経済相は州や基礎自治体、民間企業、市民団体と共同の省エネキャンペーン「節電アライアンス外部リンク」の立ち上げを発表した。
アライアンスには電力消費量の削減を宣言する官民180組織が参画する。
スイス連邦鉄道(SBB/CFF)は電車内の暖房を節減すると発表。複数の自治体がガス・電力の節電策を打ち出した。
同アライアンスは8月末に発表した節電キャンペーンを強化する位置づけ。「エネルギーは不足している、無駄遣いをやめよう」をキャッチコピーに、家庭の省エネを呼びかけている。
当局者によると、スイスの発電構成の6割を占める水力発電所の水位は今のところ通常の水準にある。スイスが今後数カ月以内に起こりうるエネルギー不足にどう対処するかは、天候次第だとみている。
英語からの翻訳:ムートゥ朋子
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