スイスの製薬大手ロシュは11日、重症の新型コロナウイルス感染症患者に対する抗リウマチ薬アクテムラとレムデシビルの併用試験の結果、症状を緩和する効果を証明できなかったと発表した。
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第III相試験で、新型コロナウイルス感染症に伴う肺炎患者の退院期間を速めるという主要評価項目を達成しなかった。死亡率の低下、人工呼吸器が必要な患者数が減るという評価項目も同様だった。
同社は「アクテムラは新型コロナウイルス感染症に伴う肺炎の治療薬としては承認されていない」とした。臨床試験では副作用は確認されなかったという。
米バイオテクノロジー企業ギリアドの抗ウイルス薬レムデシビルは、約50カ国でコロナ患者の治療薬として承認、または一時的な使用が認められている。アクテムラはレムデシビルと併用すると、新型コロナウイルス感染症に伴う肺炎患者の症状を制御できると期待されていた。
ロシュはその一方で、アクテムラの試験データは「特定のコロナ患者の治療で何らかの役割を果たす可能性を示唆している。今後、保健当局と試験結果について協議する」という。
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