今年1月、スイス南西部ヴァレー州サンブランシェで、さまざまな測定器を備えたケースを運ぶヘリウム気球。冬季のアルプス地帯における汚染蓄積を調べるため、空気の組成を測定する実験
Keystone / Laurent Gillieron
スイスは2019年、研究開発費に229億フラン(約2兆8千億円)を投じた。対国内総生産(GDP)比は3.15%で、経済協力開発機構(OECD)平均の2.38%を上回った。
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連邦統計局の発表によると、スイスは現在、OECD加盟国38カ国中6位。スイスと同程度なのはドイツ、オーストリアで、イスラエルは対GDP比で4.94%。ほかに韓国、スウェーデンが上位にいる。フランスは同2.19%にとどまった。
19年の研究開発費は、17年の前回調査時よりも18億フラン増えた。17年から19年で年間4.3%増加したことになる。15年から17年では年間1.2%増だった。
対GDP比も前回調査時の3.03%から3.15%と微増した。
民間部門への拠出は155億フランで、研究開発費全体の3分の2以上(68%)を占める。残り66億フランの大半は、高等教育機関に充てられた。
スイス国内の研究は、一部が国外からの資金提供も受けている。19年では14億フランで、主に民間企業からだった。
スイスが国外の研究に提供した資金は76億フランだった。大部分(68億フラン)が民間企業で、同じグループの別会社に提供されていた。残りは、欧州宇宙機関などの国際プログラムやプロジェクトに政府が資金を提供した。
研究者の数
スイスで研究に従事する人々の数も増加した。フルタイム勤務に相当する人は17年の前回調査時に比べ8.4%増えた。女性研究者の比率は約36%と横ばい。
スイスで研究開発に従事する人は13万3千人。フルタイム相当の人は約8万6千人で、うち56%が研究者だった。
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