The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

スイス・ロマンシュ語の2自治体がドイツ語圏に 話者数は安定

スールセス
グラウビュンデン州スールセスにあるサロウフ村の教会 Keystone / Arno Balzarini

スイス連邦統計局は27日、2017年以来5年ぶりに言語圏の境界を改定したと発表した。ロマンシュ語圏だったグラウビュンデン州スールセス(人口2500人)と同ムントーニャ・ダ・ショーンス(同400人)がドイツ語圏に移った。

統計局外部リンクによると、ロマンシュ語圏に属する自治体はいくつか減っているものの、ロマンシュ語話者は約4万人で「何十年もの間」安定している。その4割はロマンシュ語地域(6割がグラウビュンデン州)に暮らす。

グラウビュンデン州の伝統的にロマンシュ語が話されていた自治体では、観光地化とともにドイツ語話者が増えた。20世紀後半を中心にいくつかの自治体がドイツ語圏に転じた。

2000年以降は境界線が安定していた。


基礎自治体はゲマインデ/コミューンとも呼ばれ、連邦政府と26州の下に位置するスイスの最小単位の行政区画。住民が選出した代表者によって統治され、多くの場合、教育、医療、交通、公安に関する意思決定を下す大きな裁量権を有する。徴税権もある。

2022年初め時点の自治体数は2148を数え、人口は約40人から40万人超(チューリヒ市)と幅広い。

自治体数は合併により減少しており、これが物議を醸している。弱小自治体を大きな自治体に統合する案に対しては強い抵抗運動が起きることが多いが、全国的に合併の流れは高まっている。

英語からの翻訳:ムートゥ朋子

おすすめの記事
Kinder und eine Lehrerin in einem Klassenraum. An der Wandtafel stehen Sätze in Rätoromanisch.

おすすめの記事

スイスの言語、ロマンシュ語は消滅してしまうのか?

このコンテンツが公開されたのは、 スイス人は山の民の言語が好きらしい。グラウビュンデン州のごく限られた地域でしか話されていないロマンシュ語は、1938年の国民投票で92%と極めて高い賛成票を得てスイスの第4の言語に指定された。それがいま消滅の危機に瀕している。  ロマンシュ語は古代ローマ時代、現在のグラウビュンデン州にあたる山間部で、ラテン語の口語とケルト人、ラエティア人の言語の三つが混ざって発展した言語。現在、スイス国内でロマンシュ語を話すのは人口の約0.5%で、国連教育科学文化機関(UNESCO)の「消滅の危機にある言語」に指定されている。

もっと読む スイスの言語、ロマンシュ語は消滅してしまうのか?


人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

詐欺を警告するPC画面

おすすめの記事

スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決

このコンテンツが公開されたのは、 スイス銀行を狙った口座乗っ取り事件で、英国で刑事告訴されていた英国人学生(21)に禁固7年の有罪判決が言い渡された。スイス連邦検察庁によると、学生はスイスの銀行顧客から約240万フラン(約4億4000万円)を騙し取った。

もっと読む スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決
オリーブの木

おすすめの記事

温暖化でスイスがオリーブの名産地に?

このコンテンツが公開されたのは、 スイス西部のフランス語圏は温暖化によりオリーブの木を育てやすくなっている。生産者らは2026年には栽培本数が2万本に倍増し、南部のイタリア語圏ティチーノ州を追い抜くと見込む。

もっと読む 温暖化でスイスがオリーブの名産地に?
山肌に描かれた巨大な絵

おすすめの記事

アルプスに新しい巨大地上絵が登場

このコンテンツが公開されたのは、 世界各地で巨大な地上絵を描くアーティストのSAYPE(セイプ)さんが、スイス南部ヴォー州のアルプス山頂に新作を完成させた。

もっと読む アルプスに新しい巨大地上絵が登場
原発

おすすめの記事

スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず

このコンテンツが公開されたのは、 スイス北部デニケン(ソロトゥルン州)のゲスゲン原子力発電所が2カ月近く、発電を停止している。給水配管システムに過負荷がかかっている可能性があり、安全性が証明されるまで発電を再開できていない。

もっと読む スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
セメンヤ

おすすめの記事

欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」

このコンテンツが公開されたのは、 欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。

もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
スイス公共放送協会

おすすめの記事

スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。

もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
財布

おすすめの記事

スイスでは現金のチップが主流

このコンテンツが公開されたのは、 スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。

もっと読む スイスでは現金のチップが主流

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部