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ロイタルト大統領、聖職者のブラックリスト作成に賛成

一方、スイス司教会議のノルベルト・ブルンナー会長は、ブラックリスト作成に関し「教会が司法関係当局に組織だって通報するようなことではない」と反対している Keystone

ドリス・ロイタルト大統領は3月28日、「すでに教師の少年愛者ブラックリストが存在するように、聖職者のリストも作成されるべきだ」と語った。

1週間前から議論を呼んでいるこの問題に関し、ロイタルト大統領が意見を述べたのは今回が初めて。キリスト教民主党員 ( CVP/PDC ) としての発言でもあり注目されている。

法的に裁かれるべき

 「聖職者や教師など、子どもを育成する立場にある者がその職を利用して子どもを性的に虐待し、子どもの信頼を裏切ることは、ただおぞましいと言うしかない。こうした行為は、あらゆる形で告発されるべきだ」
 とロイタルト大統領は述べ、すでに存在する教師の少年愛者ブラックリストと同様、聖職者のリストも作成され、こうした性的虐待者が子どもとの接触を断つことが重要だと訴えた。

 さらに、性的虐待者は法的に裁かれるべきだとも付け加え
「カトリック教会は責任を取るべきだ。性的虐待を犯した者は、聖職者であろうとなかろうと例外なくスイスの刑法によって裁かれるべきだ」
 と述べた。

独身であることが原因

 一方、ドイツ語圏の日曜紙「ゾンタークス・ブリック ( SontagsBlick ) 」に発表された「デモスコープ基金 ( Demoscope ) 」が行ったアンケートによると、カトリック教会が性的虐待を犯した聖職者の少年愛者ブラックリストを作成することに、80% が賛成し、14 % が反対し た。

 さらに、聖職者が独身であることに92% の人が反対し、わずか5 % のみが聖職者は貞潔を守るべきだと答えた。

 性的虐待を犯した聖職者が心理学的テストを受けるべきか否かに関しては、57% の人が受けるべきだと答え、 37% が受けても効果はないと答えている。

 この調査は、3月24日から25日にかけ15歳以上の607人を対象に行われた。

外電、swissinfo.ch

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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