世界経済フォーラム(WEF)年次総会が開かれているダボスの周辺空港では、今週だけで1500機近くのプライベートジェットが発着する見込みだ。
このコンテンツが公開されたのは、
英チャーター機企業エアー・チャーター・サービス(ACS)が22日発表外部リンクした。同社は2013年からダボス会議中のチャーター機の発着を調べている。18年は前年比11%増の1300機で、過去最高だった。今年も記録を更新する勢いだ。
≫日本の新政府専用機 内装はスイス製
ACSのプライベートジェットディレクターを務めるアンディ・クリスティー氏は、「昨年同様に増えるとすれば、6日間で約1500機が見込まれる」とコメントした。
ダボス自体には空港がなく、多くの出席者は近くの空港からヘリコプターで現地入りする。クリスティー氏によると、ダボス会議の参加者のプライベートジェットは、チューリヒ、デューベンドルフ、ザンクト・ガレン・アルテンライン、サン・モリッツの4空港に多く発着する。
プライベートジェットで入国するのはドイツ、フランス、米国、英国、ロシア、アラブ首長国連邦(UAE)からの参加者が多いという。
「当社では、遠くは香港やインド、米国から予約を受けた。これほどグローバルに人々を引き付けるイベントは他にはない」(クリスティー氏)
ジェット機の種類はガルフストリームVやグローバル・エクスプレスなど、大型機を好む参加者が増えている。クリスティー氏は「飛距離が長いのも一因だが、ビジネスのライバルに負けたくないと張り合っている面もある」と解説した。
気候変動
だがプライベートジェット機の増加は、ダボス会議が議題としている気候変動対策にそぐわない流れだ。WEFが約1000人の意思決定者を対象に調査したグローバルリスク報告書では、今後10年の最大の脅威に異常気象や気候変動対策の失敗が挙がった。
WEFは温室効果ガスの排出は、環境対策によって相殺されると指摘する。今回のダボス会議に電車でやって来る参加者には、交通費が一部払い戻される。
WEFの世界公共財の責任者であるドミニク・ウォーレイ氏は、AFP通信に対し、「プライベート機の大半は、効率・安全を求めて政治家が利用するものだ」と話した。「セキュリティ対策として有効だが、やはり埋め合わせが必要だ」
おすすめの記事
スイス検察、国民投票の不正疑惑を捜査
このコンテンツが公開されたのは、
スイス検察当局は、国民投票の提起に必要な署名が偽造されたとの疑惑を捜査している。収集代行業者が過去の署名を使い回したり、金銭を見返りに署名を集めた可能性がある。
もっと読む スイス検察、国民投票の不正疑惑を捜査
おすすめの記事
1000人超でアルプホルン演奏 スイスで世界記録を更新
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのニトヴァルデン準州クレヴェンアルプで31日、1000人以上のアルプホルン奏者が集まり、「アルプホルンを合奏する人数」の世界記録を更新した。
もっと読む 1000人超でアルプホルン演奏 スイスで世界記録を更新
おすすめの記事
社会民主党、収入約16億円で全政党トップ 政治資金報告書
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦監査院(SFAO)が30日、2023年の政治資金報告書を発表した。
もっと読む 社会民主党、収入約16億円で全政党トップ 政治資金報告書
おすすめの記事
スイス政府、原発の新設解禁に前向き
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は28日、「すべての人にいつでも電気を:ブラックアウト(全域停電)を止めよ」と題するイニシアチブ(国民発議)に反対を表明した。ただ、新たな原子力発電所建設の解禁には原則として支持する考えを示した。
もっと読む スイス政府、原発の新設解禁に前向き
おすすめの記事
マッターホルンの麓町ツェルマット、日帰り客に入場料を検討
このコンテンツが公開されたのは、
スイスを代表する名峰マッターホルンの麓町ツェルマットは、日帰り観光客の多さに悩んでいる。 現在、入場料の徴収を検討中だ。
もっと読む マッターホルンの麓町ツェルマット、日帰り客に入場料を検討
おすすめの記事
パリ協定遠く…スイス全州で気候変動対策不十分 WWF調査
このコンテンツが公開されたのは、
世界自然保護基金(WWF)スイスは27日、スイスの全ての州でパリ協定の目標達成に向けた十分な取り組みが行われていないとの分析結果を発表した。
もっと読む パリ協定遠く…スイス全州で気候変動対策不十分 WWF調査
おすすめの記事
スーダン停戦交渉、和平合意なく終了
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・ジュネーブ地方で10日にわたって行われたスーダン内戦の停戦協議が23日、停戦合意に達することなく終了した。
もっと読む スーダン停戦交渉、和平合意なく終了
おすすめの記事
スイス観光地ブリエンツの土砂災害 予想より被害深刻で鉄道路線に影響
このコンテンツが公開されたのは、
12日にスイス・ベルン州を襲った嵐の影響で土砂崩れなどの被害を受けた人気観光地ブリエンツ村の一部では、依然として閉鎖が続いている。
もっと読む スイス観光地ブリエンツの土砂災害 予想より被害深刻で鉄道路線に影響
おすすめの記事
マッターホルンで登山者の滑落死相次ぐ
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの名峰マッターホルンで16 日、登山者が下山中に800m下の氷河に滑落し死亡した。同じ山では14日にも、別の登山者2人が滑落死した。
もっと読む マッターホルンで登山者の滑落死相次ぐ
おすすめの記事
チューリヒ動物園、49歳のアジアゾウを安楽死
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ動物園は12日、49歳の雌ゾウ、セイラ・ヒマリを安楽死させたと発表した。長年、健康上の問題に苦しんでいた。
もっと読む チューリヒ動物園、49歳のアジアゾウを安楽死
続きを読む
おすすめの記事
グローバル化が企業にもたらす三つの課題
このコンテンツが公開されたのは、
世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)がスイス・ダボスで22日から4日間開催される。今年は「グローバリゼーション4.0」をテーマとし、ネットワーク化された世界における問題点を取り上げる。グローバル化が目覚ましいスイス企業にとって、国際舞台での立場は今後どのように変わっていくのだろうか?
もっと読む グローバル化が企業にもたらす三つの課題
おすすめの記事
シンジェンタのエリック・フライワルドCEOとのインタビュー
このコンテンツが公開されたのは、
スイスに本拠を置く農薬大手シンジェンタのエリック・フライワルド最高経営責任者(CEO)はスイスインフォの取材に応じ、フードチェーンの今後や持続可能な農業における技術の役割の他、気候変動などの問題について経営者たちが発言を強めることについて語った。
もっと読む シンジェンタのエリック・フライワルドCEOとのインタビュー
おすすめの記事
世界の富裕層が子供を送り込むスイスのサマースクール
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南東部のリゾート地、グラウビュンデン州ラークス。スキーヤーやスノーボーダーのメッカとして知られるが、夏は少年少女の楽園に様変わりする。世界中の富裕層がこぞって子供を送り込むサマーキャンプが開催されるのだ。彼らが3週間で総額8千フラン(約90万円)を喜んで支払うというキャンプの魅力とは?
もっと読む 世界の富裕層が子供を送り込むスイスのサマースクール
おすすめの記事
スイスの女性航空機パイロット、自身の航空会社立ち上げから30年
このコンテンツが公開されたのは、
ヘレーネ・ニードハルトさんの名前が新聞の見出しに踊ったのは1980年代のこと。彼女は当時、スイスでは数少ない職業パイロットだった。しかし、女性であるがゆえに雇ってくれる航空会社はどこにもなかった。でも、空を飛びたいー。彼女が選んだのは、自分の航空会社を立ち上げる道だった。
もっと読む スイスの女性航空機パイロット、自身の航空会社立ち上げから30年
おすすめの記事
トランプ大統領の欠席はダボス会議にプラス?
このコンテンツが公開されたのは、
トランプ米大統領やマクロン仏大統領が出席をキャンセルした世界経済フォーラム(ダボス会議)。大物のキャンセルで開催地のダボスは大損害を被るかと思いきや、スイスメディアの分析ではそうでもなさそうだ。
もっと読む トランプ大統領の欠席はダボス会議にプラス?
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。