アルプシュタインのゲストハウス「Äscher-Wildkirchli」
Keystone
スイス北東部アッペンツェル・インナーローデン準州の切り立った崖に立つゲストハウス「Äscher-Wildkirchli」が、新しい経営者の募集手続きを始めた。
このコンテンツが公開されたのは、
2018/08/21 13:15
経営者のベルンハルト・クネヒテル・フリッチェさんと妻の二コールさんは、2018年夏の観光シーズンを最後に、アッペンツェル・インナーローデン準州アルプシュタインにあるゲストハウス「Äscher-Wildkirchli外部リンク 」の経営権を手放す。
決してアクセスの良い場所ではない
Keystone
「Äscher-Wildkirchli外部リンク 」はスイスドイツ語で「エッシャーの野外教会」という意味。スイスで最も古いゲストハウスの一つで、1800年に放浪者や農家が峠越えの旅人に飲み物や食べ物を売ったのが始まり。19世紀初めにゲストハウスに変わり、1987年からクネヒテル・フリッチェさんの両親が経営していた。2014年5月に息子のベルンハルトさんと妻の二コールさんが引き継いだ。
夫婦は地元メディアの取材に対し、標高1450メートルの崖際に立っている建物の改装工事をするには制限が多く、対応しきれなくなったと理由を述べた。スペースが足りず、水や電気の供給も限られているため、たびたびホテルの運営に支障が生じていた。またトイレも古びているという。
高まる人気がかえって仇となった
Keystone
ゲストハウスは2015年、ナショナルジオグラフィック監修の世界の名所を紹介する本「Destinations of a Lifetime: 225 of the world’s most amazing places(仮訳:生涯に一度は訪れたい 世界の名所225選)」で紹介され、本の表紙にも写真が採用された。
ゲストハウスのSt. Martins教会。1621年に建てられた
Keystone
ナショナルジオフラフィックの本で紹介されたことがさらに人気を押し上げ予約が殺到。1年先しか予約が取れない状態になり、観光客が多く訪れる有名スポットとなった。
アッペンツェル・インナーローデン準州の州政府は20日、ゲストハウスの人気は過去30年間にわたり全く衰えず、スイス国内外から多くの客が訪れたと話した。
おすすめの記事
おすすめの記事
文化
スイスのちょっと変わった家15軒
このコンテンツが公開されたのは、
2016/10/31
スイスの一般的な住宅事情は、3人に2人が借家住まいで、住宅の57.4%が一戸建て住宅、共同住宅の世帯数は平均5~6戸だ。しかし例外はある。スイスで一風変わった15軒の住まいを紹介する。
もっと読む スイスのちょっと変わった家15軒
このストーリーで紹介した記事
おすすめの記事
スイス、ロシア・ウクライナ首脳会談の「準備は万全」
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/19
スイス連邦政府のイグナツィオ・カシス外相は19日、ウクライナ情勢を巡る和平交渉について、スイスはロシアとウクライナの首脳会談を開催する「準備は万全」と述べた。
もっと読む スイス、ロシア・ウクライナ首脳会談の「準備は万全」
おすすめの記事
職場
スウォッチ、「つり目」広告を撤回 人種差別と炎上
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/18
スイスの時計大手スウォッチはつり目ポーズのモデルを使った広告を謝罪し、撤回した。中国を中心に人種差別的だとの批判が出ていた。
もっと読む スウォッチ、「つり目」広告を撤回 人種差別と炎上
おすすめの記事
世界貿易
トランプ氏、スイス大統領に金銭支払いを要求 関税発表前日の電話会談の詳細が明らかに
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/18
スイスに対し39%の関税を発表する前日の7月31日、ドナルド・トランプ大統領がカリン・ケラー・ズッター大統領との電話会談で、米国への「投資」ではなく直接的な金銭支払いを要求していたことが分かった。大衆紙ブリック日曜版が報じた。
もっと読む トランプ氏、スイス大統領に金銭支払いを要求 関税発表前日の電話会談の詳細が明らかに
おすすめの記事
文化
ロカルノ映画祭、三宅唱監督「旅と日々」に金豹賞
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/18
スイス南部で開催されたロカルノ国際映画祭で、三宅唱監督の「旅と日々」が最高賞にあたる金豹賞を受賞した。
もっと読む ロカルノ映画祭、三宅唱監督「旅と日々」に金豹賞
おすすめの記事
宇宙研究
国際宇宙ステーションでロボットが「宝探し」に成功 スイスも貢献
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/15
日本製とドイツ製のロボットが、国際宇宙ステーション(ISS)で「宝探し」をして遊んだ。スイス・ルツェルン応用科学芸術大学(HSLU)もこの実験に貢献した。
もっと読む 国際宇宙ステーションでロボットが「宝探し」に成功 スイスも貢献
おすすめの記事
スイス中銀、新紙幣デザイン12案発表 一般投票募る
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/14
スイス国立銀行(中銀、SNB)が、新フラン札のデザイン案12点を発表した。来月7日まで、インターネット上で一般投票が行われる。
もっと読む スイス中銀、新紙幣デザイン12案発表 一般投票募る
おすすめの記事
気候適応
ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/14
ジュネーブ州では13日、バスやトラム(路面電車)など公共交通機関が終日無料となった。オゾン濃度が急増したことへの対応で、スイスでは初めての措置だ。
もっと読む ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増
おすすめの記事
スイスで記録的暑さ 政府が警告
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/13
スイスで全国的に気温が上昇し、猛暑への警戒が強まっている。11日にはスイス西部と南部ティチーノ州の一部地域に対し、熱中症など健康被害を受けるリスクが大きい「危険度3」の警報が発令された。
もっと読む スイスで記録的暑さ 政府が警告
おすすめの記事
文化
知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/11
ハンス・リンギエ財団は9日チューリヒ在住の作家アドルフ・ムシュグさん(91)に欧州政治文化賞と賞金5万ユーロ(約860万円)を授与した。同賞がスイス人に授与されるのは初めて。
もっと読む 知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞
おすすめの記事
貿易政策
スイス政府、相互関税で米国との協議継続を表明
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/05
米国がスイスに課す39%の「相互関税」をめぐり、スイス政府は4日、米国との協議を続け「より魅力的な提案をする」と表明した。
もっと読む スイス政府、相互関税で米国との協議継続を表明
続きを読む
次
前
おすすめの記事
村全体をホテルへ スイス最小のコリッポ村ってどんな村?
このコンテンツが公開されたのは、
2018/08/11
スイス南部ティチーノ州のヴェルツァスカ渓谷にあるコリッポ村の住民はたったの12人。村の存続をかけて編み出した秘策は、村全体をホテルにすることだったー。ところでこのコリッポ村、どんなところなのだろう。
もっと読む 村全体をホテルへ スイス最小のコリッポ村ってどんな村?
おすすめの記事
どこでもホテル スイスで人気上昇
このコンテンツが公開されたのは、
2018/08/04
丸いビニールハウス型のテントで一晩明かすのに、1泊200フラン(約2万2千円)は高い?安い?スイスでは手ごろで値ごろな宿泊手段として、一定期間だけ現れるポップアップ型のホテルが人気を集めている。(SRF/swissinfo.ch)
もっと読む どこでもホテル スイスで人気上昇
おすすめの記事
スイス在住日本人が教える とっておきのスイスの夏休み20選
このコンテンツが公開されたのは、
2018/07/16
いよいよ夏休み。山や川、湖といったスイスの自然も輝きを増し、世界中から夏を過ごしに観光客がやってくる。スイスに住む日本人はどのような夏休みを過ごすのか?お勧めの旅行先は?
もっと読む スイス在住日本人が教える とっておきのスイスの夏休み20選
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。