The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録
トップ・ストーリー
ディベート
すべての議論を見る

日本株投資、船舶燃料不足、4月1日.. スイスのメディアが報じた日本のニュース

宇田薫
桜の写真を撮る市民ら
swissinfo.ch

スイスの主要報道機関が4月1日~7日に伝えた日本関連のニュースから、①日本株投資②船舶燃料不足③日本の4月1日――の3件を要約して紹介します。

【編集より一言】

スイスは先週金曜から今週月曜まで、イースター休暇の連休でした。年によっては季節外れの寒さに見舞われることもありますが、今年は好天に恵まれ、1泊2日で雪山ハイキングに行ってきました。今週も暖かな陽気が楽しめそうです。皆様はどんな週末を過ごされましたか?

「スイスのメディアが報じた日本のニュース」ニュースレター登録はこちら

「今こそ日本株投資の好機か」

スイスのフォントベル・アセット・マネジメントのクレマンス・ルセク氏はallnews.chのオピニオン記事で、日本株について「現在、長期的な歴史的平均を上回る水準で取引されている」とし、投資家の関心が再燃していると述べました。かつてはデフレや低収益に苦しみ、海外投資家からの評価も低い状態が続いていましたが、アベノミクス以降の政策や企業改革によって状況は変わりつつあるとし、現在では投資家にとっての問いは「なぜ日本は失敗したのか」ではなく、「再び信頼に値する市場なのか」であり、日本株への評価軸そのものが変わりつつあると位置付けています。

ルセク氏は、今日の日本が産業技術で際立っている点を強調しました。半導体製造装置やロボット、工場自動化といった分野で中心的な役割を担っており、これらの強みにより、オートメーションやフィジカルAI(人工知能の産業機械への統合)への投資再開において、主要な受益国になっていると指摘します。

グローバルな要因に加え、国内政策もより好ましいものとなっています。自民党の圧勝後、日本の財政刺激策は既にプラス効果が期待されていましたが、現在の予測では、その財政刺激策は欧州諸国のそれを上回る可能性が示唆されています。これは、特に政策の影響を受けやすいセクターにおいて、短期的な成長と収益を支えると分析します。

さらに抜本的な企業改革も手伝い、日本株市場を取り巻く状況は大幅に改善したと指摘。しかし、低い資産回転率やキャッシュフロー効率、構造的問題など、改善の余地はまだ多く、為替やエネルギー価格といったリスク要因もあるとする一方で、海外投資家にとって日本は今、慎重に見極めるべき「変化の途上にある市場」と結論づけています。

(出典:allnews.ch外部リンク/フランス語)

アジアで船舶用燃料の不足が深刻化

ドイツ語圏大手紙NZZのマルティン・ケリング特派員は、アジアで船舶用燃料(バンカー燃料)の不足が深刻化しつつあり、世界のサプライチェーンに大きな影響を及ぼす可能性があると警告しています。

イラン情勢を背景にホルムズ海峡の封鎖リスクが高まり、アジアの主要港、特にシンガポールでは燃料価格が急騰し、補給の遅れも発生していると報じています。ケリング記者は専門家への取材をもとに、これは単なる価格上昇ではなく「供給危機の前兆」であり、アジアが世界の製造拠点である以上、パンデミック時以上の混乱につながる恐れがあると指摘しています。

アジアにとって問題なのは、船舶用の重油が産油国の供給に強く依存している点だとケリング記者は指摘します。アラビア湾岸の主要補給拠点フジャイラ港が空爆で機能不全に陥り、シンガポールの精製所も中東産原油に特化しているため、他地域からの代替調達は容易でないことも問題です。これにより、原油入手ルートを変えても短期的な解決にはならない、としています。

こうしたなか、日本でも金子恭之国土交通相が記者会見で「沿岸輸送や旅客船の分野で、石油販売会社が重油の販売を制限し始めている兆候がある」と発言したことにも触れています。

一方で、中国やタイ、韓国などは燃料輸出を制限・禁止する措置を取り、資源ナショナリズムの傾向が強まっています。この傾向が続けば欧州にもその影響が波及し、製品価格の上昇などにつながる可能性がある、と記事は指摘しています。

(出典:NZZ外部リンク/ドイツ語)

「4月1日は日本にとって特別な日」

4月1日は、ただのエイプリルフールではない――。日本における4月1日を「単なる日付ではなく、社会的・感情的な新年」と紹介したのは、フランス語圏の日刊紙ル・マタン日曜版です。欧州のエイプリルフールとは対照的に、日本ではこの日が学校や企業の新年度の始まりであり、国全体が一斉に動き出す重要な節目として描かれています。訪日客が過去最多を記録する中、この時期の日本は「社会が再編成される様子を目の当たりにできる」と伝えています。

スイスでは新入学・新入社は8月が一般的ですが、日本では、教育と雇用が同時に切り替わる日が4月1日であることに注目。新入学や新入社に加え、人事異動や引っ越しが集中し、「新生活」需要が一気に高まる様子を紹介しました。欧州の長期休暇前のような活気に例えながら、日本社会の一斉スタートの特徴を強調しています。

さらにこの時期は桜の開花と重なり、花見を通じた「自然の祝祭」としての側面も持つと指摘します。一方で、進学や転勤に伴う別れの季節でもあり、駅での別れや新社会人の姿に象徴されるように、不安と希望が交錯する時期だと描写。スイス側の視点は、日本の4月1日を制度・文化・感情が重なる特異な転換点として捉えています。

(出典:ル・マタン日曜版外部リンク/フランス語)

【スイスで報道されたその他のトピック】

首都圏で強い地震発生外部リンク(4/1)

アジア株式市場、イラン内戦終結への期待が高まり急反発外部リンク(4/1)

マクロン仏大統領と高市首相が漫画「ドラゴンボール」のポーズ外部リンク(4/2)

日銀、経済懸念にもかかわらず利上げを示唆外部リンク(4/3)

話題になったスイスのニュース

中国資本入りへの不安は「杞憂だった」――。スイスに本社を置くアグリビジネス企業、シンジェンタグループのジェフ・ロウ最高経営責任者(CEO)がスイスインフォのインタビューに応じ、中国資本傘下での成長や親会社の投資姿勢、スイスとの関係、スイス企業としてのアイデンティティーなどを語った記事がよく読まれました(7日配信)。

◎インフォボックス)記事向上のためアンケートへのご協力お願いします

毎週配信している 「スイスのメディアが報じた日本のニュース」 をお読みいただき、ありがとうございます。
皆さまのご意見は、私たちにとってとても大切です。2分ほどで回答できる簡単なアンケートにご協力いただき、より良いジャーナリズムづくりにお力添えください。
このアンケートは匿名で、回答内容や個人情報はすべて厳重に管理されます。

👉 アンケートに参加する外部リンク

次回の「スイスメディアが報じた日本のニュース」は4月15日(水)に掲載予定です。

ニュースレターの登録はこちらから(無料)

校閲:大野瑠衣子

人気の記事

世界の読者と意見交換

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部