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移民政策、猛暑対策、豆腐… スイスのメディアが報じた日本のニュース

豆腐はスイスにも浸透し、スーパーでも普通に売られている
豆腐はスイスにも浸透し、スーパーでも普通に売られている keystone

スイスの主要報道機関が8月11日~17日に伝えた日本のニュースから、①日本の移民政策が小規模事業者に不安②猛暑対策市場としての日本③スイスでも定着した豆腐、の3件を要約して紹介します。

移民を必要としながら、受け入れには慎重になる――日本が抱えるジレンマは、欧州や米国にも共通しています。少子高齢化で人手不足が深刻になる一方、社会の一体性や国民としてのアイデンティティーを守りたいという意識も根強くあります。スイスメディアの取材に応じた在日外国人の「人々は日本を離れなければならなくなるが、新しい人々がやって来る」という言葉は、国境を閉ざすことが難しい現代社会の現実を端的に表しています。日本だけの問題ではなく、移民政策をめぐる世界共通の課題として考える必要がありそうです。

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日本の移民政策、外国人の小規模事業者に広がる不安

日本政府が永住権や在留資格の要件を厳格化し、在日外国人の小規模事業者らの間に動揺が広がっています。スイスの有力紙ターゲス・アンツアィガー(TA)は、少子高齢化で深刻な労働力不足に直面しているはずの日本が、なぜこのような排他的な規制強化に動くのか、その背景にある矛盾と歴史的要因を報じました。

自己資金要件の大幅な引き上げや日本人などの雇用義務を含む今回の改正が、既存の外国人小規模事業主を脅かしていると同紙は論じています。これらの要件について、入管手続きに詳しい行政書士法人タッチの湯田一輝代表は「不条理な障壁であり、長年ここに暮らし、この国を愛している多くの人々に影響する」とし、真面目に日本社会に溶け込んできた外国人が排除される可能性を指摘しました。

記者が取材した江戸川インド人会の会長で、東京都内でインド料理店を経営するジャモガン・S・チャンドラニ氏も「自分たちがこれからどうなるのか、企業家の間には当然、大きな不安がある」と明かします。

このような排他的な政策の根底には、日本の歴史に根ざした意識も起因する、と同紙は分析します。江戸時代のポルトガル人やその後の専門人材の移入の歴史を紐解き「彼ら(移民)が永遠に留まることは、最初から計画されていなかった。それから数世紀を経た今も、大して状況は変わっていない。今でも日本は、できれば最優秀な人材だけを受け入れ、それ以外は日本人だけでいたいのだ」と位置づけ、これが日本社会の根底にある本音だと続けました。

今回の改正によって、日本政府は、今後、日本に長期的に住む人たちが「自ら生計を立て、長期的に社会に貢献できる」ことを確実にしたいとしています。しかし実際には、特に低技能の仕事に就く人々にとって、日本に来ること、そして日本にとどまることが、今後さらに難しくなる可能性があります。記事は、専門家からどれほど不条理さが指摘されようとも、この方針が軌道修正される見込みは薄いと結論づけています。

猛暑対策イノベーションの世界的な実験場となる日本

200社が最新の暑さ対策テクノロジーを出展する展示会が東京都内で開かれました。仏語圏のスイス公共放送(RTS)は、年々暑さを増す日本において、冷却Tシャツやファン付きベストなどの冷却グッズ市場が急速に拡大している現状を報じました。

記事は、このようなイノベーションが日本で盛んになる背景には、日本の夏の気候特性がある、と説明。「日本の夏は特に過酷だ。気温は時に40℃を超え、非常に高い湿度が息苦しさを際立たせる」とし、日本の夏特有の厳しさを描写しました。

こうした厳しい暑さから、特定の労働者向けだった冷却グッズが、より幅広い層に利用されるようになっているとRTSは論じています。ファン付きベストなどの「長年、専門職専用だったグッズが、今や小学生から高齢者まで、はるかに幅広い層を魅了している」と説明し、顧客層が大きく広がった構造を指摘しました。

RTSは「冷却グッズの市場は現在、3億フラン(約600億円)を占める。そして、将来的にはさらに急上昇する可能性がある」と位置づけ、この分野が今後さらに大きく飛躍する可能性を分析しました。

記事は、今後の冷却技術の進化への期待を示して結んでいます。着るエアコンと呼ばれる「REON POCKET」開発企業の伊藤健二社長の「携帯電話と同じように、新しい冷却技術が次々と登場することを期待している」との発言を紹介し、冷却技術がさらなる進化を遂げていく可能性について触れました。

スイスの消費者団体が暴いた「豆腐」の品質格差

健康志向の高まりとともに、スイスのスーパーでも定番食材となった「豆腐」。独語圏のスイス公共放送(SRF)は、ロマンド消費者連盟(FRC)が実施した市販豆腐の比較テスト結果を報じました。一見どれも同じに見える白い豆腐ですが、その中身には大豆の含有量や製法をめぐり、驚くべき格差が存在していることが明らかになりました。

同紙はまず、製品ごとの主原料の割合に極端な開きがあるという実態を指摘しました。「調査対象の豆腐の大豆含有量は15%から60%と大きく異なった。大豆が少ないということは、水分が多く、その不足を補うために大豆プロテインが添加されていることを意味する」と説明しました。

日本では健康成分として親しまれている大豆イソフラボンですが、スイスでは異なる視点で捉えられています。SRFの記事は「この植物性物質は、健康への影響の可能性をめぐり、議論を呼んでいる」と記述し、女性ホルモンに似た構造を持つイソフラボンがホルモン系を乱すリスクなどについて、スイス国内の専門機関が今なお慎重な姿勢を崩していない現状を伝えました。

一方で、豆腐が持つ栄養価の高さについては、肉類との比較を交えて肯定的に評価されています。例えば同量の鶏胸肉と比べるとタンパク質量は劣るものの「豆腐はバランスの取れた食事の枠組みにおいて、肉の信頼できる代替品となる」と位置付けました。

またSRFは、パッケージに躍る日本語のキーワード、例えば「にがり」について「この名前は日本や伝統的な職人技を連想させる。しかし実際には、それは単に塩化マグネシウムのことだ」と説明し、消費者が抱く「日本風の伝統製法」というイメージが、単なる化学的な凝固剤の言い換えにすぎないことを指摘しました。

【スイスで報道されたその他のトピック】

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次回の「スイスのメディアが報じた日本のニュース」は8月25日(火)に掲載予定です。

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校閲:大野瑠衣子


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