スイスの視点を10言語で

チューリヒ空港滑走路を延長へ 3日住民投票で可決

夜間の管制塔
空港によると、延長計画は安全性と定時性の向上を目的としている KEYSTONE/KEYSTONE/GAETAN BALLY

チューリヒ州で3日行われた住民投票で、スイス最大を誇るチューリヒ空港の滑走路2本を延長する計画が承認された。

同州有権者の61.7%が賛成票を投じた。投票率は57.6%だった。

「滑走路32」を280メートル、「滑走路28」を400メートル延長する。延長事業に係る費用の2億5千万フラン(約424億円)をチューリヒ空港が負担する。

チューリヒ空港はスイス最大の空港で、最も利用者が多い。空港によると、延長計画は安全性と定時性の向上を目的としている。また、夜間の航空機騒音も軽減されるという。

同計画は主にチューリヒ州政府および州議会、中道右派政党が支持していた。

反騒音グループや左派政党は、滑走路を延長すると長期的には飛行機の発着回数が増え、騒音や二酸化炭素(CO₂)排出量が増加すると反対。空港は既に十分な規模を備えており、利用者も多いと主張していた。

投票前には白熱した議論が交わされた。反対派は当局が反対派の主張を曲解し、かつ記述に十分なスペースを割いていないとして、投票案内の小冊子を各家庭に配布しないよう要求していた。

英語からの翻訳:大野瑠衣子

ニュース

ビクトリノックスのアーミーナイフ製造現場

おすすめの記事

ビクトリノックス、刃のないアーミーナイフを開発

このコンテンツが公開されたのは、 スイスアーミーナイフの製造で知られるビクトリノックス社は、世界で広まるナイフ規制強化の波に対応するため、刃のないモデルの開発に取り組んでいる。カール・エルズナー最高経営責任者(CEO)がスイス紙のインタビューで明かした。

もっと読む ビクトリノックス、刃のないアーミーナイフを開発
管制室

おすすめの記事

スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦運輸省民間航空局(BAZL/OFAC)が3日発表した2023年の航空安全報告書によると、民間・小型航空機の事故件数は9995件と、前年から24%増加した。

もっと読む スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
裁判所のドア

おすすめの記事

「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦裁判所(最高裁)は先月26日、チューリヒ地方裁判所の判事の1人に対し、気候活動家に関する裁判への関与を禁じる判決を下した。この判事が過去の裁判で活動家への団結心を見せたとして、考え方に偏りがあると結論付けた。

もっと読む 「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
財布からお金を取り出す人

おすすめの記事

スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦統計局は25日、2023年の名目賃金は1.7%上昇したと発表した。インフレ(年平均2.1%)に相殺され、実質賃金は0.4%低下した。

もっと読む スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
対空防衛システム

おすすめの記事

米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触

このコンテンツが公開されたのは、 米政府高官は14日、イランによるイスラエル攻撃の前後に、米国は利益代表国であるスイスを通じてイランと接触していたと述べた。

もっと読む 米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部