スイス連邦内閣は27日、新型コロナウイルスの感染被害が深刻な州に対し、州が特定の産業活動の制限・停止を講じることを認める特例措置を発表した。一部産業の生産を一律に停止する措置を講じたティチーノ州に配慮した。ただ特例措置の適用には条件を設けた。
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政府の声明外部リンクによると、感染症の拡大により住民の健康に危険が生じると判断される場合は、内閣は州が域内産業の一時的な制限・停止を命じることを認める。ただ従業員がお互いに一定の距離を空ける社会的距離(ソーシャル・ディスタンシング)や適切な衛生基準を満たした企業は事業を継続できる。
特例措置が認められるのは、その州が他の州の支援を受けてもなお、医療機関が飽和状態の場合。さらに停止命令の対象となる産業が政府の感染予防策を順守できず、越境労働者が来ないために生産機能が維持できないなどの状況にあることが条件となる。日用品や医薬品は対象から除外される。
これらの条件を満たさず、州が産業停止命令を強行した場合は国からの短期労働補償が支給されない。
イタリアと国境を接するティチーノ州は22日、食品や医薬品など生命の維持に関わる製品以外の産業生産を、少なくとも1週間禁じると発表した。これに対し連邦司法省司法局は、産業生産を一律に停止するティチーノ州の決定は政府の措置に反し「連邦法違反だ」との見解を示していた。
ティチーノ州の産業停止命令をめぐっては、機械・電気・金属産業連盟「スイスメム(Swissmem)」のハンス・ヘス会長が「国内の供給に問題が生じる」と批判していた。
またウーリ州は19日、65歳以上に事実上の外出禁止令を出したが、連邦内閣が翌日の会見で「国として外出禁止令は出さない」と明言したことを受け、その後撤回した。
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