スイスの学校教育は、26ある州の各州政府の管轄下にある。従って、スイスには26の教育制度がある。

現在、多数の州政府が、教育制度の全国的な統一に取り組んでいる。スイスの教育制度については、州教育委員会代表会議(EDK/CDIP)の概要と図表(英/独/仏/伊/ロマンシュ語)を参照。

初等・中等教育前期

スイスの義務教育は9年間。ほとんどの生徒が、1~2年間の幼児教育の後、6、7歳で小学校へ入学する。初等教育の後は、中等教育へ進み、一般的な教育を授けられるが、この段階で将来大学進学を目的とした普通高校へ進学または職業教育・訓練のどちらの方向へ進むかグループ分けされる。

大学入学を目的とした中等教育後期(義務教育終了後)

大学入学を目指すための教育機関である普通高校(ドイツ語のギムナジウム、フランス語のリセまたはジムナズ)に進学する生徒は全体の約2割。幅広い一般教養を集中的に学ぶための高水準の厳しい教育機関。教育期間は通常4年間で、卒業時の生徒の年齢は19~20歳。大学入学資格(「マトゥーラ」または「マチュリテ」)の試験に合格すると、州立大学10校または連邦工科大学2校のいずれかに入学できる。

職業訓練制度を目的とした中等教育後期(義務教育終了後)

16歳からは中等教育の後期課程(義務教育終了後)に入る。この後期課程は3~4年間で、職業教育・訓練を含む。大半の若者はこの課程に進み、中でも職業教育・訓練に進む生徒は3分の2以上を占める。

ドイツと同様、職業訓練生制度はスイスの教育制度の大きな特徴となっている。職業訓練生は、1週間の大半を資格のある雇用者の下で働きながら職を身につけ、残りの1~2日は職業訓練校で学ぶ。現在スイスで資格を取得できる職種は約300種類ある。詳細は、連邦経済省教育研究革新局(SBFI/SEFRI)のサイト(英/独/仏/伊語)を参照。

専門高等教育

職業訓練生は、連邦職業バカロレア(職業マトゥーラ/職業マチュリテ)を取得した後、応用科学大学に進学できる。応用科学大学は、コンピューターサイエンスからサービス産業に至るさまざまな職業における職業訓練や、実習を含む高等教育を行う大学レベルの教育機関。また、スイスには教員養成高等学校が17校あり、これらは応用科学大学と同等の扱いを受ける。

言語と教育

四つの公用語を持つスイスは言語学習を重視している。スイスの子どもたちは、地元で使用されている公用語のほかにもう一つ別の公用語を学ぶ。

経済のグローバリゼーションの結果、地元の言語のほかに学校で学ぶ言語を、英語にすべきかほかの公用語にすべきかをめぐり近年論争が起きている。公用語の学習は国家のアイデンティティー統一のために重要と主張する人々がいる一方で、英語教育を優先すべきだと反論する人々もいる。

初等教育のレベルにおいても、言語は常に考慮されるべきテーマとなっている。ドイツ語圏の子どもたちは家庭では方言を話すが、学校では標準ドイツ語を学ぶ。今日、転職などの理由でほかの言語圏に移住する家庭も増えているほか、大規模な都市部には、現地の言葉を全く、または少ししか話せない移民の子どもたちが多数存在する。教師と小学校には、そうした子どもたちのニーズに応えなければならないという大きなプレッシャーがかかっている。

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