ダカールのミニバス電動化計画 スイス支援も認定難航
セネガルの首都ダカールを走る乗り合いミニバス「カーラピッド」の電動化を目指すプロジェクトが、スイスの支援で進められている。連邦政府によるカーボンオフセット事業としての認定が難航するなか、2025年8月に試作車がスイスでのテスト走行を終えた。
ダカールの街でひときわ目を引くのが、カーラピッドと呼ばれる乗り合いバスだ。色鮮やかな車体が特徴のディーゼル車で、何百万人もの乗客を運ぶ一方、大量のガスを吐き出しながら、何十年にもわたってこの街を走り続けてきた。
実業家のマンドゥ・ドス・サントス・ピント氏が発案した「EcoCar Solaire(太陽光エコカー)」プロジェクトは、このバスのディーゼルエンジンを、太陽光パネルで充電するバッテリーシステムに置き換えることを目指している。目標は大きい。市内を走るカーラピッドの約20%に当たる1680台を電動化し、その過程でスイスの二酸化炭素(CO₂)排出量を30万トン相殺する計画だ。
このプロジェクトの背景にあるのは、国際的なカーボンクレジット取引について定めたパリ協定の第6条2項に基づき、2021年にスイスとセネガルが締結した二国間気候協定だ。この協定では、スイスが国外の気候変動対策プロジェクトに資金を提供し、国内の排出量を相殺することが認められている。同国は、こうした仕組みを通じた国内排出量削減にいち早く取り組んできた国の1つだ。
ピント氏は、スイスとのカーボンオフセット協定に基づく正式な認定が不可欠だと考えている。認定を得られなければ、車両の電動化や、今後の電動化を担うセネガルの整備士の育成に必要な投資を呼び込むことは、ほぼ不可能だという。
しかし、認定の取得は難航している。スイスのカーボンオフセット事業に対する監視は厳しくなった。認定手続きの不透明さに加え、支援がなくても実現したはずの排出削減を事業の成果に含めることへの批判が高まっている。こうした状況を受け、連邦環境省環境局(BAFU/OFEV)は事業の認定手続きを厳格化した。EcoCar Solaireもその影響で、6年にわたり認定を待ち続けている。
2025年8月、電動ミニバスの試作車がスイスでのテスト走行を終え、現在はダカールへ戻る準備が進められている。今後、1台から目標の1680台まで電動化を拡大できるのか、またそれがいつ実現するのかは、依然としてわからない。
編集:Veronica De Vore/dos、英語からの翻訳:本田未喜、校正:大野瑠衣子
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