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スイスのサムライ 刀を造る

1747年からある鍛冶屋で今も刀作りをするルイジ・カルニエル氏。

合気道7段、空手6段、古武道4段、まっすぐで曲がったことが大嫌い。宮本武蔵も驚くツワモノのルイジ・カルニエル氏(60)はヌシャテルで道場を経営している。武道から始まった日本刀への情熱がきわまってとうとう自ら刀を造るようになった。刀作りについては「まだまだアマチュアの域」と謙虚なカルニエル氏はなんと日本の大御所、梶原皇刀剣先生に習った。

 カルニエル氏はもとは機械産業の金属エンジニアだった。米航空宇宙局(NASA)の下請けのスイス会社で史上初の月の上で空気を吸う機械の開発に携わっていた。もともと“錬金術”が好きで、刀作りも「原材料から形を造っていく過程が面白い」という。始めは古武道の日本刀コレクションをし、梶原先生の本を注文したのがきっかけで本人を訪ねるにことになった。この出会いから、毎年日本刀磨きの見習いに出かけることになった。

 スイス西部、ヌシャテル近郊の小さな村、コルセルに1747年からある鍛冶屋で刀作りに精を出しているところを訪れた。石造りの寒い鍛冶屋で、カルニエル氏は裸足に下駄で迎えてくれた。慎重に刀を火から出す氏の表情からは武道で鍛えられた厳しさが窺える。「刀を研ぐ石、備水砥、改正砥などを妻に日本から注文してもらっている」という完ぺき主義。利益にはならない「趣味」だという。それでも、刀を手放すときは胸が痛いが、人の満足そうに喜ぶ顔を見るのが生き甲斐でもある。

 空手との出会いは、17歳のときで「テニスをするお金がなかったから」。それが、夢中になり好奇心から、合気道、古武道と手を出すことに。多くの武道を習得することで「空手にも深みが出る」という。日本人は「気」を理解しているが、スイス人にこれを教えるのは難しい。西欧人は「どうしてわざわざ鍛えて苦しむ」のか分からない。頭でなく、体で覚えるには「日本に行け!本物に触れろ!」と弟子達を奨励する。鷲のような鋭い目で話しながら「わっはっは」と豪快に笑うカルニエル氏に昔の侍の顔をみた。


swissinfo 聞き手 屋山明乃(ややまあけの)

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