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225周年を迎えたスイスの新聞NZZ 

「流行遅れのおばさん」とあだ名されながら、その伝統を守りつづけた。

(swissinfo.ch)

スイスでもっとも伝統がありその報道内容の質に対しても評価が高いノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング(NZZ)が創刊されて今年で225年になる。

創刊から40年間はチュルヒャー・ツァイトゥングの名前で発行され、1821年から現在の名前になった。フランス革命以前に発行された新聞で、廃刊にならずに続いている新聞は世界でも珍しい。

225周年記念式典でNZZ編集長のウーゴ・ビュトラー氏が語ったように、フランス革命について記事を書き、批評した新聞で現在も続いている新聞は世界でも数少ない。同紙の歴史は、NZZ本社に隣接する広場に臨時に設けられた白いテントの展示会場でも紹介されている。

いまでもモノクロ写真

 スイスのドイツ語圏で発行されている新聞には日刊紙のターゲス・アンツァインガー(発行部数25万部、創刊113年)や大衆紙のブリック(同31万部、創刊45年)などのほか、地方紙が多くある。カラー写真を載せるのが普通になっているいまでも、NZZほとんどモノクロ写真が主流だ。流行にとらわれない「お堅い新聞」というイメージから「流行遅れのおばさん」とあだ名されている。

 レイアウトなどを変えない理由は、「他の新聞がやっていることを真似ることはない。NZZはNZZらしく続ける」と、編集局次長のハンスルドルフ・カマー氏。以前からの読者や中高年層の読者を大切にしているからでもあるという。

 03年の営業収益は1億8,270万フラン(約160億円)。発行部数は16万部で、スイス・ドイツ語圏で、25人に1人がNZZを購読していることになる。「正確な報道をすることがもっとも重要で、NZZはその正確さで評価を受けている」とビュトラー編集長は語る。

従業員634人のうち記者および編集者は226人。このうち、海外に46人の特派員を派遣している。日本には1957年から支局を置き、東南アジアのニュースを報道してきた。小国スイスの新聞社としては比較的多くの記者を投入しているNZZの、報道の質を重視しようとする姿勢が伺われる一面だ。

自由の思想を貫く

  ビュトラー編集長によると「NZZは創刊以来、自由をモットーとし、これまで貫いてきた」という。

 フランス革命については支持を表明し、スイスを一時征服したナポレオンについては、いままでばらばらであった州(カントン)をまとめ、1つの国家を作り上げたことを評価した。1928年のヒトラーの演説についてNZZは、その危険性を指摘する記事を書き、第二次世界大戦に対しては、明確にドイツを批判。最終的にはドイツの同社特派員は国外追放となった。

 一方で、1968年の学生運動では、労働者や学生を厳しく批判したことから、右派の新聞としての印象を強めた。

 「流行遅れおばさん」も激変する情報社会に背を向けているわけではない。1997年からはインターネット上でのニュース配信も始めた。ビュトラー編集長は「NZZの読者はインターネットのユーザーではなく、読者でありつづけるだろう」と見ている。無料のインターネットのユーザーに対して、有料の新聞の読者にどのような説明をつけていくのか。NZZも新聞業界の共通した課題に直面している。

swissinfo 佐藤夕美 (さとうゆうみ)/ ウルス・マウラー

補足情報

1780年 チュルヒャー・ツアイトゥングとして刊行
1821年 ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥングに改名
1843年 日刊紙となる。
1913年 映画評論を開始する。
1937年 外国向け版を創刊する。
1969年 1日3度の発行を朝刊夕刊の2度に減らす。
1974年 朝刊のみの発行とする。
1997年 インターネットのサイトを開始する。
2002年 NZZゾンターク(日曜版)を創刊する。

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