ジュネーブの世界保健機関(WHO)本部
Keystone / Salvatore Di Nolfi
世界保健機関(WHO)のスイスを含む194の加盟国は、将来の感染症のパンデミック(世界的大流行)対応を定めた「パンデミック条約」の議論を始めることで合意した。
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特別会合は11月29日~1日にジュネーブで開催。その最後に合意事項を発表した。テドロス・アダノム・ゲブレイェススWHO事務局長は1日、法的拘束力のある条約を作り、現在のコロナ禍で多くの国々が利己的な行動をとった事態を繰り返さないようにするのが目標だ、と述べた。
具体的にはパンデミック下で、マスクなどの医療防護用品輸出を各国が禁止できないようにするといったルールが想定される。現在のパンデミックでは、多くの貧困国が最も脆弱な国民へのワクチン接種を待つ一方で、富裕国では既にブースター接種が始まっている。
各国が合意済みのルールに従っているかを監視するメカニズムも検討事項の1つになりそうだ。既存の監視システムはパンデミック発生後から2年間、大半の国が守らなかった。少なくとも現行のシステムより効果的なものが期待される。
ただ、制定には時間がかかる。作業部会が来年3月までに議論を開始し、2023年5月までにWHO総会への草案提出を目指す。2024年に検討する見通しだ。
テドロス氏は「長い」期間目標ではあるが、条約の「歴史的な」性質を鑑みれば(その価値を)損なうものではない、と述べた。
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