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福島原発、外国人ビザ、抹茶の教皇… スイスのメディアが報じた日本のニュース

東京電力の柏崎刈羽原子力発電所6号機は2026年4月16日に営業運転を開始した
東京電力の柏崎刈羽原子力発電所6号機は2026年4月16日に営業運転を開始した keystone

スイスの主要報道機関が6月23日~29日に伝えた日本関連のニュースから、①福島原発②外国人ビザ③抹茶の教皇、の3件を要約して紹介します。

スイスは先週、熱波の影響により、各地で最高気温を記録しました。今週は少し暑さが和らぎそうです。さて今週号のニュースレターのトップは日本の原発事情についてです。2011年の福島原発事故はスイスを含む世界が脱原発にかじを切る契機となりました。スイスもまた原発回帰の議論が進んでおり、日本の動向については随時スイスメディアが注目しています。

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福島原発事故後の日本の原子力発電

独語圏の日刊紙ターゲス・アンツァイガー(TA)は、福島第一原発事故から15年が経過した日本の原子力政策に焦点を当て、現地取材を元に柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を巡る議論を深掘りしました。

記事はまず、福島事故から15年を経て、国内33基の原子炉のうち14基が再稼働している現状に触れます。そして「あの福島第一原発事故を運営していた東京電力が、世界最大の柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を担っている」と批判的に紹介し、地域住民が不安を抱え積極的に原発反対運動を展開している、と続けました。

記事を執筆したダビッド・プファイファー記者は、柏崎市議会議員で再稼働に反対する星野幸彦氏に取材。原発事故後、国内の全原発の停止措置が取られた当時に触れ「本来、私たちはあの時正しい結論を出したはずなのに、その後方向性を見失ってしまった」という星野氏の発言を引用し、政府のエネルギー政策転換に対する批判的な視点を提示しました。娘2人、孫3人を持つ星野氏の「私は自分の子どもたちや孫たちをこの危険に晒したくない」という発言も紹介しています。

ウクライナ戦争やイラン戦争は、日本のエネルギー事情に大きな影響を及ぼしています。2025年の世論調査では44.7%が原発再稼働に賛成、26.1%が反対でした。高市早苗首相も同年に安定したエネルギー供給の必要性を強調、政府も「島国のエネルギー安全保障には不可欠」という姿勢だと指摘します。

しかし星野氏は「エネルギー危機は、原子力発電を再び完全に稼働させるための口実だ」とプファイファー記者に語りました。

プファイファー記者は現地の住民の声を伝える一方で、東電にも取材。「絶対的な安全は不可能」という点では、星野氏と東電担当者の主張はそれほど矛盾してはいない、と記事は指摘します。ただ、両者が導く結論が異なるといい「東電は原子力が今日のエネルギー問題に対する最も賢明な解決策である、と述べ、星野氏は原発は未来世代への『時限爆弾』と考える」とし、その温度差は今もなお埋まっていない、と結んでいます。

外国人ビザ手数料の値上げとオーバーツーリズム

スイスのタブロイド紙Blickは、日本が外国人ビザ手数料を大幅に引き上げるという発表を報じ、その背景と日本政府の見解、そしてオーバーツーリズムの問題について詳しく伝えました。

日本は7月1日から外国人に対するビザの発行手数料を3000円から1万5000円、つまり現行の5倍に引き上げます。

円安と物価上昇を受けた措置ですが、政府はこれは観光客数の減少にはつながらないとの見方を示していると報じました。またこの措置はマスツーリズム対策ではない、と政府が強調したことも伝えました。

記事はまた、訪日観光客の増加に伴う問題点にも焦点を当てています。観光客は地元経済を潤す一方、観光地やレストランの価格が高騰する原因にもなっている、と指摘。その解決策として日本が見出したのが「外国人と国内旅行者の料金が異なる二重価格システム」だと説明しました。

さらに、オーバーツーリズムの具体例として、山梨県の富士吉田市で桜まつりが中止された事例を挙げました。過去数年にわたり観光客がごみを散らかしたり、住民の家に勝手に入ってトイレを使おうとする人がいるなど「観光客が問題になりえることは富士吉田市も身をもって体験している」と伝えました。

記事はまた、タイでは犯罪行為に利用されることなどを防ぐため、ビザなしで滞在できる期間が60日間から30日間に短縮されたことに言及しています。

「お茶の教皇」、抹茶が欧州に広がった理由を語る

ターゲス・アンツァイガーは、抹茶をヨーロッパに広めた「お茶の教皇」ことトーマス・グローマー氏へのインタビューを掲載。抹茶の品質、価格、そして世界的なトレンドについて深く掘り下げました。

抹茶はスイスでも広く親しまれています。グローマー氏はその理由について「人々は新しいものを試したがる傾向があり、特にZ世代、そして女性はその傾向が顕著だ。抹茶はコーヒーのように神経を高ぶらせることなく、より穏やかで持続的な効果が得られる」と説明。コロナ禍で自宅で過ごす時間が増えたころから需要が急増したと続けました。

グローマー氏は、抹茶の品質について語る中で、粗悪な「フェイク抹茶」が存在し、それが健康被害につながる可能性もあると警告しています。「『抹茶』は保護された用語ではない。緑茶を細かく刻んで抹茶として販売する企業があり、それは味が劣るだけでなく、アルミニウムなどの重金属が過剰に含まれている場合がある」と指摘しました。 しかし、日本の老舗メーカーの品質に対する姿勢については、高く評価しています。「日本には数十社の本物の抹茶メーカーがあり、中には10世代にわたって製造しているところもある。彼らは世界的な評判を失うわけにはいかない。彼らはごまかすくらいなら、売り切れです、と言うだろう」とし、利益よりも品質と信用を重んじる日本の伝統的な企業文化に共感を示しました。

【スイスで報道されたその他のトピック】

米価が数年ぶりに下落外部リンク(6/25)
サッカーW杯、日本はブラジルと対戦へ外部リンク(6/26)
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話題になったスイスのニュース

グーグルはイスラエルにクラウドサービスを提供し、その一部はスイス国内の拠点でも開発・運用されているとされています。こうした技術が軍事目的に転用されている可能性が指摘されるなか、スイスの法制度は十分に対応できているのか――規制の空白を問う声が広がっています。

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校閲:大野瑠衣子

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