The Swiss voice in the world since 1935
パーソナルフィード

ログインしてフィードにトピックを追加しましょう。

今すぐ登録
お気に入りリスト

ログインして記事を保存リストに追加しましょう。

今すぐ登録

格差拡大、ディーゼル取引、死刑、スイスが報じた米国のニュース

中間選挙では、格差が大きな要因となる可能性がある
中間選挙では、格差が大きな要因となる可能性がある keystone

7日~14日にスイスで報じられた米国のニュースから、今週は格差拡大、ディーゼル取引、死刑の3件を要約してお届けします。

中間選挙が近づくにつれ、米国では政治的な駆け引きや決断が激化している。その影響は、世界の他の地域にも及ぶ。

共和党の集会で演説を聞く有権者たち
共和党の集会で演説を聞く有権者たち Keystone-SDA

富の格差拡大と所得の不平等が、来たる米中間選挙で大きな争点になるーー。そう予測したのは、スイス・ドイツ語圏の日刊紙ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング(NZZ)だ。

「一部の有権者が抱く『経済的に取り残された』という感覚が、2016年のドナルド・トランプ氏の大統領初当選を後押しした」と同紙は指摘する。「2024年の再選時も、経済的要因が決定的な役割を果たした。今度は、有権者の不満が11月3日の中間選挙で共和党に打撃を与える可能性が高い」

NZZによると、2000年代初め以降、上位20人の富裕層の資産は4倍に膨らんだ一方、中間所得層の伸びははるかに小さい。賃金格差についても同様の傾向が見られ、現政権の足かせになりかねないと同紙は指摘する。

米国の有権者は政治への疎外感も強めている。政界そのものも現状、富裕層に支配されている。

NZZは「大口献金の影響力拡大が、大企業が政治に不当な影響を及ぼせるという通説を裏付けている。一般の賃金労働者にはそれに対抗する力がほとんどない」と伝える。

近年の家賃・食料・燃料価格の上昇も有権者の不満に拍車をかけており、こうした状況は共和党の大敗を予感させる。NZZは、米国の有権者は「生活費の高騰への怒りを投票という形でぶつける」可能性が高い、とみている。

トランプ氏はガソリン価格の下落を望んでいる
トランプ氏はガソリン価格の下落を望んでいる Keystone-SDA

トランプ大統領は来月の選挙を意識し、また一つの賭けに出た。米国産ディーゼルの世界供給を制限すると脅した末に、ロシア産燃料への制裁を解除したのだ。

狙いは明らかで、ディーゼル価格を引き下げ、中間選挙までに離反した国内有権者を取り戻すことだ。

このロシアとの取引は、ウクライナへの戦費をロシアに与えるものだとして批判を浴びている。NZZによると、米国内のディーゼル価格は年初から平均70%、ガソリン価格は40%上昇している。

「欧州を再び蔑ろにしながらロシアに歩み寄るトランプ氏の真意は、依然として理解しがたい」とNZZは論じる。「最も忠実な同盟国を遠ざけ、ウクライナの苦境を深める。ロシアのディーゼル輸出量が見込み通りであっても、世界市場価格を大きく動かすことはないだろう」

フランス語圏の日刊紙ル・タンも疑問を呈する。「最大限に見積もっても、その量は米国の1週間分の消費量にも満たない。それでも、トランプ氏にとってはキーウを再び見捨てるに十分な理由となったようだ」

「ホワイトハウスの主はイランへの戦争を仕掛けることでこの状況を招いた」と同紙は指摘する。

ピート・ヘグセス氏
ピート・ヘグセス氏には、綿密に練られたコミュニケーション戦略がある Copyright 2026 The Associated Press. All Rights Reserved.

クリスタ・パイク死刑囚の死刑執行が失敗し、米国内に動揺が残るなか、ピート・ヘグセス国防長官がニダル・ハサン元少佐の死刑執行をライブ配信すると発表した。ハサン元少佐は2009年に陸軍基地で13人を射殺した大量殺傷事件を起こし、銃殺刑の判決を受けている。ヘグセス長官は12月3日の執行を一般向けにライブ配信すると表明した。

激しい反発を受け、ホワイトハウスが決定を覆す可能性も取り沙汰されているが、ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)は、ヘグセス長官の発言は直接的かつ衝撃的な手法で世論に訴えかけるという長年の戦略の一環だと分析する。

「ヘグセス氏はいかに(メディアの)見出しを作るかを心得ている。社会の一部を不快にさせるテーマに積極的に踏み込む」と、SRFは伝えた。「今回の死刑執行計画は、ヘグセス氏が世論の注目をいかに操作するかを示す好例だ」

ヘグセス氏はこれまでも軍内の「ウォーク」思想の一掃など、世論への働きかけを試みてきた。「太った人間も、トランスも、ひげも、変わり者も、意気地なしも、過激派もいらない」

「ヘグセス氏は、メッセージを分かりやすくまとめ伝える戦略を確立している」とSRFは指摘する。「トランプ氏の支持層に響く発信力こそが、彼が政権に迎え入れられた最大の理由だった」

次回のスイスが報じた米国のニュースは10月22日(木)に配信します。

スイスが報じた日本のニュースはこちらから登録お願いします。

おすすめの記事

英語からの翻訳・校正:宇田薫

人気の記事

世界の読者と意見交換

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部