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記事で振り返るスイスの2020年

2020年のスイスは、新型コロナウイルス以外にも様々な出来事があった Keystone / Jean-christophe Bott

新型コロナウイルスが猛威を振るった2020年。だが、スイスではそれ以外にも多くの重要な出来事があった。日本語サイトでよく読まれた記事を中心に、この1年を振り返る。

このコンテンツは 2020/12/30 06:00
swissinfo.ch日本語編集部

2月、モントルーで開かれたローザンヌ国際バレエコンクールでは、イタリアのマルコ・マシャーリさん(17)が優勝。表彰式のスピーチで、けがで途中棄権した同じ学校に通う山田ことみさん(17)へねぎらいの言葉をかける一幕もあった。

同月には、スイス企業によるスパイ疑惑が国内を震撼させた。スイス公共放送(SRF)などが、ツーク州にあるクリプト社がつい最近まで米中央情報局(CIA)のスパイ活動に加担していたと報じた。

スイス連邦議会はその後、9カ月にわたる同問題の調査結果を発表。SRFは最近、別のスイス企業オムニセックもCIAに加担し不正な暗号化デバイスを製造、大手銀行UBSなどに販売していたと報じ、波紋を広げている。

裕福なスイスでも借金苦

読者の皆さんはもう聞き飽きたかもしれないが、スイスは富裕度ランキング上位の常連だ。そのせいなのか、スイス人は金銭問題をタブー視し、債務超過者は誰にも相談できず借金地獄をさまようことになる。swissinfo.chは、渦中の男性に話を聞いた。

今年5月、米ミネアポリスで黒人男性が白人警官に暴行を受け死亡した事件をきっかけに、全米で抗議運動「#BlackLivesMatter(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事だ)」が起こり、世界各地へと広がった。スイスも例外ではなく、5人の若者が「スイスで受けた差別」を語った。

この運動をきっかけに、植民地主義の過去や人種差別を示す銅像の撤去を求める声もスイス国内で再燃した。

増え続ける安楽死

スイスでは年々、自殺ほう助を受け死亡する人が増加している。安楽死を希望する日本人女性の記事(2019年末配信)は今も大きな反響を呼んでいる。今年はスイスの安楽死の現状(7月)、自殺ほう助を裏側で支える「死の付添人」(12月)の記事を配信。読者の議論コーナー「安楽死、賛成?反対?」(9月配信)には今もコメントが寄せられる。

12月には、自殺ほう助で死亡した元国会議員ティス・イェニーさんのドキュメンタリー映像(SRF、2014年放送)を字幕付きで配信した。

また、日本では今夏、安倍晋三前首相が健康問題を理由に辞任。一部のスイス国内メディアは、7年8カ月の歴代最長政権をこんな風に評価した。

鉄道ファンなら押さえておきたいのが、9月に足掛け28年を経て完成したチェネリベーストンネルだ。全長15.4キロメートルで、近年の歴史では最大級となる。

2016年、トンネルが貫通した時の貴重な映像はこちら。

超僅差で明暗が分かれた国民投票

同月には重要課題が目白押しの国民投票もあった。戦闘機の新規購入、父親の育児休業導入、EUとの人の移動の自由を定めた協定破棄を求めるイニシアチブ(国民発議)など、国民生活に直結する提案が並んだ。超僅差で可決されたものもあった。

スイスの公立学校には制服がない。だからこそ起きえるトラブルなのかもしれない。仏語圏のヴォー州で10月、「恥T」と呼ばれる騒動が起こり、大きな話題になった。

よく読まれた特集ページが「スイスと植民地主義」だ。スイスは植民地を持たなかったが、列強にただ乗りして甘い汁を吸っていたーという黒い歴史を紐解いている。

スイスにはいまだ世界大戦の爪痕が残る場所が多い。ベルナーオーバーラント地方のミトホルツ村はその1つで、過去には地下の旧弾薬庫が爆発する事故が起きている。スイス政府は最近、爆発物の撤去を正式に決定した。

10年間、この地を避難することになった住民へのインタビュー記事がこちらだ。事故発生時の写真も掲載している。

日本人設計の商業施設、チューリヒ空港に

スイスには、日本人建築家が手掛けた建造物が複数ある。坂茂氏設計のタメディア本社スウォッチ・グループ本社に続き、今年11月、山本理顕設計工場が手掛けた商業・娯楽複合施設「THE CIRCLE(ザ・サークル)」がチューリヒ空港にオープンした。

ちなみにswissinfo.chの記者は昨年、スウォッチ本社が完成した際に坂茂氏を取材している。

他にも、スイスになぜ高層住宅が少ないのかを探った記事が関心を呼んだ。

国連欧州本部があるジュネーブは、時に外交紛争の舞台に発展する。その一例が中国の新疆ウイグル自治区に対する政策を発端とした、同国と欧米諸国との対立だ。

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