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記事で振り返るスイスの2020年

スイスの国旗
2020年のスイスは、新型コロナウイルス以外にも様々な出来事があった Keystone / Jean-christophe Bott

新型コロナウイルスが猛威を振るった2020年。だが、スイスではそれ以外にも多くの重要な出来事があった。日本語サイトでよく読まれた記事を中心に、この1年を振り返る。

2月、モントルーで開かれたローザンヌ国際バレエコンクールでは、イタリアのマルコ・マシャーリさん(17)が優勝。表彰式のスピーチで、けがで途中棄権した同じ学校に通う山田ことみさん(17)へねぎらいの言葉をかける一幕もあった。

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バレエダンサーのイラスト 

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ローザンヌで羽を広げるバレエダンサー

このコンテンツが公開されたのは、 10 代のバレエダンサーを取り巻く環境は、どのように変貌を遂げつつあるのだろうか?ローザンヌ国際バレエコンクールの最新情報をお届けする。

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同月には、スイス企業によるスパイ疑惑が国内を震撼させた。スイス公共放送(SRF)などが、ツーク州にあるクリプト社がつい最近まで米中央情報局(CIA)のスパイ活動に加担していたと報じた。

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スパイ疑惑、永世中立国スイスに激震

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの企業によるスパイ疑惑がスイス全土を震撼させている。スイス公共放送(SRF)などの国際合同報道で、ツーク州の株式会社クリプトが2018年まで米中央情報局(CIA)のスパイ活動に加担していたことが明らかになった。

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スイス連邦議会はその後、9カ月にわたる同問題の調査結果を発表。SRFは最近、別のスイス企業オムニセックもCIAに加担し不正な暗号化デバイスを製造、大手銀行UBSなどに販売していたと報じ、波紋を広げている。

裕福なスイスでも借金苦

読者の皆さんはもう聞き飽きたかもしれないが、スイスは富裕度ランキング上位の常連だ。そのせいなのか、スイス人は金銭問題をタブー視し、債務超過者は誰にも相談できず借金地獄をさまようことになる。swissinfo.chは、渦中の男性に話を聞いた。

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金銭問題タブーのスイス 借金地獄に苦しむ若者

このコンテンツが公開されたのは、 裕福なスイスにも借金を抱える人はいる。しかし金銭問題はタブー視され、債務者は相談をためらいがちだ。19歳から始まった借金地獄をようやく抜け出した男性(26)に話を聞いた。

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今年5月、米ミネアポリスで黒人男性が白人警官に暴行を受け死亡した事件をきっかけに、全米で抗議運動「#BlackLivesMatter(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事だ)」が起こり、世界各地へと広がった。スイスも例外ではなく、5人の若者が「スイスで受けた差別」を語った。

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5人の若者が語るスイスの人種差別

このコンテンツが公開されたのは、 世界中で異なる人種に対する姿勢を見直す動きが広がっている。スイスで肌の色が違う人々は、どんな扱いを受けているのだろうか。

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この運動をきっかけに、植民地主義の過去や人種差別を示す銅像の撤去を求める声もスイス国内で再燃した。

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銅像

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スイス、人種差別的な銅像が再び議論に

このコンテンツが公開されたのは、 米国のジョージ・フロイドさんの死後、反人種差別のデモが世界中で起こり、米国と欧州では人種差別的な記念碑をめぐる議論が再燃した。スイスも例外ではない。

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増え続ける安楽死

スイスでは年々、自殺ほう助を受け死亡する人が増加している。安楽死を希望する日本人女性の記事(2019年末配信)は今も大きな反響を呼んでいる。今年はスイスの安楽死の現状(7月)、自殺ほう助を裏側で支える「死の付添人」(12月)の記事を配信。読者の議論コーナー「安楽死、賛成?反対?」(9月配信)には今もコメントが寄せられる。

12月には、自殺ほう助で死亡した元国会議員ティス・イェニーさんのドキュメンタリー映像(SRF、2014年放送)を字幕付きで配信した。

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また、日本では今夏、安倍晋三前首相が健康問題を理由に辞任。一部のスイス国内メディアは、7年8カ月の歴代最長政権をこんな風に評価した。

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安倍首相の辞意、スイスメディアの反応は?

このコンテンツが公開されたのは、 安倍晋三首相が28日、官邸で会見し、自身の健康問題を理由に辞意を表明した。スイス国内メディアは7年8カ月に及ぶ歴代最長政権をどう評価したのか。

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鉄道ファンなら押さえておきたいのが、9月に足掛け28年を経て完成したチェネリベーストンネルだ。全長15.4キロメートルで、近年の歴史では最大級となる。

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チェネリベーストンネルでは、最高時速275キロで列車の走行試験が行われた

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計画から28年、世紀の鉄道インフラ整備が完成

このコンテンツが公開されたのは、 全長15.4キロメートルのチェネリベーストンネルの完成で、近年の歴史で超最大級となるスイスのインフラ整備プロジェクトが完了しようとしている。

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2016年、トンネルが貫通した時の貴重な映像はこちら。

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チェネリベーストンネルがついに貫通

このコンテンツが公開されたのは、 スイスはついに、南部のチェネリ山を通るトンネルの貫通に成功した。全長15.4キロメートルのチェネリベーストンネルは、欧州の南北を高速列車で繋ぐアルプス縦断トンネルの重要な一部だ。アルプス縦断トンネルで最長のものは、今年開…

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超僅差で明暗が分かれた国民投票

同月には重要課題が目白押しの国民投票もあった。戦闘機の新規購入、父親の育児休業導入、EUとの人の移動の自由を定めた協定破棄を求めるイニシアチブ(国民発議)など、国民生活に直結する提案が並んだ。超僅差で可決されたものもあった。

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スイスの公立学校には制服がない。だからこそ起きえるトラブルなのかもしれない。仏語圏のヴォー州で10月、「恥T」と呼ばれる騒動が起こり、大きな話題になった。

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Two schoolgirls

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ヴォー州、「恥T」の着用強制を禁止

このコンテンツが公開されたのは、 スイス西部・ヴォー州で、「不適切な服装」をしていた生徒に学校がぶかぶかのTシャツ着用を強制することが禁止された。生徒たちが「恥ティー」と呼んで強く抗議したためだ。

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よく読まれた特集ページが「スイスと植民地主義」だ。スイスは植民地を持たなかったが、列強にただ乗りして甘い汁を吸っていたーという黒い歴史を紐解いている。

イラスト

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スイスと植民地主義

スイスは植民地を持たなかったが、植民地主義を取る列強と歩調を合わせるように経済活動を進めた。そして土地や資源を軍事的に所有する国々にただ乗りする「フリーライダー」として恩恵を得た。

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スイスにはいまだ世界大戦の爪痕が残る場所が多い。ベルナーオーバーラント地方のミトホルツ村はその1つで、過去には地下の旧弾薬庫が爆発する事故が起きている。スイス政府は最近、爆発物の撤去を正式に決定した。

10年間、この地を避難することになった住民へのインタビュー記事がこちらだ。事故発生時の写真も掲載している。

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施設の正面入り口

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爆薬眠るスイスの村 緊張漂う静けさ

このコンテンツが公開されたのは、 今から約70年前、スイスのミトホルツ村で弾薬庫が爆発し、当時としては世界最大の非核爆発事故が起きた。それ以降は危険がないとされてきたが、事態は2018年に急転。連邦国防省は昨冬、村を10年間閉鎖すると発表した。

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日本人設計の商業施設、チューリヒ空港に

スイスには、日本人建築家が手掛けた建造物が複数ある。坂茂氏設計のタメディア本社スウォッチ・グループ本社に続き、今年11月、山本理顕設計工場が手掛けた商業・娯楽複合施設「THE CIRCLE(ザ・サークル)」がチューリヒ空港にオープンした。

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ザ・サークル

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チューリヒ空港に日本の設計事務所手掛けた複合施設がオープン

このコンテンツが公開されたのは、 日本の山本理顕設計工場が手掛けたチューリヒ空港の商業・娯楽複合施設「THE CIRCLE(ザ・サークル)」が5日、一般向けにオープンした。国内が新型コロナウイルスの第2波に見舞われる中でのスタートとなった。

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ちなみにswissinfo.chの記者は昨年、スウォッチ本社が完成した際に坂茂氏を取材している。

他にも、スイスになぜ高層住宅が少ないのかを探った記事が関心を呼んだ。

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バーゼルのながめ

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スイスに高層住宅が少ない理由

このコンテンツが公開されたのは、 スイスには高層住宅が比較的少ない。 1960~1970年代に第一弾の建設プロジェクトが相次いだが、すぐに評判を落とした。2010年代に入ってから再び新しい高層住宅が少しずつ建設されるようになった。

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国連欧州本部があるジュネーブは、時に外交紛争の舞台に発展する。その一例が中国の新疆ウイグル自治区に対する政策を発端とした、同国と欧米諸国との対立だ。

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中国の故・毛沢東国家主席の像のそばに座るウイグル民族の人々。中国の新疆ウイグル自治区カシュガルにて撮影

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ウイグル問題 中国と欧米諸国が国連で対立

このコンテンツが公開されたのは、 中国が少数民族のウイグル族に対して新疆ウイグル自治区で行う弾圧行為を欧米諸国が非難。ウイグル問題をめぐり、中国と欧米諸国との間で、国連を舞台にした外交戦争が繰り広げられている。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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