牛乳缶ランド・アート体験記

スイスとフランスにまたがるジュラ山脈に牛乳缶でランド・アートを創る写真家がいる。気持ちよく晴れ上がったある日、彼が夏の間暮らす山小屋に出かけてインスタレーションを手伝った 。
牛乳缶ランド・アートは体力がいる。まずは腹ごしらえ。季節の果物と野菜。それに美味しいフランスのパン! チーズは放牧牛のミルクだけを使ったフロマージュ・ダルパージュ。草の香りが口中に広がる。


インスタレーションは、まずこんなふうに牛乳缶を運んで並べていく。

ぎゅうぎゅう詰めの荷車から解放されて牛乳缶も嬉しそう。

あともう少し。笑っているけど実はちぎれそうな腕の痛みを必死でこらえている私。

ランド・アーティストで写真家のジェラール・ブノアさんがインスタレーションをチェック。牛乳缶は1メートル間隔で並べられ、蓋の開け方によって牛乳缶の表情が変わる。

完成。牧草地に並ぶ牛乳缶たち。青空の下、草の上に座って彼らを見ているとこちらまでニンマリ。幸せを運ぶ牛乳缶ランド・アート。

ジェラールさんはBidon San Frontier(国境のない缶)と名付けた牛乳缶ランド・アートのパフォーマンスを主にスイスやフランスでやり写真を撮ってきた。


牛乳缶を積み込んだトレーラーを四駆の車で引っ張って何処へでも行く。これまで集めた牛乳缶は350あまり。

モロッコの砂漠でも牛乳缶を並べた。

ジェラールさんは牛乳缶に惚れ込んでいる。寝ても覚めても牛乳缶。朝起きるとすぐ自宅前に飾ってある牛乳缶の様子を見に行く。近々シンガポールでもランド・アートを創るそうだ。日本でも是非やってもらいたい。桜や紅葉の下、水田に並ぶ牛乳缶たち、素敵だろうな。
麓絵里(ふもとえり)
大阪生まれ、奈良育ち。1990年よりスイス在住。証券会社、新聞社、製薬会社勤務を経て現在、創造性やグループ・インテリジェンスを育てるコーチ、ファシリテーター。コーチング・メンタリング修士(Oxford Brookes University)、PMP (Project Management Professional)、Time to Think Ltd. (UK) Facilitator.

JTI基準に準拠
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。