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スイスの子どもの名前 規制が厳しいって本当?

シリーズ 嘘?本当?, エピソード 6:

読者から「スイスでは子どもの名づけに関して、他国より厳しい規制があると聞いたが本当か」との質問が寄せられた。答えは少し複雑だ。

スイスはルールや正確さで知られる国だが、子どもの名前に関して言えばそれほど単純な話ではない。

子どもの利益が最優先

スイスでは、原則として親は子どもの名前を自由に選べる。スイスの市民身分施行令外部リンク(日本の戸籍法に相当)によると、出生届を受理した自治体の担当者は新しい名前が明らかに子どもの利益を損なう場合にのみ、名前を却下できる。この原則は意図的に大きな裁量余地を残しており、当局が介入できるのは限られた状況に限られる。争いが生じた場合は裁判所が判断を下す。

スイス連邦身分登録局のダービット・リュエッチ局長は「スイスの法律では、子どもの名前は有害であってはならない。他人の権利を侵害することもできない。例えば、ブランド名の使用は認められない」と説明する。

また、名前はラテン文字で表記する必要があり、記号や数字、独自に作成した文字などは認められない。

米実業家イーロン・マスクと息子のX Æ A-Xii
米実業家イーロン・マスクと息子のX Æ A-Xii Copyright 2025 The Associated Press. All Rights Reserved

名前の承認は各地の身分登録事務所で個別に判断される。多くの場合は問題なく承認される。問題が生じた場合、当局は通常、親との対話を通じて解決策を探る。裁判に発展することはまれだが、争いが起こると手続きは長期化する可能性がある。

「裁判になった場合、最終判決まで3~5年かかることもあり、その間、子どもは法的に認められた名前を持てない」(リュエッチ氏)

国際比較 隣国では原則スイスと同じ

他国ではどうか。「ドイツ、イタリア、フランス、オーストリアでは、基本的な原則はほぼ、スイスと同じだ」。一方で、特にアメリカの特定の州やイギリスでは、はるかに自由度が高い。反対に、アイスランドのように承認された名前のリストを公式に設けている国もある。

アメリカでは一部の州で、親が子どもに個性的な名前を付ける自由が広く認められている。例えば、実業家イーロン・マスクは子どもに「X Æ A-Xii(エックスアッシュエートゥエルブ)」という珍しい名前を付けた。ほかにも「レミントン」や「コルト」など、銃器メーカーの名前を子どもに付ける例もある。

スイスでは以前、性別が明確な名前であることが求められるなどの制限があったが、移民の増加や文化的多様性の影響もあり、現在では柔軟性が増している。

結論として、スイスは子どもの名づけに関して特に厳しい国ではない。親には幅広い自由があり、制限があるのは子どもの利益を守るための特定の場合に限られる。どこの国を比較対象とするかにもよるだろう。

編集:Marc Leutenegger情報提供:Claire Micallef英語からの翻訳・編集:大野瑠衣子

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