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サラ・マイアー、初優勝

サラ・マイアーは11年の競技生活にピリオドを打ち、幕を華麗に閉じた AFP

ベルンで開催されているフィギュア欧州選手権、競技最終日の1月29日に、スイスのサラ・マイアー ( 26歳 ) が女子シングルスで初優勝を飾った。

前日のショートは3位。フリーのエントリーは最後で、マイアーの劇的な逆転優勝となった。

ランビエールのお祝い

 フリーの演技には黒い衣装で臨み、きりっとした印象を与えながら、3回転ジャンプを5回決めるなど力強い舞いを披露。ミスはほとんどなく、美しいピルエットのエンディング直前に感情がこみ上げて表情が崩れた。そして、演技が終わると黒い手袋をはめた両手で顔を覆った。

 満足のいく演技ができただけではなく、これはマイアーの競技生活最後の演技でもあった。しかも、自国スイスで開催された欧州選手権大会。観客はマイアーの一挙一動を見守り、拍手の嵐を何度も送った。マイアーはこの後プロに転向し、ショーの中で銀盤を舞う。

 すでにプロに転向したステファン・ランビエールも会場でマイアーを見守っていた。優勝が決まった後、テレビカメラを前にマイアーにインタビューし、

「フリーが始まる前に僕に『緊張で死にそう』って言ったけど、死ななくてよかったね。優勝したんだよ!」

とマイアーの肩を抱き寄せた。

弱虫になりたくない

 マイアーは2007年、2008年と欧州選手権で銀メダルを獲得している。しかし、その後は故障続きで不調だった。競技生活最後となる今回の選手権を前に、マイアーはスイスインフォに対し次のように語った。

「今は感傷的な気持ちをブロックして、普通の大会のときと同じように準備をするよう心がけている。一方でこれが最後だと思うと、闘う意欲もわく。5位以内に入れば満足。もちろんメダルを取りたいけれど、現実的に無理だと思う」

 そして、優勝が決まった後のスイス国営テレビ局ドイツ語放送のインタビューでは

「この瞬間をずっと夢見てきた。明日の朝起きて、やっぱり夢だったなんてことがなければいい」

 とまだ信じられない様子だった。

 また、故障が続いていたときに引退を考えたかという問いに対して

「もちろん考えた。でも、闘わずにあっさりと引き下がるのはわたしにとって最悪のこと。弱虫にはなりたくなかった」

 と負けん気の強さを示した。一方で、

「観客の応援が素晴らしかった。スタンディング・オベーション ( 総立ち ) は初めての経験で…」

 と声を詰まらせる場面もあった。

 この後マイアーは、2月3日からランビエールや荒川静香らとともに、スイスのアイスショー「アート・オン・アイス ( Art on Ice ) 」に出演する。

男子シングルス

1.  フローラン・アモディオ ( フランス ) 226.86

2.  ブライアン・ジュベール ( フランス ) 223.01

3.  トマシュ・ベルネル ( チェコ ) 222.60

4. ケヴィン・ヴァン・デル・ペレン ( ベルギー ) 216.59

5. アルトゥール・ガチンスキー ( ロシア ) 216.07

女子シングルス

1. サラ・マイアー ( スイス ) 170.60

2. カロリーナ・コストナー ( イタリア ) 168.54

3. キーラ・コルピ ( フィンランド ) 166.40

4. クセニア・マカロワ ( ロシア ) 162.04

5. アリョーナ・レオノワ ( ロシア ) 154.31

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