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建国250年、AI国家資本主義、FIFA疑惑…スイスが報じた米国のニュース

ドナルド・トランプ大統領(左)とFIFAトップの「1本の電話」に批判が集中している
ドナルド・トランプ大統領(左)とFIFAトップの「1本の電話」に批判が集中している keystone

スイスのメディアが8日までの1週間に報じた米国のニュースから、建国250年、AI国家資本主義、FIFA疑惑の3本について要約してお届けします。

「アメリカン・ドリーム」とは何か
「アメリカン・ドリーム」とは何か?建国250周年を迎えた米国が正念場に立たされている Copyright 2026 The Associated Press. All Rights Reserved.

7月4日、米国は建国250周年を迎えた。スイスの論者たちはこの節目を機に、「アメリカンドリーム」の本質を問い直している。

独語圏の日刊紙ターゲス・アンツァイガー(TA)に寄稿した政治学者クラウディア・フランツィスカ・ブリュフヴィラー氏は、カジノで幸福を追い求めることは建国の父たちの意図ではなかった、と指摘する。

「物質的な夢が手の届かないものになり、生存への不安が募るとき、根本的な価値への回帰は不可欠だ。まさにその展望が、今の米国人には欠けている」と同氏は書く。「コミュニティーの中に、あるいはコミュニティーへの奉仕の中に幸福を見出す人はほとんどいない。自己向上の一部としての、大小さまざまな奉仕の行為への敬意が失われている」

フランス語圏の日刊紙ル・タンのボリス・ビュスランジェ記者も同様の問いを立てる。米国は「自国の歴史や制度をほとんど顧みない大統領の支配のもとで250周年を祝っている」と述べ、「共通善のために働いてきた一方で、敵意と荒廃をもたらしてきた」矛盾を抱える国だと評する。

同記者はさらに「最善も最悪も成し遂げられるこの偉大な移民の国は、強力な夢の製造機にも、恐ろしい災厄にもなり得る」と記した。

ただ同記者は、トランプ大統領の影響力にも限界があるとみる。「国民は自らの権利を手放すつもりはなく、それが大統領を苛立たせている」という。

サム・アルトマンとトランプ大統領
米オープンAIのサム・アルトマン氏(左)とトランプ大統領 Copyright 2026 The Associated Press. All Rights Reserved.

米国はこれまで、政府の直接介入を比較的排除した開放的な経済を誇りとしてきた。しかしAI(人工知能)企業の台頭が、その原則を揺るがしつつある。

AIは、雇用や社会、国家安全保障に対する脅威として捉えられることがある。トランプ政権はこの脅威を深刻に受け止めており、最も高性能なAIモデルへの外国からのアクセスを制限している。

こうした中、米AI企業オープンAIの最高経営責任者(CEO)サム・アルトマン氏が、ホワイトハウスの歓心を買うためとみられる提案を行ったと報じられている。同社の株式5%を米政府に提供するというもので、将来の利益が国庫に流れる仕組みだ。

この動きに、独語圏の日刊紙NZZは強い警戒感を示した。「国家が企業に出資すれば、『自国』の企業を優遇するリスクが常に生じる」と同紙は指摘する。「国家はもはや審判ではなく、プレイヤーになってしまう。所有者と規制者を兼ねるこの二重の役割は、競争にとって有害だ」

NZZはトランプ政権に対し、AIが社会に与える影響を管理する規制の整備に専念し、競争環境の中で強い企業を育て、法人税収を得る方策を取るべきだと主張。「米政府はアルトマン氏の提案を断るべきだ。これまで米国は国家資本主義なしでうまくやってきた」と結論づけた。

サッカー米国代表フォラリン・バログン選手をめぐる処遇が議論になっている
サッカー米国代表フォラリン・バログン選手をめぐる処遇が議論になっている Copyright 2026 The Associated Press. All Rights Reserved.

ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)技術よりも、電話一本の方が強かった——そんな皮肉な事態が起きた。

トランプ大統領とFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長との間の一本の電話で、サッカー・ワールドカップでレッドカードを受けた米国代表FWフォラリン・バログン選手の出場停止処分が覆り、ベルギーとの重要な一戦に出場できることになったと報じられている。この件が世界的な批判を呼んでいる。

NZZのセバスティアン・ブロイアー記者は「サッカーというゲームは、ファウルやオフサイドの判定がスタジアムで、あるいはVARによって下されるという幻想の上に成り立っている。だがそれは、少なくともホワイトハウスではない」と皮肉を込めて論評した。

フランス語圏の日刊紙ル・マタンのロバン・カレル記者は、今回の騒動がサッカーによる国際的な連帯という幻想を打ち砕いたと述べ、「FIFAはまたしても車輪を再発明した。今度は粗野かつ滑稽な形で、すべてを壊すための車輪だ」と批判した。

ブロイアー記者はさらに偽善を指摘する。FIFAはつい最近、ネパールとコンゴ・ブラザビルのサッカー協会に対し、サッカーへの政治介入を理由に資格停止処分にしたばかりだからだ。

ターゲス・アンツァイガーのトーマス・シッフェルレ記者は、トランプ・インファンティーノ両氏の介入を米スイス関係の悪例と断じ、「何より今回の件は、かねてから明らかなことを改めて示した。インファンティーノ氏はFIFA会長として不適格であり、本来ならば解任されるべきだ」と書いた。

次回の「スイスが報じた米国のニュース」は7月16日(木)に配信します

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英語からの翻訳・校正:宇田薫

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