マドンナ 50歳の世界ツアー スタート
50歳の誕生日を迎えたマドンナは、50回公演を世界15カ国で行うコンサートツアー「スティッキー&スィート・ツアー」を、8月23日イギリスのカーディフからスタートさせた。
スイス公演は8月30日。スイスでは初めてとあって、チケットは販売開始後3時間でほぼ完売された。
絶えず挑発的
「7万3000人の観客を予定している。2006年のローリング・ストーンズのコンサートより5000人は多くなる」
とスイス公演の主催者、ステファン・ルップ氏はランス語圏の日刊紙「ル・マタン ( Le Matin ) 」のインタビューで熱っぽく答えている。
スイスでは「どんなマドンナ」を演出してくれるのだろうか?セックスアピールいっぱいに登場?サド・マゾ風に鞭を持って現れる?「ABBA」の音楽に乗ってサーフィンする感じ?ロリータ風のパンク?カウボーイガール?マリリン・モンローの後継者?恐らくこうした要素を少しずつ全て含んだマドンナというのが正解ではないだろうか?
「スティッキー&スィート・ツアー ( Sticky & Sweet Tour ) 」は文字通り訳すと「ねばねばとべとつく、甘いツアー」ということになるが、それが暗示する多様な意味は、ファンのそれぞれの解釈に任せるとして、公演はロックの曲にのったダンスからなる4つの「旅」で構成されることになりそうだ。
第1部の「ギャングスター・ピンプ ( Gangsta Pimp ) 」では1920年代のギャング風の売春宿主の世界、2部「オールド・スクール ( Old School ) 」ではニューヨークの1980年代の様子、3部「ジプシー ( Gypsy ) 」ではジプシーの流入、4部「レイブ ( Rave ) 」ではテクノダンスへの極東の影響を表現する。
絶えず挑発的なマドンナはこの4つの旅の最後に、アメリカ大統領候補のジョン・マケイン上院議員をヒットラーに例えたりもしていると、ル・マタン紙は報道している。
かつてのスイス空軍飛行場で
ところで、スイス公演が行われるのはチューリヒ近くの歴史的な場所デューベンドルフ ( Dübendorf ) 。ここは1914年にスイス空軍の飛行場としてスタートした。
「当時9人のパイロットが、自分の飛行機と技術者を引き連れて志願した」
と、連邦国防省( VBS/DDPS )のサイトには記されている。
今のチューリヒ空港ができる1948年までは民間機も利用していた。その後2006年までは軍の飛行場として重要な役割を果たし続けた。2007年には、発明家ベルナール・ピカール氏が世界初のソーラー飛行機の試運転を行った場所でもある。
こうした軍事的に重要だった場所にマドンナは250人のスタッフ、16 人のダンサー、12人のミュージシャンを引き連れて乗り込んでくる。そして公演中には、8回衣装を変え、50歳とは思えない鍛え抜いた筋肉だけのスリムな体で踊るという。
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1958年8月16日、アメリカ、ミシガン州ベイシティ ( Bay City ) で生まれる。本名はルィーズ・ベロニカ・チッコーネ。父はイタリア人で技術者。母はフランス系のカナダ人だが、ルィーズが6歳の時、亡くなる。その後ミッション系の寄宿学校に送られる。
1978年、35ドルをポケットにニューヨークに出る。最初はダンサーを志すが、音楽の方向に進む。初めてのアルバム「エブリィボディ ( Everybody ) 」は1982年に出る。
1984年、「ライク・ア・ヴァージン ( Like A Virgin ) 」でデビューし、押しも押されぬスターの座に着く。
ほとんどのアルバムが大ヒットを飛ばす。2008年5月の「ハード・キャンディ ( Hard Candy ) 」もその1つ。映画監督としても活躍し、2008年には「猥褻と美徳」を撮影している。
資産は約6億1500万フラン ( 約615億円 ) 。販売レコード数2億枚。世界で一番人気のある歌手といわれる。また、年収は7200万フラン( 約72億円 ) と見積もられ、収入が一番多い音楽家のトップに位置する。
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