「人口1000万人のスイスに反対」否決、海外メディアの反応は?
14日の国民投票で右派政党提案の「人口1000万人のスイスに反対」イニシアチブ(国民発議)が否決されたことについて、国外メディアはスイスの有権者が「経済的安定と欧州との関係」を選択したと受け取った。
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保守右派・国民党(SVP/UDC)が提起したイニシアチブは投票前の論戦段階からすでに国際メディアの注目を集めていた。そして否決されたという結果もまた、大きな反響を呼んだ。
多くのメディアは、移民を大幅に制限することで人口を1000万人に抑えるという、前例のない提案であることに言及した。スイスの人口は現在910万人だ。
フランスの日刊紙ル・モンド外部リンクは「スイスは6月14日、世界で初めて人口に上限を設ける国にはならなかった」と指摘した。
英紙ガーディアン外部リンクも、多くの国が移民を制限しているものの、国民投票で人口上限の設定を試みた国はこれまで存在せず、この投票はそうした前例のない試みを国民投票にかけたという意味で、国際的な意義を持つと述べた。
欧州をめぐる議論の中心に
多くの海外メディアが、今回の投票を欧州連合(EU)との関係という観点から分析した。ル・モンドは、この法案に反対していた連邦政府にとって、イニシアチブの否決が「真の安堵」をもたらしたと報じている。「もし可決されていれば、複雑であることの多いスイスとEUを結ぶ一連の二国間協定を、数年後には破棄せざるを得なくなる可能性があった」
英経済紙フィナンシャル・タイムズ外部リンクも同様の論調で、今回の結末は「スイスとEU間の協定に重くのしかかっていた差し迫った脅威を取り除いた」とした。今回の投票結果が、ベルンとブリュッセル間の新たな協定パッケージの実施を促進するとみる。スイスとEU27カ国との関係の近代化を目指す二国間協定は、スイスにおける次の主要政治課題となる。これは秋に議会で審議され、2028年に国民投票にかけられる見通しだ。
スペインの日刊紙エル・ムンド外部リンクは、今回の投票には「重要な欧州的側面」があったと指摘している。人の自由移動に疑問を呈することは、EUとの関係を弱体化させることになっただろうとみる。「EUは依然としてスイスの主要な貿易相手国であり、関係断絶は経済や企業にとって不確実性をもたらしただろう」と強調する。
経済と安定を最優先
ドイツのメディアは、この法案が可決された場合に生じ得た経済的影響に焦点を当てた。独紙フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)外部リンクは「人口の厳格な上限導入にスイス国民が反対を表明したことで、スイス経済は安堵のため息をついた」と報じた。同紙は、スイス経済が外国人熟練労働者に大きく依存していること、また企業側が人材不足や魅力の低下を懸念していた点を強調している。
また同紙は、スイスの主要輸出市場へのアクセスが徐々に損なわれるリスクにも言及している。このイニシアチブは、最終手段として連邦政府がEUとの人の自由移動に関する協定を破棄することを想定していた。「いわゆるギロチン条項により、輸出企業にとって極めて有利な、EUとのその他の重要な二国間協定のいくつかが無効化されることになっていた」とFAZは指摘する。
ARD(ドイツ公共放送連盟)外部リンクもまた、人の自由移動協定が破棄された場合の影響を強調した。「EU非加盟国であるスイスが主要な貿易相手国と築いてきた緊密な関係に、甚大な影響を及ぼす可能性があった」
アラビア語圏の日刊紙アシャールク・アル・アウサト外部リンクも、スイスの有権者が経済的安定と欧州連合(EU)との結びつきを優先した、という論調を展開した。
この投票は、対外関係に及ぼす潜在的な影響が大きいことから英国のEU離脱に関する国民投票(ブレグジット)に頻繁に例えられた。
移民問題、なお懸念
多くの海外メディアは、この投票を移民をめぐる世界的な議論の文脈に位置づけている。ポルトガルの日刊紙エクスプレッソ外部リンクは、人口の高齢化や反外国人感情の高まりという状況下で、移民問題は依然として欧州におけるデリケートなテーマだと指摘している。「他の欧州諸国では、こうした感情が発展途上国からの移民に集中しているのに対し、スイスにおける外国人の大半は欧州人だ」とし、スイスの議論の特異性を強調している。
イタリアの新聞コリエーレ・デラ・セラ外部リンクは、スイスの人口動態について触れた。「ここ数年、スイスでは人口が急増している。住民の32%が外国出身であり、この割合を上回るのはOSCE加盟国の中でルクセンブルクとオーストラリアだけだ。人口は、EUとの自由移動協定が発効した2003年の720万人から、現在では910万人に増加した」
ロシアの経済紙ヴェドモスチも移民問題について、専門家の見解を引用して報じている。ロシア科学アカデミー欧州研究所の研究者ウラジーミル・シュヴァイツァー氏によれば、人口制限という考えは、一部スイス社会が自国の文化環境、そして安心を維持したいという強い関心を持っていることの表れだ。移民に関する不安の一部は、国際情勢や移民の出身地域における武力紛争によって助長されていると指摘する。
一方、研究者のオルガ・トロフィモワ氏は、反移民感情は社会的・経済的要因、特に労働市場における競争にも根ざしていると強調する。その感情が「アフリカや中東からの移民だけでなく、ウクライナ人にも」及んでいると述べている。
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編集:Samuel Jaberg、英語からのAI翻訳・編集:宇田薫
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