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スイスの民主主義

中間選挙と民主主義、新しい国立公園、政治的ハンバーガー…スイスが報じた米国のニュース

ハンバーガーが政治闘争に発展?
ハンバーガーが政治闘争に発展? keystone

スイスのメディアが21日~27日に報じた米国のニュースから、今週は中間選挙と民主主義、新しい国立公園、「政治的ハンバーガー」、の3件を要約してお届けします。

米国を訪れるたびに、私はいつもダイナーやバーガー屋で食事するのを楽しみにしている。スイスでは、大きくて美味しいハンバーガーを見つけるのは難しく、たとえ見つけたとしても30フラン(約5700円)以上はする。しかし、安価な米国のハンバーガーの時代は終わったのか?牛肉の供給が不足し、需要は相変わらず高いまま。価格は上昇している。政治的な影響も懸念されている。

有権者
ニューヨーク州ヘイバーストローの期日前投票所で、有権者たちが投票用紙を受け取るのを待っている Copyright 2026 The Associated Press. All Rights Reserved.

スイス・フランス語圏の日刊紙トリビューン・ド・ジュネーブは、中間選挙を来週に控えた米国の民主主義は歴史的な後退を余儀なくされている、と分析した。

11月3日の中間選挙を目前に控え、米国の民主主義はどのような状況にあるのか?27日付のトリビューン・ド・ジュネーブは「極めて深刻な状況だ」と、複数の独立系研究機関の調査結果を引用して報じた。「V-Demの民主主義に関する主な報告書によると、米国の民主主義は今年、史上最も急激な低下を記録した。そのスコアは1965年の水準にまで後退している。マーティン・ルーサー・キング・ジュニアが街頭でデモ行進し、マイノリティの選挙権がようやく確立されたばかりの時代だ」

特に問題なのは、議会や司法による行政府への監視機能が欠如している点だという。「第2次ドナルド・トランプ政権下において、権力は大統領の手に集中し、大統領令による統治がますます進んでいる」と同紙は続ける。「共和党が支配する議会は、大統領に対してほとんど抵抗しない。議会は、監督権や予算権限の大部分を行政に譲り渡してしまった。最高裁判所もまた、しばしば大統領に有利な判決を下している」

こうした権力分立の弱体化に加え、同紙はトランプ氏が法の支配への攻撃、政権内の人事粛清、抗議活動への弾圧を含む表現の自由への攻撃などを通じ、独裁政治への流れをさらに悪化させていると指摘した。

「その結果、自国の民主主義がもはや他国にとって良いモデルではないと考える米国人が増えている。ピュー・リサーチ・センターの世論調査によると、69%が自国における民主主義の在り方に不満を抱いている。多くの人々が政治指導者への信頼を失っている」

同紙によると、民主主義とその制度に対するこうした不満が、現在、有権者の動員を後押ししている。「11月3日の投票率は高くなることが予測されている。これは特に民主党に有利に働く可能性が高い。米国人のほぼ半数が、自身の投票を『トランプ反対』であると明確に認識している」

同紙は、中間選挙はこれまで現職大統領への信任投票としての役割を果たしてきたが、政治学者たちは今回の選挙を米国の民主主義の将来にとって決定的な転換点と見なしていると結論づけた。「今回の選挙は、穏健派の政治勢力が影響力を取り戻しつつあるのか、それとも民主主義の仕組みの解体が続き、もはや食い止めることが不可能になるのか、それを示すことになるだろう」

牛
テキサス州で行われた家畜の競売。全米で牛の供給不足が続いており、価格が上昇している Epa

「米国人はもはやハンバーガーを買う余裕さえほとんどない」。このような懸念を込めた見出しを掲げたのはスイス・ドイツ語圏の日刊紙ノイエ・チュリヒャー・ツァイトゥング(NZZ)だ。同紙の記者がワイオミング州を現地取材し、ハンバーガーがなぜ政治的な問題となったのかを解説した。

「人口6000人の小さな町トーリントンでは、この曇り空の日でさえ、再び過去最高に近い価格が付けられている」。NZZは牛の競売会場の様子をそう報じた。「体重300kgまでの小型の子牛が特に人気だ。手作業で去勢され、予防接種も完了した高品質の若いアンガス種の去勢牛は、2500ドルで落札されることもある。しかし、基本的にどの牛もよく売れている」

価格高騰の理由ははっきりしている。牛の頭数が歴史的な低水準にあるからだ。NZZによると、特に干ばつの影響が大きく、米国の牛の頭数がこれほど少なかったのはほぼ80年ぶりだ。

「しかし、牛の不足は単に価格を押し上げているだけではない。米国人にとっては日常生活の根幹を揺るがす問題だ。この国には肉が必要なのだ。ファストフード、何と言ってもハンバーガーはこの国では事実上の主食だ。アメリカン・ドリームを食の形で体現したもの――19世紀の欧州では肉は上流階級の特権だったが、米国では畜産業が急成長していた。わずか数セントで、ハンバーガーはすべての労働者の空腹を満たした。しかし今日、誰もがそれほど簡単にそれを手に入れられるわけではない」

その結果、ハンバーガーが政治的な争点となった。中間選挙では、物価の高さが最大の争点となっている。「議論の多くはガソリン価格に集中し、有権者にとって懸念材料となっている。しかし、少なくとも一部の共和党員は、この問題に関しては大統領を容認する姿勢を見せている。イランでの戦争がガソリン価格に影響を与えているとしても、それは結局のところ、彼らから見れば米国、すなわち『大悪魔』をも脅かす専制的な政権に対するものだからだ。しかし、ビッグマックに関しては、彼らの理解もそこで限界を迎える」

NZZは、トランプ氏はこのことを承知しており、だからこそ牛肉の輸入規制を緩和し、いわゆる「赤身牛肉の切り落とし」(ミンチ肉を作る際に使われる部位)に対する関税を一定量について一時的に停止する大統領令に署名したと説明した。例えばブラジル産の安価な赤身牛肉を輸入することで、価格引き下げを狙っているのだ。

トランプ氏が8月に決定したこの措置は、90日間有効だ。「つまり、ほぼ中間選挙が終わるまでということだ。その真意ははっきりしている。それがうまくいくかどうかはまた別の問題だが」

チリカワ公園
チリカウワ国立公園 National Parks Service

アリゾナ州南東部のチリカウワが先週、米国で64番目の国立公園に指定された。しかし、22日付のル・タンは、この発表には環境保護団体から批判の声が相次いでいると報じた。現場の実情とはかけ離れた、広報目的のパフォーマンスにすぎないというのだ。

「アリゾナ州の宝ともいえる場所に光が当たり、より多くの観光客を迎え、地域経済を活性化できる」と、ダグ・バーガム内務長官はこの決定を歓迎した。マーク・ケリー上院議員(民主党、アリゾナ州選出)も、党派を超えた珍しい支持を示し、こう語った。「この場所を守り、子どもたちや孫たちが楽しめるようにしようと運動してきたすべての人々にとって、これは勝利だ」

しかし、ル・タンは、「自然保護活動家たちは、まだシャンパンを冷蔵庫から出す気になれない」と冷静だ。その理由は2つあるという。

第一に、実質的には何も変わっていないことだ。面積49㎢のチリカウワ国立公園は、米国の国立公園では4番目に小さい。国立公園指定に伴う区域の拡大はなく、それまで認められていた自然保護の水準も変わっていない。さらに、観光客の増加が見込まれるにもかかわらず、管理のための追加予算も配分されていない。「したがって、環境保護の面で大きな前進とはいえない」という。

第二に、トランプ政権下の政策がそのまま続いていることだ。国立公園の保護に取り組む独立組織、国立公園保全協会(NPCA)の法務責任者クリスティーナ・ハザード氏は、これらの公園を適切に維持管理するには、「国立公園局(NPS)の職員数と予算を回復させる必要がある」と指摘した。

ル・タンによると、第2次トランプ政権下で、国立公園局の職員数千人が職を失った。全国各地で施設やインフラの老朽化・劣化が進む一方、政権はワシントンD.C.の公営ゴルフ場の物議を醸す改修工事や、同じく首都で進められたリフレクティング・プール(反射池)のずさんな改修計画などを優先しているという。

「アリゾナ州の国立公園は崩壊の瀬戸際にある。それにもかかわらず、限られた資源を来園者の安全確保やその他の公園の課題への対応に投じる代わりに、バーガム長官はワシントンで大統領肝いりの事業の改修を監督している」と、全米公園レンジャー協会は批判した。

「100年以上にわたって自らの省が管理してきた公園の維持を怠りながら、新たな国立公園の誕生を誇らしげに宣伝するなど、到底許されることではない」

次回のスイスが報じた米国のニュースは11月5日(木)に配信します。

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英語からの翻訳・校正:宇田薫

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