イラン核合意から11年 米国とイランは「出発点に回帰」
スイス・ルツェルン州ビュルゲンシュトックで19日、米国とイランの外交官が会談し、イラン核問題に関する新たな交渉の章を開く。これは、2018年にドナルド・トランプ米大統領が離脱したイラン核合意に類似した文書につながる可能性がある。
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米国とイランの代表は19日、スイス中央部ルツェルン州ビュルゲンシュトックで会合し、17日夜に署名された戦闘終結に向けた覚書(MOU)の履行に関する初期交渉を開始する。交渉には仲介役のパキスタンとカタールが加わる。代表団の構成は明らかにされていない。
数週間にわたる交渉の産物であるこの覚書は、署名直後に公開された。覚書は最終合意に向けた主要原則を定めている。この詳細について、今後60日間交渉が続けられる予定だ。
これには、世界経済に混乱をもたらしたホルムズ海峡の再開や、レバノンを含む全戦線での軍事行動停止(同地ではイスラエルとヒズボラの戦闘が続いている)が含まれる。米国の制裁解除とイランの核問題も盛り込まれている。
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スタート地点に回帰
19日の会談は、イラン核問題で新たな交渉が始まることを意味するが、その結果は依然として大きく不透明であり、すぐに成果は出そうにない。
核軍縮の専門家でジュネーブ安全保障政策センター(GCSP)の研究者マルク・フィノー氏は「これは出発点への回帰だ」と話す。
トランプ氏はこの覚書を「イランが将来的に核兵器を持つ可能性を完全に防ぐ防壁」と表現した。また2015年にバラク・オバマ前大統領のもとで結ばれたウィーン合意(JCPOA)とは「正反対」だと述べた。トランプ氏によれば、ウイーン合意は「弱すぎ」、イラン側に有利だった。
フィノー氏は「2015年の合意は非常に詳細で、双方の信頼を前提とし、検証システム、査察、国際社会、国連安全保障理事会、国際原子力機関(IAEA)の強い関与に基づいていた」と話す。
イラン、米国、中国、フランス、英国、ロシア、ドイツの間で締結されたウィーン合意は、イランの核開発を厳しく制限する代わりに制裁を解除するというものだった。核施設に対する監視強化も規定していた。ただし、その主要条項の一部は時間とともに期限切れとなる設計だった。
60日間の交渉
60日という期限(双方合意により延長可能)は、外交努力としては非常に野心的だ。ウィーン合意が成立するまでには10年以上かかっている。
フィノー氏は「期待値が低く、JCPOAに近い結果に戻るのであれば、この期限は現実的だ。しかし、例えば弾道ミサイル問題などを含めてさらに踏み込むのであれば不可能だ」と話す。
後者は、年初にジュネーブでオマーンの仲介のもと行われた交渉でも議題となったが、失敗に終わっている。この覚書にはその点は含まれていない。
現状、この覚書はイランが核兵器を取得しないことを再確認し、濃縮ウラン備蓄の希釈に言及するにとどまっている。また「両者は濃縮問題について議論することに合意した」としている。
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今後もスイスが舞台になる?
今後60日間に新たな交渉がスイスで行われるかは不明だ。スイスは2003年以降、イラン核問題をめぐる初期交渉をホストし、2013〜2015年にはジュネーブやローザンヌでも協議が行われていた。
「ジュネーブはインフラ面で便利であり、前例もある」とフィノー氏は指摘する。「しかし、パキスタンやカタールの仲介者が自国開催を望むかどうかを見極める必要がある」
ジュネーブ大学の高等国際関係研究所の講師で、アラブ・地中海研究センター所長のハスニ・アビディ氏はフランス語圏スイス公共放送(RTS)の番組で、「これまで交渉から遠ざかっていたスイスが単なる仲介役を超え、合意の強化に関与することを期待している」と述べた。
スイス連邦外務省は、スイスは「会合の自国開催に向け、実務的・外交的条件を整えることで仲介役として機能している」と説明している。
スイスは1980年以来、イランにおける米国の利益代表国を務めている。
編集:Virginie Mangin/sj、英語からの翻訳・校正:宇田薫
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